甘食考
甘食
アマショク
英名:Sea cake
界:動物界
門:棘皮動物門
綱:ウニ綱
目:タコノマクラ目
科:カシパン科
属:アマショク属
種:アマショク
1種
甘食(アマショク)は,スカシカシパン類や,タコノマクラ類と同じく,棘皮動物の仲間である.
体長はおおよそ六センチ,体高は三センチほど.
円形の身体を持ち,中央部が盛り上がった,なだらかな円錐形をしている.
上面中央部から四ないし五ほどの亀裂のような模様が確認でき.
これは棘皮動物に共通するものであり,放射相称と呼ばれるものである.
体色は若干の個体差があるものの,総じて小麦色.
円錐の頂点付近は,亀裂内部に薄い黄色の様相が示されている.
生体の色は小麦色だが,死んだものはたちまち緑色に変化し,悪臭を放つ.
生息域は日本,千葉県房総半島から南部の海岸,主に太平洋沿岸での目撃例が多い.
海岸近くの浅い砂場に住み,海底を這って移動する姿がたびたび見受けられる.
付近の海岸では,生体や,死んだばかりの個体が拾えることがある.
ただ体殻が薄く,もろいため,鳥などに食べられてしまうことのが多い.
棘は短く,同科のカシパンと比べても,非常に短いのがよく分かる.
繁殖期は五月頃.海水温がさほど高くない,大潮の日の夜に,放卵,放精を行う.
主な用途は食用である.
天然のものは,品質管理が難しいことから,養殖されたものが店頭に並ぶことが多い.
味は甘く、他の食用ウニのような濃厚さはほとんどない.
身もしっかり詰まっており,口腔内の水分を奪うほどのものまである.
調理方法はなく,そのまま体殻ごと食べられる.
養殖は,まず成体を捕獲するところから始まる.
上記のように,繁殖期の五月に,親となる雄と雌の甘食を海にて採取.
しばらく別々の生け簀で保管し,大潮の夜に人工的に,放卵,放精させ,受精をする.
受精後,三日ないし四日ほどで,プルテウス幼生に成長するので,稚甘食になるまで管理し
後は生け簀に移してさらに成長させる.
この間の品質管理は徹底され,わずかな水温の変化さえも許されない.
水温が二十度を切る冬の時期は,甘食の死亡率が上がるためである.
出荷できるようになるまで,おおよそ二年前後.
死ぬとただちに緑色になるために,できるだけ新鮮かつ生きた状態での出荷となる.
袋詰めされた後は,ガス充填にておいしさが長持ちするようにされる.
一方,天然ものは非常に貴重とされ,主に漁村での祝いの席などで振る舞われることが多い.
市場にはまず出回らない.あったとしても,それは偽物である.
限られた地域の郷土食としても親しまれている.




