第2おまけ話「表現の自由」01から03で了
※前回のおまけ話と同様に、挿絵が挿入されています。
前回の告知どおり、キャラクタービジュアルの固定化は本望ではありません。
素人の描いた絵に嫌悪感を抱かない方はどうぞ。
この話は本編と続いていますが、シナリオ上重要な情報は書かれていません。
どうぞ飛ばしてください。
でもがんばって描きました。見る人はどうぞお楽しみください。
第2おまけ話「表現の自由」
01
01 二人が対峙してから三日、勝敗はつかずにいた。
惑星シュトゥルーゼングノーシス第三惑星皇子シャルルグスブンゼン=ドラゴニズフス=ブラトリアヌス?世と惑星モルデスラハギンコルストール第六惑星のコルスリンシャロウ=ヒュルツドシュレット=ヴァンダルセン第三皇子との一騎打ちである。
しかし二人のソウルドルトリメイションは尽きかけようとしていた。たぶん次のマルテリクスシュトラウムでノルディルコントレクトがきまるであろう。
先に仕掛けたのはシャルルグブンゼン=ドラゴニズフス=ズラトリアヌス?世であった。
彼の聖剣ヒュレディレイドシュテリンデルグにはファイアリングエレメンタルがエンチャントされているので、コシュタリウスが可能なのだ。
一方コルスリンシャロウ=ヒュルツドシュレット=ヴァンダルセン第三皇子の聖槍ノーザンファシュリティーフュノプリウスは賢者ノルセリウス=ゴロフサコニフ=モリモンサレイスによってもう一つの聖槍ココリジューヒルシュトラウゼンとモスリタウルス融合されているのだ。
そしてシャルルグスブンゼン=ドラゴニ……
「って寿限無か! 名前が長すぎるわ! 辞書か? これは変な長い名前辞典か?!」とブッチョは原稿用紙を机に叩きつけながら叫ぶ。
「カッ子姉ちゃん、挿し絵ももうなんだかてんやわんやでカオスだよ!」とライ子が言うと。
「(カッ子姉ちゃん怖い)」と丸美は震え出す。
「「なに言ってるんですか! これは愛と友情の物語ですよ? 戦いの果てに二人は結ばれるんです」」
「さらにオチはホモネタかい!」
「「失礼な! ボーイズラブと言ってください!」」と拗ねる。カッ子の意外な嗜好が明らかになる。
「なんか効果音おかしいし、ところどころに浮いてる丸いのなに?」
「「あれはマスコットキャラのニッチくんです。ニッチくんを食べるとパワーアップできるんです」」
「(怖い)」
「おーけー、これはノーカンで次いこう」
「「ひどい! 一生懸命書いたのに!」」
いきなりのカオスだが、一同はなにをやっているかというと。
今では正月三が日でも営業している店も多く、家から一歩も出ないということはなくなったのだが、おせち料理を作った手前全部食べてしまわなければならない為、外出を避けているのである。
現在1月2日、おせち料理は本日中に無くなりそうだが、暇を持て余した一同は書き初めを始めたのである。
書き初めの歴史的な意味は知らないが「別に習字じゃなくても、なんか書きゃあ何でも良くね?」というブッチョの適当発言で、なんでもいいから何かを書くという”なんでも書き初め”をすることになった。
で、カッ子の”なんでも書き初め”作品は今のカオスホモ小説だったのである。
02
「じゃあ次は私たちの番だね!」とライ子は元気よく言う。
「(二人の共同作品です!)」と丸美も元気良く言う。
「やっぱお前らは習字か? 小説は書けないだろ?」
「「ペン習字ってのもありますよ?」」
「ふっふっふっ、そんなレベルの低いものじゃないよ! さあ丸美、二人に見せておやり!」
「(さあ! ブッチョにカッ子姉ちゃん! 見ておしまいなされ!)」
と変なノリでコピー用紙を手渡される。
ブッチョとカッ子が、そのコピー用紙を見ると。
「わぁっ! あぶねぇ、このサイトから閉め出されるところだった。ってマンガかよ!」
「「わぁ! びっくりしましたぁ! 運営から苦情がきますよ?」」
「わっはっはっはっ! どうだ! 小説とマンガのコラボレーションだ! いや、これは超融合と言っても過言ではない!」
「(そう、これはどちらも現実なのだ!)」と、なにやら哲学的な台詞を吐く小学生である。
「「いや、でも、マンガなら他のサイト行けって言われますよ?」」
「そうだ!怒られたら責任取れんのか!」
「……」ライ子は黙ってしまう。
しばらくの沈黙の後ライ子はあきらめたように口を開く。
「……」「「……」」絶句のブッチョとカッ子。
「わはははは! くるしゅうない! くるしゅうない!」反省の色ゼロである。
「(わっしょい! わっしょい!)」こちらもおなじく。
この二人のフィーバーぶりが、この後しばらく続いた。
それをブッチョとカッ子はぼんやりと眺めながら「怒られなきゃいいな」と思うのであった。
03
「それじゃあ次はブッチョの番だね」とライ子が仕切る。
「(さあ、ブッチョの作品を見せておくれ)」
「「ブッチョさんは何書いたんですか?」」
「いや、俺の作品はこれから書くんだ」
「は? まだ書いてなかったのかよ!」
「(今までなにやってたの!)」
との怒りもごもっともである。
「話を最後まで聞けって」と言って、ブッチョは大きな画用紙を取り出す。
「今からみんなで、一つのお題で絵を描くんだ」
「「あっ、それ面白そうですね。なに描きます?」」とカッ子は乗り気だ。
「なんかだまされてるような気がするんだけど。いいや、何描くの?」とライ子。
「(ペカチュウがいい!)」と丸美が言う。
”ペカチュウ”とは、テレビゲームからアニメ化された”パケットモンスター”という大人気アニメのマスコットキャラ的な、電撃を発する怪物である。
「いいよそれで、じゃあ他の人のを見ないように仕切り板作るね」とライ子は、そこらの物を使って仕切り板を作る。
子供二人はもちろん知っているだろうが、ブッチョやカッ子も見たことはあるのだが、描くとなると話は別である。
四人それぞれが画用紙の角に陣取り、筆記用具を構える。
「じゃあ制限時間は5分、よーい、スタート!」とブッチョが合図をおくると、四人は一斉に描きはじめる。
「”ペカチュウ”って電気の怪物で、チュウって言うくらいだから虫だよな」とブッチョは見当違いの独り言をつぶやく。
「「んー、どんなんでしたっけ? 電気出して、目がクリクリしてましたよね?」」とこっちはいい感じのようだ。
ライ子はすでに描き終えている。
丸美は楽しそうに体でリズムを取りながら描いている。
そして制限時間になり、見せ合うことになった。
「それじゃ、せーの!」と自分の描いた”ペカチュウ”を披露する。
「げっ! ライ子、これはまずい!」とブッチョはライ子の描いた”ペカチュウ”の目を黒く塗りつぶす。どうやら正解だったらしい。
「(うわ、ブッチョのやつ目が三つもあって怖いし似てない)」と丸美の突っ込みが入る。
「ぶっ、カッ子のそれ、体が人間じゃねぇか」とブッチョ。お前に言われたかない。
「「あっ、丸美ちゃんのかわいい。お花が咲いて太陽さんまで描いてあります」」と目を細める。
ライ子の描いた”ペカチュウ”は、完璧すぎて突っ込みどころが無く、誰も触れないでいる。
「……あれ? なんかちゃんと描いたのに何この敗北感」とライ子がつぶやく。
と、そんなライ子に気づき「(え? いや、お姉ちゃん上手!)」「おぉ、さすがライ子」「「うわぁ! 上手ですねぇ!」」と取り繕うコメントも、上手以外出てこないというボキャブラリーの低さ。
「もういいよ! おせち料理やけ食いしてやるぅ!」とライ子は拗ねて、おせち料理をがっつきだす。
その後、おせち料理の大食い大会になり、昼過ぎには食料がそこを尽き、新年2日目の晩にしてマグドへ直行する一同であった。
第2おまけ話了