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第一のプロローグ
「え……」
「お前さんの人生はここまでみたいだな……」
「あれっ、視界が見えなくなっt」
「□□□様一六歳と三カ月、クエストリタイアとみなします。お疲れ様でした」
「なんか言った? いや聞こえる訳が無い。だって多分、俺は現実世界から存在が無くなったのだから。
まぁ、この世に未練は無い。親友にも家族にも愛されることの無かった、
唯一あるとすればあの人いや、あの■■……」
闇に溺れていく、苦しい。
意識は無いはずなのに一つの光を追い求めている。
なぜだろう。ここはどこだ、何も見えない。
ナイフが腹部を貫き大量の鮮血が吹き出している。
抑えても抑えても止まらない血の熱さと、足が竦むほどの恐怖を覚えている。
そう俺は本当に死んだのだ。
——起きて! 起きて! 早く起きて……
同時に全身が燃えるような熱さが彼を襲った。
次回、愛についてのプロローグ