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Final Rust Pantasy Story  作者: 龍尾翼
4/7

Turn04Kid

しかし、女が男を『グー』で殴るか普通?しかもフック入ったぞフック・・・。

「ともかく!今回の件は、おいらも詳しく知らなかったんだ。」

おいらは、少しはれた頬をさすりながら彼女たちに説明を始めた。

「ふーん。『シャープ・イアーズ』の異名を持つキッド様にしては、お粗末な言い訳だこと。」

ウエイトレス姿でテーブルのそばに立つメイファは、鬼の首でもとったかのような顔をして俺を見据える。

おいらの座るテーブルの向かいで、お茶をすする(ティーカップに『紅茶』ではない、湯飲みに『緑茶』だ。)シャンオンさんが居る。


おいら達は今、『いこいのわが屋亭』にいる。ここは、この町で唯一の格安な宿屋兼酒場だ。

しかも、街道の入り口に位置するこの店は一般の旅人や行商人、もちろん冒険屋やそれらにかかわる人達が多く出入りしている店だ。

おかげで色んなトラブルや頼み事、厄介ごとまで入り込んでくる。

そういった情報を吟味して費用を見積もって、彼らに冒険屋を紹介するのがおいら達シナリオ屋の仕事だ。

だから、おいらたちシナリオ屋にとって格好の商売所でもある。

言っとくが『情報屋』とは勘違いしないでくれ。

やつらは、『近所の野良猫が子猫を生んだ』事から『国家機密』まで、ありとあらゆる噂話や情報を商品にしているだけで、それ以上のことには一切口も手も出さない人情味の無い連中だ。

まぁ、たまに理路整然と感情論をぶつけてくるやつらがいるが、それでも本人たちは解決の行動など一切起こさない。

そこで俺たちの出番だ。

事件の解決について依頼人と話し合い、それにかかる費用や日数、人員などを見積もってシナリオを作る。

出来上がったシナリオに値段を付けて、場合によっては期限を付けで冒険屋に紹介する。

事件が解決するかは依頼の難易度や冒険屋のレベルによってケースバイケースだが、それを少しでも高めるのが俺たちの仕事だ。

それでも『もしかしたら』の場合は、『組合』が買い取ってくれる。

冒険屋にしろ情報屋にしろ、それぞれこの組合を持っていて登録制になっている。

登録しておくと、月に2・3回、仕事の紹介やら何らの案内が来る。

また、それぞれ組合の登録員が、何らかのトラブルを発生した場合は、速やかに対応処置を図る様になっている。

この『対応処置』って言うのが、結構怖い。

依頼人に対しては、速やかに解決の処置を図るが、登録員に対しては、軽いものから注意・罰金・禁錮等がある。

まぁ、噂で『殺し』を生業とする人に会える場合があるらしい。おいらは会いたくないが・・・。


とりあえず今回は、依頼人の仕事は完了したので、こっちは問題なし。

後は、おいらがメイファから『グー』をもらっただけで済んだ・・・け恕。


「しかし、この所の『迷宮』の発生の仕方も異常だな。」

テーブルに湯飲みを置いた着物姿のシャオンさんが、おとがいに手を当てそういった。

「そうなんですよ、今回の場所も事前調査じゃ普通の森だったんですけどね。」

おいらがシャオンさんに話しかけると、

「まじめに仕事したの?今回の依頼私たちに振るつもりで、手抜いたんじゃないの?」

って、何でまだ居んだよメイファ!

「お前仕事中だろ?仕事もどれよ。」

おいらは、犬でも追い払うように腕を上げる。

「なによ、いいじゃない。あんた誰のおかげで今日のランチ食べられると思っているのよ。」

「それとこれとは別だ。大体『今、手持ちが無いから前金で金貨3枚あとは、ここ(いこいのわが屋亭)のお昼1ヶ月で勘弁して!?』って居たのはそっちだろ!?」

本当なら金貨50枚の仕事だぞ!それをこいつは・・・。

「いいじゃない。タダなんだから。」

「・・・タダって、これ、まかないだろが。」

そうなんだ、俺たちは今この店で働く人達の為の休憩室に居る。

「あら?大変なのよ、まかないって。只でさえお店の皆の分を作るのにどれだけ苦労しているか・・・。

まして、あなたの分まで用意しなければならないこの苦労・・・。

『金が無いなら体で払え』そういうあなたの冷たい言葉、あえてこの身をささげて尽くしているのに・・・よよよ。」

そういってエプロンのすそで涙を拭くフリをする。『よよよ』じゃねぇだろ・・・。

「あのなぁ、人聞きの悪いこと言ってんじゃねぇっ・・・」

「馳走になったな。」

そういってシャンオンさんが立ち上がる。

「どういたしまして♪出かけるのシャオン?」

シャオンさんは、テーブルのわきに立掛けてあった剣を腰に挿しながらメイファのほうに振り返る。

「ああ、ちょっと気になる事があるんで調べてくる。」

凛とした不陰気を持つ彼女がメイファに向ける微笑に、おいらはなんともやるせない気分だった。

「うん、分かった♪気を付けてね。」

信頼とか、絆とかそういった言葉じゃ言い表せない二人の関係を、うらやましくも思った。

「あら?まだ食べてるの。片付かないから早くしてよね。あんたみたいな遊び人と違って、あたしは忙しいんですから。」

・・・前言撤回。

メイファ/AGE 13/人間/レンジャー/Lv 24

/STR18/INT18/PIE15/VIT18/AGI18/LUK18/AC 2/HP 76

シャオン/AGE 17/人間/ソードマスター/Lv 25

/STR20/INT17/PIE20/VIT20/AGI15/LUK16/AC-11/HP260

キッド/AGE 21/人間/スカウト/Lv 26

/STR18/INT18/PIE15/VIT18/AGI18/LUK18/AC -2/HP130


注)作者メモの為、変更する事があります。

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