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第三章

 今日から授業が始まる。今日の授業は五時間目まであり、カバンの中は今までと違って重い。今日は弁当を持参した。

 坂道を登り学校に着き、東校舎に向かう。廊下を歩いていると今日は上級生も多く見られた。少し歩くと一組の教室に着き、中に入ると既に雪乃と香苗は来ていて、二人で会話をしている。

 「おはよ」

 「お!おはよーさん!」

 「あ、おはよう」

 昨日のこともあって、香苗のことが心配だったが、元気そうで何よりだ。私が席に着くと香苗が「昨日はごめんね・・・」といった表情を私に向けた。私も「いいよいいよ」という表情で返す。お互い気にはしていた様だ。

 昨日、雪乃が駅にまっすぐ帰らなく、何処かに寄り道をしていたのは確かで気にはなるが、とてもそんなことは聞けない。私達は昨日、雪乃を追ったことは忘れることにした。



 チャイムが鳴り、担任が教室に入る。そして朝のホームルームが始まる。ホームルームの時間は八時半から八時四十五分までの十五分間であり、その後八時五十分から授業が開始される。今日のホームルームでの話の内容は、「今日から授業が始まります。とりあえず緊張しないで楽しくやって行きましょう」といったものだった。

 ホームルームも終わり、授業まで五分間ある。今日の一時間目は国語であり、机の上に教材とノート、筆記用具を用意して待つ。初めて使う教材は、まだ折り目も無くページは真っ直ぐで、指で軽く擦ると切れそうだ。

 そんなことを考えながら教科書を眺めているとチャイムが鳴り、二分程後にドアが開いて国語の教師が入ってきた。国語教師はスーツ姿の四十代くらいの大人しそうな男性だ。国語は嫌いな教科では無く、むしろ好きな方だ。逆に数学は苦手で、私はどちらかというと文系の人間である。

 授業が始まり教科書を開く。文を読みそれについての無いようだ。最初の数行を先生が読み、その後数人の生徒で読み上げる。言葉などは難しくなったかもしれないが、基本的には中学の頃と似た様な進め方である。初めての授業ということもあって皆真面目に受けていて、寝る者は一人も居ない。雪乃と香苗も昔から授業の時は真面目であり、二人とも成績が良かったことを覚えている。私は国語、社会などは良かったが、数学、理科は成績が悪かった。いわゆる文系なのかも知れない。

 授業も進み、既に九時半を過ぎた頃に先生が「じゃあ、そろそろ時間も来るし宿題の場所を言います」と言い出した。おいおい、最初からいきなり宿題なんて出すなよ。と思ったが、これが何やら高校生になったなと改めて実感した。宿題の内容は、教科書の下に書かれた漢字七種類をノートに五回書き写すという物で、難しい物では無くて安心した。

 九時四十分になりチャイムが鳴る。全員席を立ち、挨拶をして一時間目が終わった。

 私は一度席に座り机の上を片付けることにした。休み時間に入り、教室の中は賑やかになる。丁度机の上を片付け終わった頃に雪乃が私の前に来た。

 「あー、やっと終わったね」

 伸びをして雪乃が言う。まだ雪乃だけしか来ていなく、私は香苗の方へ視線をやると、香苗の席の前に男子が二人立っていて、香苗はまだ座ったままだ。

 「うふふ、香苗さんは人気があるようですねぇ」

 ニヤニヤした表情で耳元で雪乃が呟く。当の香苗はあたふたしていて困っている様子だ。確かに香苗は顔立ちが整っており、スタイルも良く性格も穏やかな、いわゆる完璧な人材だ。考えてみると、その容姿から、昔香苗は私達と一緒に秘密基地を作ったり、花の蜜を吸ったりと活発な遊びをしていたなんてピンと来ない。そんな香苗がこちらを向き私達の方を指差した後、こちらに来た。恐らく、「私、あの子達に用があるから・・・」とでも言ったのだろう。

 「ふう・・・・・・」

 「香苗さんはモテますねぇ」

 「ちょ!やめてよ、雪乃ぉ~」

 「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 嫌がる香苗をからかって雪乃がオッサンの様にして笑う。

 「まあ、飴ちゃんあげるから機嫌直してよ」

 と言い、雪乃はポケットからのど飴を取り出し香苗に渡す。今度は一気にオバハン臭くなった。香苗はふくれた顔をしながらも、しっかり飴を受け取る。それからは三人でいつもと同じ他愛ない会話を楽しんだ。

 しばらく話しているとチャイムが鳴り、私達はそれぞれの席に着き授業を受ける。そして、授業が終わるとまた集まり会話を始める。四時間目の授業が終わり昼休みに入るまで、それの繰り返しだった。

 「あー!お腹すいたよー!」

 雪乃が香苗の手を引っ張ってこちらに来た。

 「七海はご飯どうなってるの?」

 「あ、私はお弁当だよ」

 私はそう言ってカバンから弁当箱を取り出した。

 「二人はお弁当持って来て無いの?」

 「ううん、私達もお弁当だよ」

 「いやー、学食は安くて良いだけど、数食べたらなんだかんだで昨日も千円以上使っちゃったからね」

 そりゃ定食にうどんとカツ丼を食べたら、いくら安くても金額は張る。それから私達は机を二つ繋げてから三人で昼食を楽しむことにした。

 私の弁当箱は二段重ねの小さな物で、米とおかずに上下で分けてある。香苗の物はいたって普通の弁当箱で中身は可愛らしくタコウィンナーや鶉卵のフライが入ってあるが、別に果物がどっさり入ったタッパを持って来ている。さて、最後に雪乃だが、雪野の弁当箱は意外と普通ではあったが、それを二つ持ってきていた。中身は魚のフライや海老の天ぷら、から揚げに卵焼きなどが一つの弁当箱に詰め込まれ、もう一つの弁当箱にはご飯だけが詰め込まれ上に胡麻塩が降ってある。

 「うわ、豪勢だなぁ」

 「ふふふ、これ僕が作ったんだよ!」

 「え?マジで!?」

 「昨日言ってたでしょ、料理得意だって」

 そう言えば、昨日の自己紹介の後に言っていたのを思い出した。ネタだとは思っていたが、香苗もそうだと言っていたので私は半信半疑で信じたが、まさかこうして証明して来るとは。雪乃が「食べてみろ」と言うので食べてみたが、味は確かに美味しく、卵焼きも出汁がしっかりしていた。

 「うん、確かに美味しいよ。本当に料理得意だったんだね」

 「だろ?」

 雪乃が得意げに言う。

 「でも・・・」

 「でも?」

 「野菜があまり無いね・・・・・・」

 「・・・・・・それは認める」



 午後からの授業は英語で、今日の授業はこの五時間目で終わりである。

 英語・・・。まさか外人の教師じゃないのか?と恐れていたが、実際は私の予想を裏切る結果だった。バリバリの日本人だ。

 先ほど国語・社会が得意で、数学・理科が苦手と言ったが、この英語も実は苦手だ。私は文系では無く、雑学が得意なだけなのだろうか。

 英語教師は教卓にラジカセを置いて授業を進めた。ラジカセからはネイティブな発音の英会話が流れる。

 「全く何言ってるかわからん・・・」

 ラジカセの会話が一通り終わると、今度は生徒達が文章を読む。といったありがちな内容で授業が進み、気が付いた頃には授業が終わってしまった。

 授業が終わって数分経つと、担任教師が教室に来た。帰りのホームルームの様である。ホームルームもこれといって変わったことはしなく、十分程で終了した。

 午後の授業もホームルームも終わり、私達は帰る準備をした。今日から放課後の掃除があるらしく、掃除当番は出席番号順に決まり、今日の当番に私と雪乃が当たった。香苗は明日になったが香苗は私達二人を待つついでに掃除を手伝ってくれた。

 まだ、入って間もない教室ということもあって、そんなには汚れておらず早く終わりそうだ。ある程度ホコリが集まると、雪乃が用具入れのロッカーから塵取りを探している。雪乃と用具入れのロッカーを見ると妙に懐かしい気分になった。

 雪乃が塵取りを見つけ出し、私達がホコリを塵取りに向けて掃き入れる。そのホコリを込み箱に流し込み、掃除は終わり、残るはゴミ箱の中のゴミを外の焼却炉に捨てに行くだけだ。

 「捨てに行くの僕らがやっとくから、皆帰って大丈夫だよ」

 雪乃がそう言うと、他の生徒達が「そんなの悪いよ」と遠慮がちに言う。それでも雪乃は「いいって、いいって」と言いながら私達二人に対して「別にいいよね?」と顔で合図し、私達はその表情に対して「大丈夫だよ」と返す。そうすると他の生徒達は「じゃあ、お言葉に甘えて」「ありがとね」「近田さんも手伝ってくれてありがとう」と言い帰宅をした。

 「それじゃ、僕は「捨てに行くとしますか?」

 「はいよ」

 私達はゴミ箱を持って教室を出た。放課後になり、廊下にはもう人の数があまり見られなくなっている。太陽の位置は少し低くなって来ていて、窓の外を見ると眩しい。少しお腹も減ってきた頃だ。

 「焼却炉ってどのへんにあるの?」

 私が二人に聞いた。そういえば焼却炉の位置なんて知らない。

 「あ、私も知らないよ・・・」

 「焼却炉なら体育館の裏だよ。焼却炉って言っても今はもう使って無いみたいで、ゴミを回収するプールみたいなのがあって、そこに捨てといたら良いみたい」

 「へえ、良く知ってね」

 「そりゃ、知らないで捨ててくるなんて言えないよ」

 いや、あんたなら言いそうだ。知らなくてもやってみれば大丈夫、の様な性格が雪乃にはある。そんなことを思っているうちに、体育館の前まで来ていた。私達は裏に回り、そのプールとやらにゴミを流し込む。中にはゴミの中に消しゴムの破片や、割れた定規などが混じっていて、いかにも学校で出たゴミといった感じだ。

 雪乃がゴミ箱の中身を全て捨て終わると「さて、戻るか!」と言う。私と香苗は雪乃の後に続き、教室に戻ることにした。

 校舎に入り階段を上がって、廊下に入る。廊下には先程よりも人の数が少なくなっていて、数える程しか居ない。もう空はオレンジ色になっていて、太陽も更に低くなっていた。教室に着くと、雪乃がゴミ箱を元の位置に戻す。

 「じゃあ、帰ろっか?香苗もありがとね」

 「ごめんね香苗、遅くまで手伝って貰っちゃって」

 「んーん、いいよ~」

 教室には誰も居なく、最後に残ったのは私達三人だけなので鍵を閉めて帰ることになった。三人で廊下に出て鍵を閉め、その鍵を職員室へ返しに行く。職員室には数人先生が残っており、「さようなら」と告げ、私達は学校を後にした。

 既に時間は四時半を過ぎており、夕焼けが眩しい。今は四月ということもあり、この前までに比べれば、日が高くなっている。

 三人で話しながらの下校。時期的に坂の周りにある桜の花もそろそろ終わりを告げるだろう。そんな桜を見ながらの下校。話していると時間が経つのも早いもので、気が付けば坂の麓に着いていた。昨日は雪乃とはここで別れ、私と香苗の二人は雪乃に気付かれない様に後をつけた。

 雪乃は商店街を抜けた後、本来行く筈の駅とは反対側の道に進み、私達はその後を追いかけたが見失う。・・・・・・・・・その時に香苗が震えだし泣いてしまった。香苗自身も自分に何が起きたか分かっていない。

 「じゃあ、僕こっちだから、じゃあね!」

 昨日と同じ様に雪乃が言う。私達はそれに対し、手を振って応えた。

 昨日のこともあり、私達は今日は付いていかずそのまま別れた。香苗も昨日のことを思い出していたのか、笑顔で雪のを見送っているが何処か表情が暗い。心配だったが香苗は触れて欲しくないだろうと思い、私はそれについて何も言わなかった。その後も香苗と途中まで一緒に帰ったが、話しの内容は今までと変わらない他愛無い会話をした。

 「それじゃ、香苗また明日ね」

 「うん、ばいばい!」

 私達はそう別れの挨拶をし、それぞれの家に帰った。



 最初の授業ともあり内容的には優しい物だったが、やはり最初っていうものは何処か堅苦しく神経を使う物である。

 「あー・・・疲れた・・・」

 帰って来るなり私は一階の居間で仰向けに寝転がった。時間は既に五時を回っており、夕飯の準備を母親がしていて、居間と台所を行き来している。

 「あんた、そんな所で・・・邪魔だよ」

 そう言って母親が私のお腹の上に、今日の夕飯で使うと思われる玉葱を乗せる。私はその体制のまま手の中で玉葱を転がした。転がしすぎたのか玉葱の皮が細かく私の顔の上に振ってきた。

 「ぶっ・・・・・・、お母さんこれ返すよ」

 私は立ち上がり、台所に居る母親の元へ向かって玉葱を返した後自分の部屋へ戻った。

 自室のドアを開け部屋に入るとカバンを置き、ベッドへは向かわず、そのまま床へ仰向けに寝転んだ。天井をしばらく眺めながら色々と考える。「晩御飯何時かな?」「着替えようかな?」そんなどうでもいいことを考える。このまま夕飯までこうしているのも良いが、それは勿体無いとも思い体を持ち上げ、とりあえず勉強机の椅子に着いた。

 「んー・・・・・・・・・」

 しかし座ったからといってもすることは無く、私は机の上の物を触ったり、引き出しの中を探ったりするしか無かった。引き出しの中には、小学校の頃に買った物も多く入っていて、何か懐かしい気持ちになる。色鉛筆は二十四色の内やけに赤や青が短くなっていて、今ではシャープペンシルを主に使っているので新品の鉛筆が箱に入ったままの状態で残っている。奥の方を更に探ってみると、トランプやスーパーボール、線香にビー玉など謎な物が出てきて、それとなく面白く時間が潰せた。

 何でこんな物買ったのか馬鹿馬鹿しい物が沢山発掘され、それを眺める。でも、当時はそれらがとても欲しくて、大切だったのだろう。こういう物が捨てるに捨てれない物なのだろう。

 時間が過ぎ、父親も仕事から帰って来る時間になると、外は既に暗くなっていて時間は七時になっていた。下の部屋から「七海、ご飯よー」と言う母親の声が聞こえ「はーい」と言い返し、私は机の引き出しを閉めた後、自室を出て下の部屋へ向かった。

 居間へ行くとテーブルの上には夕飯が並べられ、私服に着替えた父親が座っていた。

 夕飯のメニューは「野菜炒め」に「ポテトサラダ」「アサリの味噌汁」だった。私の顔めがけて皮を降らした玉葱は、恐らくこの野菜炒めの犠牲になったのだろう。

 私は食事と玉葱に感謝の意を込めて手を合わし、食事を始めた。テレビを見ながらの食事。テレビのブラウン管にはプロ野球の開幕直前の特集が映されている。私が好きな選手のインタビューが始まり、箸と茶碗を持ったまま静止してしまい、母親に注意されてしまった。

 「ほら、テレビばかり見ない。こぼれるよ」

 「あ、ごめん・・・」

 そんな雰囲気でいつもの食事の時間が進んだ。

 「ごちそうさまぁ」

 私は手を合わし食事を終え、食べた後の食器を台所へ持って行った後、もう一度居間に戻ってテレビを見た。私の部屋は今のところテレビが無く、この部屋で見るしかない。映っているチャンネルはここの地域のローカル放送で地元タレントが各地に行き、旅をするという番組だ。これといった派手な物では無く、同じ流れが一時間続くまったりとした番組だ。この地域では有名な番組らしく、四年程続いているらしい。番組の本が出版されていることには驚かされた。

 のんびり居間で過ごしていると、廊下から電子音が聞こえた。どうやら風呂が沸いた様である。私が「誰が先に入る?」と親に尋ねると、「あんたまだ制服だから先に入って、着替えなさい」と母親に言われる。忘れていたが、私はまだ制服だった。母親に言われたとおりに、最初に入らせて貰うことにした。

 風呂という場所は家の中で最も落ち着く場所なのかも知れない。疲れが取れて、明日も頑張れそうな気持ちになれる。風呂に入り、四十分程経ち、湯船に浸かっているとだんだん眠くなってきた。このままだとのぼせてしまうと思い、湯船から出てシャワーを浴びた後に風呂場から出ることにした。

 風呂に入り寝巻にもなった後、私は風呂が空いたことを親に告げ、洗面所で葉を磨いた後、自室に戻った。部屋にはテレビが無いので、私は布団に入り雑誌を読んだ。ファッション誌や情報誌ではなく料理の本を。雪乃や香苗は料理が出来るが、私は出来ない。これは悔しいというより情けなかった。今年の目標は何か一つでも一品出来る様になることである。

 買った雑誌は、テレビでも良く放送されている番組のテキストだ。カラーページで写真が多く載っている。

 「おお!」

 読んでいるだけだが、何やら作った気分になっていた。

 本を読んで関心していると、気が付けば既に十二時を過ぎていた。明日も学校があるので、そろそろ寝ることにしよう、そう思い電気を消した。

 明日は第一土曜日なので授業は午前中で終わる。気分も楽だ。明日の時間割は国語・社会・美術・美術の四時間だ。

 「・・・・・・国語・・・・・・・・・?」

 国語のことで頭に過ぎる。

 「あ・・・・・・宿題が」

 私は今日出された国語の宿題のことを思い出し、布団から飛び出して机に向かい宿題をする。布団に入ることが出来たのは、深夜の一時半だった。

 疲れた私は眠るまでに、あまり時間は掛からなかった。



 この日の夜、私は夢を見た。夢の内容はあまり覚えていないが何やら懐かしく、綺麗な夢。そして、何故か少し悲しかった様な気がする。

 ここは何処だ?見覚えはあるが思い出せない。

 体が小さい。いくつくらいだろう、これは小学生くらいか?

 そして、周りに視界を向けると気が付いた。私の他にもう一人いる。いや、二人だ。

 雪乃?香苗?

 わからない。誰だかわからないが、私の他に誰か二人が居る。同じくらいの年齢だ。私はその二人と一緒に遊んでいた。

 何をして遊んでいただろう。とにかく走り回っていた。走って走って、草むらに転がる。そんなことの繰り返しだった。

 どれくらい遊んだのかは分からないが、そろそろ私達は帰るらしい。

 帰り際に一人が私ともう一人に何かを手渡した。その後お互いに手を振り分かれる。

 私が覚えているのはそこまでだった。


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