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Final Rust Pantasy Story  作者: 龍尾翼
1/7

Turn01:Ash


私を殺してください・・・。」

夜更けに、突然俺の部屋に現れた女は俺に向かって、そういい捨てるように言った。

『殺し』を生業としてる俺にとって、こういった依頼は珍しくは無かった。この手の仕事をしていると、まれにこういった依頼が舞い込んでくる。

どういう経路で俺の居場所を突き止めるのかは知らないが、これでまた『寝床』を変えなくてはいけなくなった事は確かだ。

俺は椅子に腰掛けたまま、女に視線を向ける。

元来、夜更けに俺の部屋を訪れるのは、寝込みを襲いに来る娼婦かそれ以外の何かだ。だが今宵の来訪者は、閉じられたはずのドアの前に佇む、みすぼらしいローブ姿の女だった。

「あいにくと俺は、『慈善事業』で仕事はしていない。他をあったってくれないか?」

こういった依頼の中で、『宗教上の理由で自殺したら神の国に行けない』とやらで依頼に来る奴らが本当にいる。

死んだ人間が天国へ行こうが地獄へ落ちようが俺には関係ない。だが、彼らの信仰を手助けする理由も無い。

「・・・私を殺してください。」

何の理由も言わず女は、同じ言葉を繰り返す。

「私を・・・」

もう一度同じ言葉を繰り返そうとした時、女は暗闇に溶けるように、その場に崩れ落ちた。

俺はゆっくりと女が在った場所に近づく。

「!」

が、居る筈の女の姿はそこには無かった。

その代わりその場所には、一枚のメダルが落ちていた。

俺は、見覚えの有るそのメダルを握り締め、昔の悪い癖が湧き上がるのをおさえ切れなかった・・・

「『悪い顔』をしているねぇ。・・・ニシシ」

長い黒髪。首から胸・鳩尾・へそまでぱっくりと空いたタイトなドレス・・・いや衣類と呼ぶには禍々しい闇を纏ったその女は、俺を覗き込むように白い歯を見せて笑っていた。

「おまえの仕業か・・・ノクターン・・・」

彼女は、ヒョイッと両手を上げて手のひらをこちらに向けてひらひらと振った。

「いやいや、私の使いがたまたまそれを見つけて、たまたま偶然にも開放されて、たまたま君の居た部屋のドアのなかに投げ込まれただけだよ・・・」

デアドラの魔神、美しい美貌とは裏腹に取り憑かれたものは、あらゆる災いを招き寄せると言われる魔神種の一人、彼女は正に『それ』だった。

悪びれた様子もない彼女を睨みつける。

踵を返しバックパックを手に取り身支度をする。

「そんなに慌ててどうかしたのかな・・・?」

はしゃぐ様に聞いてくる彼女を無視して支度を終えると、彼女の腰に腕を回し強引に引き寄せた。

「ぁん。強引だな・・・ぁ」

「行くぞっ」

俺たちの姿が、闇の中に溶けるように消える。

同時に勢いよく空いたドアから王都の兵士たちがなだれ込み、カイゼル髭の貴族が威風堂々とした態度でそれに続き、スクロールを広げ読み上げた。

「邪悪なる魔導師を討伐し、魔除けを持ち帰った貴公には多額の報酬と名誉ある階級章を与え・・・」

だが、途中で部屋がもぬけの殻である事に気が付き、隊長格の兵士の男に怒鳴りつけた。

『すぐに探して、取り押さえろ。』と・・・


アッシュ/AGE 35/人間/アサシン/Lv 51

/STR17/INT18/PIE15/VIT13/AGI18/LUK15/AC -9/HP422


注)作者メモの為、変更する事があります。



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