お詫び
本作は、作者がもうどうにも続きをかけないと判断したため、一旦完結という形で締めくくらせていただきます。
また気が向けば続きを書くかもしれません。
その時は応援どうぞよろしくお願いします。
★★★
「いや、待てよ作者」
パソコンに向かって詫びの文を打ち終えた僕の肩を荒っぽく誰かが掴んだ。
振り返るとそこには随分と見慣れた顔が並んでいるではないか。
「何急に終わりとか言ってんだフザケンナよ殺すぞ」
「そうです! 私達まだまだ冒険も探検もしていませんイチャイチャも伏線の回収も放ったらかしじゃないですか!」
「いや、そんなこと言われても……」
実際、どうにも続きがかけないのだから仕方がない。
この後の展開も一応考えてはあるが、スキルとか転生とか安易に手を出してしまったのが間違いだったのだ。
ほほいと出したところで、人気が出るわけじゃなかったのだ。
「でもだからって、投げっぱなしはダメだろ」
「うん、ボクもさ大変だとは思うよ。でもさ、レビューしてくれた方にも、ポイント入れてくださった方にもさ、こんな終わらせ方は失礼だし、何より作家見習いとしての信頼が地に堕ちるよ多分」
「…………」
マジなんも言えねぇ。
「だいたい、貴方が甘い見通しと勢いだけで投稿を始めるのがいけないんです! 前回の反省をしていないんですか!?」
「ぐっ、それ言われちゃうと……」
「この後、どうせ安いバトル展開に持ってこうとしてたんだろ」
「ぐっ!」
「ギュウトンやサイランがレギュラー化したのも、ボクが出てきたのも、ファーストシーズンで方向が見失ったからだよね」
「ぐぐっ!!」
「コメディーに走ればなんとかなんと考えたのが甘いと言ってるのです!」
コイツら、好き勝手言いやがって!
僕はもう我慢できなくなって、勢いよくパソコンを叩き閉じ、声を荒げた。
「ウルセェ! 黙って聞いてりゃ——」
「話はまだ終わってませんよ。あなた、スキルだとか流行ってるってだけで取り入れて、結果良くわかんなくなってるなんて笑わせるのも大概にしてください!」
「今では短編一本すら書けないんだってな」
「前は書けてたのに……。ザマアミロだね」
「ごめんなさい許して甘いのは悪かったです申し訳ない!!」
自分が自分で嫌になりましたお国に帰らせてもらいます!
「でも、どうせ続けろっつったって続かねぇんだろうな」
「……私にいい考えがあります」
「ほほう?」
閃いたエレナにセオ君が眉をあげた。
嫌な予感しかしねぇ。
「作者さん、あなたこれから、一ヶ月に一本でいいです。短編を書きなさい。それで、来年の今日、この物語を改めてゼロから始めるのです」
「「「え!?」」」
なんだって?
「お、おいエレナさん。そりゃなんていうか、名案じゃね?」
「騙されないでセオ君! この話ほぼエタッてるんだし誰も続き読みたくなんてないよイキりだよ恥ずかしいやつだよ!」
ラビンが必死に言うも。
「いいじゃないですか、誰も期待してなくたって。どうせ商業作品でもあるまいし、作者の自己満の延長なんですから」
「……」
「これは、私達のための提案なんです。このままは嫌なんですよ、私は」
「エレナさん……」
「作者さん」
エレナが僕に向き直って真剣な眼差しで見つめてきた。
「約束、してくれますね?」
「……………………はい」
その瞳には有無を言わさない迫力があって、僕は思わず頷いていた。
それに満足したのか、エレナはスッと立ち上がり頭を深々とどこかへ下げて語った。
「この物語を応援して下さった皆様、読んで下さった皆様、このような形で幕引きとなってしまうこと大変申し訳ございません。
でも、待っててください。
私達は来年の今日、再び帰ってきます。それまで、まってて下さい。
また会える日を楽しみにしてて下さい。私達も楽しみにしています。
それでは、これにて一旦、ご愛嬌」




