無差別殺人
浩二は大学への通学中に天使に取り憑かれた人間を幾度も見つけた。
すれ違う通行人、車の運転手、コンビニの中に居る客の中にも取り憑いていた。
彼の通う大学にもいた。
大学の講義の途中でも浩二はそれらの人を殺すために証拠を残さない無差別殺人を行う方法を考えていた。
村野 浩二(どうやって殺すか・・証拠を残さず殺す方法・・・)
あの方法でやってみるか!)
教員「村野!ぼさっとするな」
生徒達「アハハハ」
彼は帰宅して部屋にこもった。村野 浩二の母,村野 恵美が彼の部屋のドアをノックした。
村野 恵美「夕飯出来たわよ」
村野 浩二「置いといて」
浩二はネットショッピングである植物を購入していた。
翌朝、休日だった浩二は届いた植物から毒を抽出し小さいボトルに入れた。
実際に殺人事件で使われた毒だ。
浩二は身元がわからないように帽子とマスクをして周りをキョロキョロしながら
遠回りでカフェに行った。
カフェの自動ドアが開く、
店員「いらっしゃいませ」
浩二はコーヒーを頼み、天使が取り憑いているおじさんの隣りに座った。
浩二はわざとおじさんに向けて小銭をぶち撒けた。
浩二「すみません。」
おじさんは呆れた顔で黙っていた。
テーブルの上の小銭を拾いながら浩二はおじさんから手元が見えないように死角を作り
おじさんのコーヒーに毒を入れた。浩二は自分の頼んだコーヒーを片手に持ち足早に店から出て行った。
彼は周りをキョロキョロしながら遠回りをして家に帰った。
浩二(バレないか心配だ・・・上手く行っていると良いんだが・・・)
彼はテレビをつけた。
アナウンサー「速報です。今日午後13時、愛知県名古屋市のカフェで
47歳男性が何者かに毒を混入されたコーヒーを飲み病院に運ばれましたがまもなく死亡しました」
警察によりますと、防犯カメラに何者かが被害者の男性が飲んだコーヒーに毒らしき物を
混入している映像が写っていて警察は容疑者の行方を追っています。」
浩二(知り合いには会っていないし、家に入るところも見られていない。
変装もした。警察は来ないはずだ。コーヒーを買った小銭にだって指紋を付けてない。)
浩二は意識が遠のいてきた
浩二(この感覚!)
視界は暗くなっていき、やがて真っ暗になった。
悪魔「よくやったな。これで一人目だ。これでお前は少し理想に近づいたな。」
浩二「ああ、天使を見分ける能力以外に他の能力はないのか?
もっと殺しやすい能力をくれても良いんじゃないか?」
悪魔「もう少し様子を見てからだ。」
浩二「もったいぶるなよ」
浩二の視界は元に戻った。
異世界にて・・・
雲の隙間から照らす太陽の光の下で天使たちが話している。
天使「悪魔め!姑息な手段を使いやがって、我々は負けるわけにはいかない。こちらも手を打たなければ・・・」