プロローグ
不定期更新ですが、よろしくお願いします。
特に何かに興味を持ったり熱中することもなく趣味も特にない。
その為、親に言われるまま勉学に励み気がつけば日本最難関と言われる大学に入学し丸一年が経っていた。
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『次の停車駅はーーーーー』
「はぁ…」
変わらない日々に溜息を吐きながら通学電車の窓に流れる景色を見ていた。
いい大学に来たら何か面白いと思えるものもあると信じて早一年…つまらないな。
何か面白いことでも起きないものかなー…!?
ーーーーーーーーーーブゥン
『ーー 起動を確認、システム開始します』
突如車内のスピーカーから流れ出す電子音声、乗客は皆余り気にもとめず日常を続けていた。
『ーー《Player》を認識、エキストラをフィールド外に転送します。』
「………どういうことだよこれ…うわっ!」
音声が流れ終わると同時に周りが光りだし思わず目を覆った。
再び目を開けると周りにいた人間、老若男女問わず自分を残し跡形もなく光とともに消えていた
車窓から外を見てみるといつも見ていた空は無く、そこには無機質な灰色の壁のようなモノにより閉鎖されていた。
突如日本の都心が壁に覆われた。
これは世界各地でニュースとなり調査が進められた、しかしなぜ突然都心が壁に包まれたのか、そして行方不明者達は壁に閉じ込められたままなのか、全くの謎のまま捜査は行き詰まっている。
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一週間が経過したドームの中は
まるでFPSゲームのような空間が広がり、街の節々が壊れたビル、発砲音、悲鳴や怒号で溢れている
かつてこの場所は日本の中心地だった
そんな日常は崩れさっていた
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ドームが現れ数時間後放送が流れた
ーーーーーパンパカバーン
『ーーおめでとう、フフフ喜びたまえ、諸君らは選ばれた!!ーー』
安っぽいファンファーレと共に流れてきたのは、先程までの電子音声とは違う、男の声だった。
『私は《ゲームマスター》、名前の通りこのゲームの製作者だ。突然のことでさぞかし不安だろう、しかし安心したまえ君たちの衣食住は私が保証しよう。んーそうだなまずはーーーーー』
放送ではこのドームの中での俺達…いや、《Player》達の暮らし、待遇等が説明された
そして放送が終わり、主人公はあまりの出来事に困惑し呆然としていた
「都心でこんな大規模な事ができるものなのか…?そうだ!これはきっと大掛かりなドッキリか何かなんだろ!ハハハ…」
誰もいない電車の中にただ乾いた笑い声が響き、それが現実であることを痛感させた
数分が経ち、落ち着いたところでようやく放送の内容が頭の中でまとまり始めた。
「……はぁ、笑っても仕方ないし、取り敢えず今わかっていることを纏めてみるか」
要約すると
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ドーム内に現在残っている人間は《Player》と呼ばれる
このドームでは《Player》全員参加型のゲームが行われ、ルールはなし、ただ迫り来る敵である機械人形通称《BOT》を倒し続けるという簡単なものだ。
《BOT》と戦うための武器、それは銃器であり、ドーム内にあるガンショップ等で入手する事ができる
服や食品に関係する店の一部は今まで通り機能し、すべてが敵対しないロボットによって運営される。
住居はセーフゾーンという《BOT》に攻撃されない、唯一安全な施設に住むことになっている
ちなみに、消えた人間は参加資格を持たない為ドームの外側へと転送?されたらしい。
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とまぁ、こんなところか…
しかしふざけた話である、訳もわからないまま閉じ込められたと思った矢先に、
得体のしれないロボットと戦えと言うのだ。
勿論《Player》達は口々に抗議をした
しかし、こちらの声は聞こえていないのか
はたまた聞こえているが無視しているのか、あちらからは一方的な情報が与えられるだけだった。
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機械人形《BOT》vs人間《Player》
どこで作られ、どこから送られてくるのかはわからないが銃器をこちらへ向け、躊躇なく発砲してくる奴らは紛れもない敵だと誰もが認識した。
そして数回の《BOT》との戦闘を経て《Player》達は気がついてしまった
『敵はBOTだけではない』
極限状態にある人間、それらもまた敵だったのだ
小さな小競り合いから殺し合いへの変貌は1週間の間に、もはや日常と化していた。
そんな中俺はそれらには関与せずセーフゾーンで細々と暮らしている
セーフゾーンには最低限の衣食住は無償で完備されていたのでそれを我慢すれば不自由は特に感じられない。
しかし、いつ誰に攻撃されるかわからない、誰が裏切るかわからない
そう、ここにいる誰もが銃のトリガーを引きかねないのだ、
たとえ狙った先が人間であろうとも
そんな空間で1週間が経ち、精神的な疲労がジワジワとセーフゾーンの《Player》達を蝕んでいた。
ここは現実だ、いや現実のはずだ…だから、多分死ねば本当に死ぬのだろう。
死ねない…ここから抜け出すまで、俺は死ねない…ッ!!
平穏な日常を送っていた都心では、そんな日常とは正反対であるだろうデスゲームが始まった。
感想等、お待ちしております。