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第10話 根源は闇に銀竜は腕に

話が全く進んでません………。しかも題名が意味不明ですが。その辺はスルーしてください

「《魔術の根源(ファンタジーの大元)は黒い闇(って何だ?)》」


ドロドロとした何かの混じった呪文。少年の口はただただドロドロとした何かを紡ぎ続ける。


その指先が虚空を舞い、じわり、と銀色の魔力が溢れてきた。


「《命の創生(命を創り)死者の蘇生(死を無効化)生死を操作すること(尊い命を弄ぶ)》」


呪を紡ぎながら魔法陣を虚空に描く。その動作は流れるように続けられていく。


「《魔力を物に込め(どす黒い力を使って)生命を創りだす(人形のような命を創る)》」


妖しい魔力が少年の描く魔法陣からあふれ出す。金縛りにあったかのように、氷の魔術師と人形少女はただ、一心に少年を見つめた。


「《死者の私怨を(冷たい恨みを)かき集め(死体に詰めて)体を用意し蘇らせる(こき使ってから捨てる)》」


手に付けた絵の具を壁に押し付けて巨大な壁画(アート)を作るように。巨大な円の中に残された隙間は、銀の魔力に塗りつぶされていく。


「《あらゆる命(魔物、人、人工の命。)の生成は全て失敗(創れる訳がないだろう)》」


黒く暗く恐ろしい声は、呪となり魔術を作りだしていく。


「《死者の蘇生も(死の無効化も)成功はせず(結局失敗)やがて闇に葬られた(お払い箱になったとさ)》」


金縛りから解かれたように、氷使いの少年が魔術を放った。氷柱が魔法陣もろとも少年を貫こうと接近する。


「…………おっと、まだ下準備が終わってないんだ。邪魔すんなよ」


カノンが呟いただけで小さな鉄の板が出現し、氷柱をはじき返した。


「さて、続けるか」


カノンがそう呟いた瞬間に、いくつもの氷柱が襲いかかってきた。


「《創命と呼ばれ禁忌(命を創る実験は)となった魔術。(悪とされた。)未完成のその魔術(悪と呼ばれた)の産物は、(魔術がもたらしたのは)未完成の自我のない命(胸糞悪い欠陥品)》」


今度は一瞥すらせずに、カノンの鉄の壁が氷柱を弾き返した。


「《我が求めるは(俺が欲しいのは)未完成の命。(使い勝手のいい力。)欠陥品の完成品、(命でない命、)禁忌に成り損なった物(中途半端な創命術)》」


氷柱の雨は一層激しくなったが、出てきては消える鉄の壁に跳ね返され、魔法陣を貫くことさえできなかった。


「《召喚準備、(さっさと出て来い、)古の竜の模造品(人工の竜の欠陥品)その雄々しき(バカでかい)首を(頭だけ)を我の腕に(出てみるか?)》」


言い終えた、とでも言うかのように。魔法陣を描いた指先を素早く振り下ろして、少年は一度、乾いた笑いを浮かべた。


「いい出来だ、我ながら」


乾いた笑いはそのままに。紅い血のような瞳の少年は、自らの描いた魔法陣に手を突っ込んだ。


「っ!?」

「なっ?!」


通常、魔法陣は魔力が満ちている。これは、周囲の魔力を圧縮してその反応で魔法陣は描かれるからだ。


過剰なまでの魔力が密集することで、魔法陣は展開される。そんな魔力の渦の中に腕を入れたりなどしたら、腕が内側から弾け飛ぶ。


だが、少年の腕は魔法陣を突き抜けていた。傷一つない腕を見る紅い瞳が、満足そうに輝いた。


否、傷があるかないかなど、見ただけでは判断できなかった。


黒髪の少年の腕は、銀色の液体のようなものに包まれていたからだ。


ような、という曖昧な表現をしたのは、液体のような見た目であるにもかかわらず一切床にこぼれていないからだ。


「《顕現せよ、(暴れるとするか。)汝の力を指し示せ!(力を魅せる場面だぜ!)》」


人形少女から見える少年の腕のシルエットが、不気味な凹凸を作り上げていた。


それはまるで巨大な生物の頭のようで、ぐにゃぐにゃと蠢くその頭は、ある生物(・・・・)の頭のように見えた。


「《銀竜頭の(ディファクティブ)欠陥品(ドラゴンヘッド)!!》」


少年の腕に出現した、強大で巨大で圧倒的な竜の頭。それは、自分の存在を主張するかのように


雄々しく。


猛々しく。


壊れたように咆哮した。

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