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第一次「異」世界大戦  作者: 七十八十
新世界暦1年
59/201

本土防空戦

新世界暦1年4月8日 ザルツスタン連邦国ザリーニングラード航空基地


ロシア海軍とインド海軍の攻撃で艦隊は壊滅し、軍港も壊滅的被害を受けたザリーニングラードで、辛うじて被害を免れた施設が航空基地だった。

とはいえ、施設が無事、というだけで所属航空機は軒並み空母と共に海の底なので、防空のために陸軍航空隊が移駐してきていた。


元は複数の正規空母の搭載航空機が所属していた基地である。

その規模に対し、移駐してきた陸軍航空隊はわずかに45機。内訳は単発単座の空冷レシプロ戦闘機30機と、双発複座の空冷レシプロ戦闘機15機。

よって基地の中は非常に淋しいことになっている。


「敵が来たらこんな数で何しろってんだ?」

「仕方ないだろ、元々余裕ねぇんだ。首都防空だってあるんだから、突然じゃこれが限界だよ」


ガラガラのエプロンにデッキチェアを出して空を眺めていた搭乗員は投げ槍に言った。


「しかし、ザリーニングラード軍港をあんなにできる敵ってなんなんだ?」

「さぁ?ホリアセやアズガルドじゃないんだろ?敵がどんな飛行機なのかもわからんし、どうしろってんだ」


どこかの過去にあった帝国の陸軍と海軍よろしく、この国の陸軍と海軍も仲が悪い。

よって、海軍がやられたから仇をとってやろう、なんていう気概は皆無で、むしろざまぁみろと思っている節もある。

今回の移駐も、元々本土防空は陸軍の任務なのだが、軍港の防空は海軍の任務、という縦割りで歪になっている防空任務を海軍から取り戻すいい口実になると陸軍上層部は判断していた。


と、そこにサイレンが鳴り響き、側車付きのオートバイに乗った整備員がメガホンを口に押し当て、搭乗員は全員格納庫に集合!と大声で叫びまわり出した。


「いよいよ敵襲かな?」

「どうだか。またありがたい隊長の講話かもよ」


やれやれと、2人は立ち上がり格納庫に向かう。

すでに格納庫には全搭乗員が集合していた。が、いつもの隊長のありがたーい講話の際は一緒に集められる整備員達は、外に並べられた戦闘機の周囲を忙しく走り回っていた。


「おいおい、こりゃぁ・・・」

「しっ、隊長がきた」


明らかに出撃前のブリーフィングである。


「先ほど、沖合500キロで警戒にあたっている海軍のピケット艦が、こちらに向かってくる国籍不明の大型機編隊を探知した。状況からして、先日軍港を襲撃した国の爆撃機編隊と思われる」


その言葉に、搭乗員たちは騒めく。


「静かに、敵の速度からして一時間半ほどで軍港上空に到達するものと思われる。我々の他に4個重戦闘機飛行隊、1個軽戦闘機飛行隊が出撃する。敵の探知情報からして護衛戦闘機はいないものと思われるが、油断はしないように。海軍の間抜け共に防空とはどうやるのか教えてやれ!」

「「「「了解!」」」」


その返事と同時に、全員が乗機に向けて走り出す。


「重爆だけが相手とかちょろい相手だな。鈍い重戦闘機どもにくれてやる戦果は無いぜ。全部俺達で食ってやろう」

「調子に乗って防御銃座に落とされるなよ」


先ほどの2人も軽口を叩きながら乗機に向かう。

単発単座の軽戦闘機は武装が15mm機関砲2門と8mm機関銃2門。

対して双発複座の重戦闘機は20mm機関砲2門と15mm機関砲4門、後部旋回銃座に15mm機関砲1門と重武装だが、当然、重くて鈍いので格闘戦はできない。


「じゃあ、上でな」

「おう」


互いの手を叩き、それぞれの乗機に向かう。

狭いコクピットに体を押し込み、パラシュートを背負う。

エンジン始動前のチェックや操作手順を順番に行う。

プロペラピッチ、燃料濃度、イグニッションスイッチ、カウルフラップ、燃料計の油量点検、燃料コックの切り替え、燃圧調整、スロットルレバー操作。


「回せー!」


開けているキャノピーから腕を突き出して回しながら叫ぶ。

すると機付の整備員が機体下に潜り込んで、エナーシャハンドルを差し込んで回し始める。

独特のタービンエンジンのようなモーターのような、甲高い音が響き始める。

やがて、十分に回転が高まりきったところで、整備員がハンドルを引き抜き、機体下から離れる。


「点火ー!」


整備員のその言葉で、足踏みブレーキを踏みこみ、エンジンに点火する。

油圧点検、回転の安定、プロペラピッチの調整を行い、暖機運転に移る。

しばらくして油温の上昇を確認し、電装系の確認、各操縦翼面の確認を行う。

機付も外から確認を行い、親指を立てて異常がないことを示す。

最後に再び油系統を確認し、機付にジェスチャーで車止めを外すよう指示する。


後は無線の確認をして発進を待つばかりである。





新世界暦1年4月8日 ザルツスタン連邦国ザリーニングラード軍港沖合500Kmの上空


ジェット機に慣れた感覚からすれば、ゆっくりと飛ぶプロペラ機の編隊があった。

ロシア空軍の戦略爆撃機部隊だが、彼らに与えられた任務は囮だった。

ステルスでないとはいえ、ESMを使用すれば単純に電波を放射しているだけの初歩的な敵のレーダーを回避するのは容易だが、そうしないことで得られるものを期待していた。

あえて敵に迎撃部隊を出させることで出撃基地や敵の勢力圏などの情報を収集しようというのである。


よって、編成はTu-95MSが40機。

巡航速度の550Km/hでわざと高度5000mを飛行していた。

それと別に、敵の迎撃状況を監視するため、早期警戒管制機のA-50Uが2機、離れた位置を飛行している。

敵の迎撃機が近付いてきたら、高度を上げて速度を800Km/hまで上げればレシプロ機を振り切るのは容易だと見積もられていた。

世界最速のプロペラ機は伊達ではない。


ちなみに、囮とはいうものの、きっちり爆装しており、爆撃する予定である。

1機あたり12tの爆弾を腹に抱えているので、40機で480t。

もちろん全て無誘導である。


そして、囮がいれば本命もいるのである。

別ルートで侵入するTu-160MとTu-160M2の30機編隊である。

ちなみに、数は少ないが、1機辺りの爆装量は18tなので爆装量は同等である。


二方向から侵入する爆撃編隊、合わせて約1000tの爆弾をばら撒き、焦土にした無抵抗の土地に上陸する。というのがロシア側の考えだった。

ちなみにインドは渡洋爆撃能力がないので、爆撃に関してはロシア任せだが、ロシアがこれ以上別戦線に地上兵力を抽出できないので、上陸部隊の主力を務めることになっていた。


『方位192、距離300(キロ)、ヘッドオン、敵戦闘機、数45』

「了解。高度10000(メートル)までゆっくり上昇を開始する」


A-50Uからの無線で、Tu-95編隊は独特の二重反転プロペラの音を響かせながら、ゆっくりと高度をあげる。

まだ速度はそのままである。


『こいつらは軍港のあたりから上がってきた奴だな。出来ればもうちょっと釣り出したい』

「高度7000くらいならレシプロでもついてくるだろ。曲がりなりにも軍用機なんだから」

『レシプロが高度7000で600出せりゃ大したもんだと思うがね』


レシプロの最高速度で言っておくと、旧日本海軍の紫電二一型()が高度6000mで644Km/h、アメリカ陸軍のP-51Dが高度7600mで703Km/hなので、最大速度925Km/hのTu-95が本気を出せば簡単に振り切れる。

なお、レシプロ機の最高速度の測り方は国によって条件が違うので、諸説あったりする。

紫電改の最高速度が680Km/hだという説があったりするのはそのためである。


ちなみに、第二次大戦時の軍艦の速力も同じで、国によって計測の条件が異なるし、そもそも、「出力100%で何馬力です!」と公称してても、蒸気タービンの場合はだいたい過少申告している。

造った方からすれば、実際に出なかったら文句言われるから低めに言っとけ、というわけである。

よってだいたい150%くらいまでは出しても問題なかったりするが、さすがに飛行機ではそんな大雑把な話はない。


『新たな敵戦闘機群探知、方位254、距離400』

「大歓迎だな」


簡単に振り切れるとわかっていても、自機に敵機が群がってくる状況というのは精神衛生上よろしくない。


『更に別の戦闘機群探知、方位150、距離350』


あまりの大漁に、Tu-95のパイロットは思わず表情を引きつらせながら上昇を宣言して操縦桿を引いたのだった。





新世界暦1年4月8日 ザルツスタン連邦国陸軍暫定ザリーニングラード航空隊


『そろそろ敵が見えてくるはずだ』


編隊長からの無線に、周囲を再度見回す。

今のところ、敵の姿はまだ見えない。

現在の高度は5800で、今も上昇中である。上昇中のため速度は300を切っている。


出撃前の情報では敵の高度は5000とのことだった。

この高度からなら加速して襲い掛かり、そのまま離脱し、再上昇することで防御機銃の被害を抑えることができるだろう。


雲は出ているが、機体が隠れられるほどのものではない。

見逃すはずがなかった。


「見当たらないな・・・針路を変えたんじゃないか?」


僅かに機体を傾けて下方視界を確保しながら索敵するが、敵機の姿はない。


『レーダー情報を問い合わせる。しばし待て』


編隊長は基地と交信するため、周波数を変更した。

そのため、その情報を聞くのが一人だけ遅れた。


『上だ!』


そう叫んだのが何番機なのかはわからなかったが、その声で視線をあげると、自分達よりも遥かに上を雲を引きながら飛ぶ4発重爆の編隊が目に飛び込んできたのだった。

発進手順は隼準拠です。映像で見たい人は荒野のコト〇キ飛行隊の1話見るといいです。

防衛省の概算要求がでましたが、ざっと見た感じ、事前に報道されていたのを除けば目につくのは新小銃と新拳銃でしょうか。

意匠が出てる奴なんでしょうけど、多分アクセサリーは後日配備でまた海外派遣があるタイミングで大量購入になるんでしょうね・・・。

F-15の改修ももう少し詳細が出るかと思いましたが、従来通りですね。今わかってるのはレーダーのAPG-82への換装と、大きさ不明の新しい多機能ディスプレイの装着ですね。外観上の変化は搭載ミサイル以外少なそうですね・・・。


次回は・・・日曜日?

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