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極楽推断恋して絶佳(1)

攪拌

チョコレートの中に

とろけた液体が入っている

ブランデーの香りと洋酒の後口

混ざり合ったところを

ウィスキーで流し込んだ

ささやかなプレゼントは

少し火照る頬で

溶けた時間に変わる

色の向こう側に

柔らかさを付け足していく


ジャンプをしないジャンプは

何処かが跳ねている

暖房器具の空間は汗に変わり

吐息の向こう側で

酒とチョコレートを攪拌する

染み付いた癖を

目配せで悟りながら

いつもとは違うものを探して

了承と許可と感覚と感情を

一飲みにしながら

重ね合わせて存在を包む


飲み物が水に変わる頃には

梅の花の色に薄っすら変わり

スイッチの入った目つきは

人と獣の中間を

理性と欲望に合わせて

兎のように跳ねて遊ぶ

まだ先があるようでいて

今で終わっても良いような

不思議な存在を味わうことに

戸惑いすら消える

消えた先に残るものが

必要な時間だったと

過去形で云うのだろう


理性で話すことをやめたら

本能が出てくる訳では無い

理性でモグラ叩きをしながら

許容範囲を探っては

雰囲気と勢いを消さないように

必要な存在だと言い包めて

反応と反抗をやり取りし

丁度良いところよりも

刺激に落ち着く先を見ながら

絡め取ろうと必死にもがく

慣れることを諦めた方が

新しさが見つかるのである


一通りのピークが終わると

もっとゆっくりとした時間に変わる

くっついたままに

置きっぱなしのものを片付けながら

遠出の約束と近くの食事と

空いている夜を埋める為に

行動する時間をチェックし合い

一回落ちて、もう一度

ゆっくりと始まる時間になる

確認作業のような

認識して、触れて

認識して、触れてを繰り返す


眠りについた頃に

ゆっくりと起き上がり

音を立てないように

片付けとメールのチェックをし

少しだけで着込んでベランダに出る

煙草を吸いながら一人になるのである

向こうが一人

此方が一人

しっかりと確認をしなければ

一緒に居ることを

二人で居るとは言えないだろう

それくらい簡単に一人にはなれる

難しいことが出来てこそ

大人と呼ばれるのだろう





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