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Freedom Online  作者: 木成 零
第一章 --ゲームスタート--
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1話

~第一章~

「お前今日からアレやるんだろ?」


 そう声をかけてきたのは俺の親友の緋賀武人(ひが たけと)だ。

 アレとは今日から正式サービスが始まる《Freedom Online》のことだ。|FreedomOnline《FO》とはその名の通り、狩りや冒険だけでなく、自由に趣味で釣り、散策などでお金を稼いだりして、良い装備を手に入れて強くなっていくゲームだ。

 俺、直江(なおえ) 真人(まさと)は武人と一緒にFOをする約束をしていた。

 武人はβ(ベータ)テスターで正式サービス前からやっていて、俺を誘ったのは武人なわけだ。

 そして今高校から帰る途中に武人から声をかけられたのだ。


「あぁ、もちろん。サービス開始の十三時から速攻でやってやるぜ」

「ははは、まぁ頑張ろうぜ。お互い」


 そうして武人と話した後、俺は宿題に集中した。

 もう既に大掛かりなのは夏休み前に終わらせたし、教科の宿題も二教科を除いて終わっている。さらに数十分前に一教科は終わらせたし、後は英語だけだ。

 いつもなら夏休みいっぱいかけて宿題をするんだが、今年はFOをするので夏休みは何もしなくてもいいように全部の宿題を終わらそうとしている。だから俺は最後の英語を頑張っている。

 俺は思う。いや、多分俺だけじゃないな。何で将来英語なんか使わないのに英語を勉強する必要があるのか、と。 まぁ、とにかく今は終わらせる事だけを考えよう。


 それから数十分。俺はようやく英語を終わらせた。それとほぼ同時に学校が終わりとなった。

 今は十一時三十分。家までは三十分かかる。正式サービスは十三時からだから後一時間三十分しかない。

 俺は全速力で自転車をこぎ帰った。



  ☆  ★  ☆  



「お帰りー、お兄ちゃん」

「ただいま」


 家に帰った俺を迎えてくれたのは、黒髪を腰まで伸ばし、まだあどけなさも残るが整っていて年齢の割には大人っぽくも見える中二の妹の愛美(まなみ)だ。私服にエプロン姿の妹から察するに昼食でも作っていたのだろう。

 実は愛美もベータテスターで、俺をFOに誘ってきていたりする。

 時間が無いので急いでシャワーを浴びて、愛美の作ってくれていたお昼ご飯のチャーハンを急いで食べ、階段を駆け上って自室に入り、小型HMDを被りベッドに横たわった。

 今は十二時五十分。ふぅ、なんとか間に合った。


 このFOを買うために俺は近くの店で開店の三時間前の七時から店に並んだ。この時には既にに十数人が並んでいてその人気の高さに驚愕した。

 店が開店しようやくFOが買えたのだ。恐らくあの店に六十人位がFOを目当てに来ていただろう。

 これは後でニュースを見て知った事だが、FOは約三十万個位発売されたがそれが当日の夕方には全てが売れたらしい。さらに、βテストで選ばれたのが千人ぐらいだ。どうやらこの頃はFOはまだ人気が無かったらしいが徐々に人気が出ていったらしい。まぁそのお陰で武人と愛美はβテストに当選出来たんだろうが……


 俺はFOが発売された時の事を思い出していると、十三時にセットしていたVR機のアラームが鳴った瞬間に俺はゲームを始めた。


「ゲームスタート!」


 俺はVRゲームをするときの決まったセリフを叫びアカウント作りに入った。

 因みにVR機はゲームスタートと言うとゲームが始まる。仕組みは知らんが。


「今からアカウント作りをします。まず、アカウント名を入力してください」


 どこからか無機質なアナウンスが聞こえてくる。

 俺は始めから決めていた名前を電子化しているキーボードを打って入力した。


NEST(ネスト)


何故この名前によるしたかというと、俺の名前の漢字四字をアルファベットにして、


直(Nao)江(E)真(Shin)人(To)


 その頭文字をつなげてNESTってわけだ。まぁ「真」だけは「マサ」ではなくて、「シン」にしたけどな。

 そしてその後、髪の色を赤、目の色を茶色に設定した。後少し設定をしたあと、


「これでアカウントを登録します。これからNESTさんをゲームの世界に送ります。それでは健闘を祈ります」


 そう言った機械音声を聞いた後、俺は一瞬体が浮くような感覚に襲われた後、目を開けたらそこはゲームの中の街だった。

 ここははじまりの街か……

 俺はFOを始める前に少しだけ町や、戦術について調べておいた。まぁ殆ど知らないに近いかも……だから武人や愛美に聞いておくか……

 俺はまず、すぐに個別回線を開き、武人に連絡をとった。


「おい武人、今どこだ?」

「おっ、真人か。俺は今、中央広場の石像の前だけど……」

「わかった。今行くからそこで待ってろ」

「お、おう… …」


 俺は自分から連絡をとっておきながら、一方的に通信を切り、走って中央広場に向かった。



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