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ささやく夜

作者: 矢積 公樹

 昼過ぎから降り始めた雨が一段と激しくなってきた。店の準備を淡々と進める志郎にも、通りに面したガラスの壁越しにかすかな水音が聞こえてくる。昼間のカフェのスタッフが、今日は無理やねぇ、下手すると電車が止まってしまって帰られへんようになるかもしれんよ、と彼に冗談混じりに忠告してくれたが、このままだと本気で心配したほうがいいかもしれない。

 7時にカフェのスタッフが全員帰り、定刻の8時に店を開けるべく準備にかかった志郎だが、なにせ昼間も客が来ないのだから店はきれいなものである。オレンジジュースと烏龍茶を冷蔵庫にしまおうとしてドアを開けると、そこに2本ものロールケーキが置かれていた。カフェスタッフが精魂込めて作った新商品とは聞いているが、なんの連絡も断りもなく我が物顔に鎮座するケーキを見て志郎は軽くため息をついた。明日まで持つかどうか分からないのに、どうするつもりなんやろ、と独り言が口をついて出てきた。

 8時まであと5分となった。店の前の通りに照明付きの看板を出して置く頃だ。志郎はバックヤードから看板と、スタッフ共用の傘を持ち出した。看板はキャスターが付いているがそれなりの重さがあり、傘を片手に動かすのに少し手間取った。照明が点くとその光を受けて店の入口に通じる金属製の階段がほのかに赤く輝いた。普段は安普請が丸出しのさえない階段だが、今日は大雨に浸されていつになく艶めいていた。

 その階段を上がり、店のドアにかかっている「closed」の札を裏返して「OPEN」の面を向けた時である。階段の下の通りから志郎に向かって呼びかける声が雨音の中から聞えたような気がした。振り返ると、先ほどの看板のすぐ横にこげ茶の傘をさした男が立っていた。

「…あ、あれ、今日は健司の日じゃなかったっけ?」

「あ、はい、急に休みになったんで、代わりに僕が入っています。」

 なんやそうかいなぁ、と男はぼやいた。長めのコートを着こみ、足元も防水と思しきアウトドアシューズで固めていた。

「すみません、でも、せっかく来ていただいたんでしたら、どうぞ。すぐ開けますから」

 志郎が招くと、男は、そうやな、そんなら、と応じて店のドアに向かって来た。階段が男の靴に答えて少し重々しい音を鳴らした。

 傘を畳んでコートを脱いだ男に志郎がおしぼりを渡す。あぁ、えらい雨やった、と男は呟きながらストゥールにどっかりと腰かけた。コート姿では分からなかったが男はやや太り気味で、ダンガリーシャツの上からでも下腹の膨れがはっきりと分かった。手には買い物袋と思しき薄く小さなショップバッグが握られていたが、それはカウンターに置かれるとパタン、と乾いた音を立てた。志郎の眼にはそれがDVDのように見えた。


 ハイネケンのグラスをひと息で半分ほど空けて、あぁ、と男が呻いた。分厚い唇と太く濃い眉がカウンター越しでもよく目立った。

「健司が休みっていうことは、多分女やな。」

 大きな眼を細めて男が笑う。

「いや、こんな急に代わってくれって言われたことがないんで、めちゃ焦りましたけど、何でかまではちょっと」

「せやろ」男はまたニタリと笑う。

「あいつはどうでもええことばっかりメールや電話で言うてくるくせに、本気になると自分だけで何とかしようとして突っ走んねんな。で、」

 男はシャツの右腕をまくり上げてさすった。

「見事に失敗しよる。クルマでも女でもマンション選びでも、全部そうやった。」

 健司は志郎より数年早くこの店に入っており、年齢も2歳ぐらい上だ。ただ、眼の前の男は志郎より軽く10歳はとしをくっているように見えて仕方ない。

「健司さんとは長いおつきあいなんですか?」

「小学校から一緒や。」

 内心ではひるみつつ、そうですか、ホンマの旧友ですねぇ、と志郎はあいづちを打つ。

「バイト先が一緒だったこともあるし…そう、ほんで、アイツ音楽にびっくりするぐらい疎いやろ?」

 そうですかねぇ、と志郎は首をかしげるふりをしたが、本当は今にも吹き出しそうになるのを必死にこらえていた。店のBGMはレジの横に置いてあるノートPCの中のiTunesを使っているのだが、健司が勤務した日の翌朝に出勤するスタッフは彼がいつもディズニーの映画音楽のダンス用ノンストップものか、プロレスラーの入場テーマ曲集のどちらかしか流していないことを志郎に教えてくれたことがあった。「まぁ、レスラーの曲ならビールが進むかもしれんけど、カップルとか年配のお客さんにはどう聞こえてるやろねぇ」とそのスタッフは大笑いした後で少し心配そうに言っていたが、なにぶん下手な言い方をすると先輩である健司の機嫌を損ねるかもしれず、またシフトの都合上志郎は健司に直接会うことがないので何をどう言ったものか考えもつかなかった。

 男がカウンターの上に置いていた袋を手に取り、中身を取り出しながら志郎に言う。

「アイツがこの店に働き出してから、俺のCDを貸してそのiTunesに曲をどんどん入れるようにしてきたんよ。今日もホンマはそのために来たんや。」

 男の手にはCDがあった。

「つい最近この近くに中古CD屋が出来たんで行ってみてん。」

「そういえば、このPCの曲が増えてることがありましたけど、もしかして」

「俺の他に持ち込んでる人がおらんかったらそやろな。この前はクラプトンのベストを、ええと、半月ぐらい前に持ってきて」

「あ、それって『フォーエヴァー・マン』っていう曲が入ってるやつですか?」

 そうや、としたり顔でうなずく男の顔がなんとなく蛙に見えてきて志郎は困った。

「あの曲が大好きなお客さんに、この前ビールごちそうなりました。おかげさまで」

「そういうこともあるやろ、な、あるやろ。どんな店でも雰囲気は大切やで。まして健司みたいにお世辞言われへんヤツやったら、黙っとっても間が持つようなBGMでも流さな、なぁ。いくらなんでも、ミッキーマウスって…」

 ああやっぱり、と心の中で志郎は呟いた。

「それなら、このCDをうちのPCに」

「ええかな?そういえば健司にも聞いてなかったけど、勝手に曲を入れていっても店に怒られへんの?」

男が急に真顔になって訊いてきたが、すぐに、あ、と声を上げたかと思うと、「そんなこと言っても君の方が後輩なんやし、アカンとは言われへんわな」と笑いながら続けた。

 男から渡されたCDのジャケットを見る。赤いドレスの女が脚を組み、うつむいて座っている。足元にはトランクのような四角い箱が見え、彼女がいる部屋は木枠の窓がはまった古い寝台車の客室のようだ。アーティスト名らしい人名がピンク色で書かれているが、なじみのない書体は志郎が読めないものだった。そのすぐ下にある白字はアルバムタイトルだろう、『RESTLESS NIGHTS』とあった。この人の名は、と志郎は男に訊こうとしたが、CDケースを開ける側の側面にカタカナが縦書きで書かれているのをすぐに見つけた。『カーラ・ボノフ ささやく夜』とあった。

 PCがCDを読み取っているあいだに男はトイレに立った。志郎はCDからブックレットを抜き出し、ジャケットを眺める。女の左側の髪が髪留めでかき上げられているので横顔が写っているが、目元は影がかかっていてはっきりしない。少し大きめ形の整った唇と、筋の通った鼻、白く艶やかな肌は眼にとまるものの、ジャケットの写真全体が薄暗く落ち着いたトーンにまとまっているので、きっと美人なんだなと推察できるという程度である。

「この人って、ピアノの弾き語りですか?」

 トイレから出てきてストゥールに座りなおした志郎が訊くと、男は首を横に振った。

「いちおうは弾くねんけど、全てピアノの前に座って弾き語りっていうのではないねんな…まぁ、聴けば分かるよ。そんな長い曲もないし、けっこうすぐ聴き終わるから。」

PCが取り込みの終了を告げ、CDをはき出した。iTunesのKの、ケイティ・ペリーの横にジャケットの写真がサムネイルとして現れた。志郎がクリックすると、彼の予想に反して、かき鳴らされるエレキギターがスピーカーから流れてきた。え、ロックなんだ、と思う間もなく女の声が歌い始めた。志郎はスピーカーに耳を澄ませた。

 なんだか地味で暗い声だな、というのが第一印象だった。そのくせバックの演奏は妙に明るく軽やかで、彼女もそれに合わせているのだけど、勢いよく声を張りあげると言うよりは音程を外さないよう丁寧に歌っているような感触があった。

「こういう声って、あまり聞かへんやろ?」

 志郎が集中して聴いているのを見て、男がグフッと声をたてて笑った。

「なんか、落ち着いた大人っぽい声ですね。いくつぐらいの人なんですか?」

「一昨年で還暦だったはずや。」

 眼が点になる志郎の顔を見て大声で笑ったあと、iTunesのアルバムのリリース年を見てごらん、と言う男に従って志郎がPCの前に行く。

「あ、79年っていうことは」

「この人が、たしか28歳の時やで」

「じゃ、このアルバムって30年以上前なんですか」

 男は真顔に戻って、そうなるわな、と自分の言葉にうなずきながら言った。

「女性ヴォーカルって、もっと派手でキンキンした声っていうイメージがあったから、こんなに落ち着いた、優しい声ってすごい意外っていうか、新鮮です。」

「この人、元々はソングライター、曲を歌手に提供する裏方さんだったからな。自分のバンドもあってんけど、デビュー前に解散したらしいわ…イーグルスってバンド知ってる?」

「はい、このPCに何枚かアルバムが入ってて聴いたことがあります。」

 男がグフグフと声をたてて笑う。リクエストもけっこうあるやろ、と志郎に訊き、うなずく志郎を見て満足そうにうなずいた。

「カーラはイーグルスとほぼ同世代で、ロサンジェルス周辺で活動してたから交流もあったらしい。この次の曲にはドラマーがゲストで参加してるで…コーラスで、だけどな。」

「そうなんですか」

「イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』が大ヒットしたのが77年だから、その2年後に出来たことになる。28歳いうのも、まぁ遅いほうだわな。」

 ハイネケンのグラスを一気に空け、おかわり、と短く告げてから男は続ける。

「聴いてたら分かるけど、声量もあんまり無いし、音域も狭いからなぁ。ステージで目立ちまくるシンガーっていうのとは、ちょっとちゃうよな。」

 ハイネケンのグラスを受け取った男はスピーカーをちらと見て「これ、この曲」と志郎に告げた。電気ピアノだろうか、揺れるような少しくぐもったピアノと、控えめなアコースティックギターが流れ、愁いを含んだ声が聴こえてきた。

「コーラスでファルセットの男の声がふたつ聴こえるわ。そのうちのひとつが」

さっき言ったイーグルスの、と言おうとして、コーラスにさしかかったので男が口をつぐんだ。ファルセットが加わっている個所ははっきりと分かったが、二人が歌っているかどうかは耳をそばだてていないと分からないほど微妙だった。

「コーラスがきれいですけど、それよりも、なんか心に迫る曲ですね。寂しさと優しさが一緒になっているっていうか」

「それ、それやねんな。カーラの身上はそれやで。」

 勢いづいた男は、癖なのだろうか、左の拳を握っていた。

「自分の声を分かったうえで作曲するから聴きづらいところや無理に声を張りあげるところが無いし、ギターもピアノもあんまり上手くなくて、自分でやらんとプロのスタジオミュージシャンを呼んで任すから、自然と聴きやすく上質な演奏になるし。」

 ハイネケンで口を潤してなおも男は続ける。

「先輩格のミュージシャンに可愛がられたらしいけど、なんか分かる気せぇへん?」

そうですね、と答えながら志郎はもう一度CDのケースを手に取った。裏には彼女の横顔をアップで撮った写真が使われていたが、ほぼ半分以上が闇に沈んだ構図になっており、軽く眼を閉じた表情がほんのり浮かび上がるのを見ていると、以前に図鑑で眼にしたルネサンス時代のマリア像を思い出した。

「この人って今も現役ですか?」

 志郎が男に訊ねた。

「うん、アルバムはあんまり出してないけど、ちょっと前にも来日しとったよ。小さい会場ばっかりだったけどな。」

「ていうことはファンがずっといてるってことですよね。」

「そやな…リアルタイムで聴いた人らはもう60代のはずやけど、昔の曲が映画に使われたりして、下の世代にもリスナーは一定数いてるはずやね。」

「どういうきっかけで聴きはったんですか?」

 志郎の何気ない問いに、男はなぜか少し口ごもった。わずかだが狼狽している様子が志郎の眼にも分かった。

「ご両親が聴いてはったとかですか?」

「いや、うちは両方とも演歌専門や。」

「映画で使われた曲があって、とかですか?」

「いいや、このアルバムにはそういう曲は入ってない。」

 男の声が少しずつ弱くなるのを感じた志郎はいったん口をつぐんだ。ちょうど曲が終わり、明るいコーラスから始まる曲に変わった。男はその一節をごく小さな声で口ずさんでいたが、間奏のギターソロが始まったところで口を開いた。

「前の職場で貸してくれたコがおったんよ。」

 男の眼はカウンターの上のコースターを見つめていた。

「イーグルス聴いてはるんやったらきっと気に入ってもらえますよ、って言ってな…お返しに他のアルバムを貸してあげたりして」

 男の視線が志郎とあった。男は素早く下を向いてしまった。

「職場でも噂になるくらいきれいなコで、齢も同じぐらいやったから…気にはなってて、ご飯にいったりとかも、少しな…」

 ハイネケンでは全く変わらなかった男の顔が少しずつ赤くなってきた。

「でも、あかんかった。」

 大きなため息とともに男が言い切った。

「なんでですか。せっかく好きな音楽が重なって」

「そのコな」男が首の後ろを撫でた。

「会社の金をちょろまかしたのがばれて、解雇されてん。」

 言葉を失う志郎を見て男が苦笑いする。

「同棲中の男が失業したとかで生活が苦しかったらしいわ、後で聞くかぎりではな。たしかに給料の安い会社やったから、気持ちは分からんでもないねんけど…」

 首を撫でていた手を顎に移し、口の周りを指で軽く掻きながら呟く男の顔からは、もはや先ほどの蛙のような笑いは想像できなかった。

「俺もその頃、つきあっとる彼女がおってんけど、向こうの親があんまり、俺のことをな…そんな時に知り合ったコやったから、どうしても」

「あ、あの、結婚とか…」志郎はおずおずと、しかし思い切って訊ねた。

 男はガクンと首を垂れた。

「今思えば、なに考えてんねんって話やけどね、ほら、俺はこんなんやし」

 自分の顔を指さす男は、いや、それは、とあわててとりつくろう志郎にかまわず続ける。

「そりゃ、みんなが噂するようなきれいなコと一緒になれたらって考えたら」

 男は鼻の頭を撫でながらちらと志郎を見る。困ったような、油断したら泣き出しそうな気弱な表情を浮かべていた。

「このCDは前に自分で買って持っててんけど、いつのまにか無くしてしもうてて…買いなおす気にもなれへんかってんけど、今日たまたま入った店で売ってるの見て、」

 またも志郎の顔をちらと見た。と、男はCDケースを手に取る。

「昔持ってたのと違うて、ほら、帯に書いてあるけど、これ、リマスター。前のCDより格段に音が良くなってるわ。それに、CDケースの色も前は白だったけど、夜っぽい黒に変わって雰囲気が」

 男はなおも続けたが、志郎はなるべく優しい表情を保つようにして、ええ、はい、とあいづちをうった。

 スピーカーからの音が途切れた。ガラスの壁を打つ雨音がわずかに聞えてきたがしばらくして、それと同じぐらいひそやかなアコースティックギターが二人の耳に流れ込んできた。男は手をカウンターに置き、静かに頭を垂れた。たしかスコットランド民謡だったか、志郎にも聴き覚えのある曲だった。

The water is wide, I can’t cross over

And neither have I wings to fly

Give me a boat that can carry two

And both shall row, my love and I

 カーラの声は今までの他の曲よりもつつましく、静謐な色を帯びていた。ささやくようでもあり、嘆くようでもあった。慰めているのか、泣き出さないようにこらえているのか、どちらともなのか、飾り気のないメロディに乗ってそよぐように流れてくる声に志郎はじっと耳を澄ませた。やがてアコーディオンの涼しげな音色が加わると、男が手で眼の下をそっと拭った。男の涙に気づかないふりを決め込むために、志郎はハイネケンの缶を冷蔵庫に補充するふりをしてカウンターにしゃがみこんだ。

 曲はギターのささやくような音を残して静かに終わった。志郎はPCの側へ行き、イーグルスのベストアルバムをクリックした。エレキベースの粘っこい音がスピーカーから聞こえてくると男は先ほどのようにニタリと笑った。志郎にはその顔が、やはり雨季の到来を待ちわびた蛙に見えて仕方なかった。

「せやけどまぁ、過去は過去や。いつまでも引きずっとったら、今の自分にも、他のみんなにも悪いからな。」

 男の口調が明るさを取り戻していた。男はCDを手に取り、ジャケットのカーラを眺め、グフっと笑いながら言う

「今の彼女なんて、こんなきれいじゃなくてなぁ、色は白いねんけど、眼が吊り上って、顎が細くて、なんか雰囲気がカマキリみたいやねん。」

 カマキリなら蛙をとっ捕まえて喰うこともないでしょう、安心ですよ、と心の中で志郎は励ました。


 そのとき、志郎の頭に閃くものがあった。

「あの、彼女さんって甘い物、お好きですか?」

「え、うん…そうやな、並みの女以上に好物のはずやな。」

「それじゃ、うちのロールケーキ、お土産に持って帰ってくださいよ。新製品で、今日の昼間に作ったんでまだ食べられますから。」

「えっ、そんなん、ええの?」

「はい、今日はこんな天気だったんで残った分があって…いつもBGMに協力いただいているんやったら、なんかお返しをしないと。」

「でも…」

「この雨の中を来ていただいたんですから、ほんの気持ちと思ってもらえればいいです。店には、僕が落っことしたとか潰したとかで処分したことにしておきます。あ、そのかわり健司さんに話すときにも、そういうことにしておいて下さいね。」

 男はようやく納得した顔になり、分かったわ、ありがとう、とうなずいて笑った。スピーカーから「Take It Easy」の軽やかなギターのコードが勢いよく弾けだした。カリフォルニアの乾いた風が二人の間を、店の中を流れた。雨音が少しずつ遠くなっていった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 落ち着いた雰囲気で読みやすく、テンポもゆっくりとしながらもある。文章が大変上手いと感じました。 [一言] この歌手の曲を聞きたくなって来ました。調べてみたいと思います。
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