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生活へ侵入者

作者: みーき

そんなに文量がありません。さらっと読んでいただければ幸いです。

1

 狭い部屋に流れるニュースがやけにうるさく響く。小さい箱の中では連日、成人式の話題ばかりだ。興味のないニュースでも流してないと落ち着かなかった。「なんでここにいるんだろ」とふと口をついて言葉がこぼれた。やっと決まった学校は、あるウイルスのせいで休学だ。そのうちオンライン?とかいうやつで始まるらしいが…。

窓の外からは、小学生やら中学生やらわからない、楽しそうな笑い声が流れてくる。それにすらイライラした。そして、そんなことでイライラしている自分にも腹が立った。


2

長い冬が明け、やっと春が来る!そう思っていた矢先のことだ。はじめは遠い大陸で新しいウイルスが発見された。その程度の認識だった。それがいつからか、自分の生活にまで侵入してきた。

大学が休校となり、オンライン授業が始まった。ほとんどの大学がオンラインというやり方を取り入れた。これがとってもつまらない。ただ画面のアイコンに向かって話すだけだ。相手の顔が見れるわけでもなければ、相手から自分が認識されるわけでもない。つまり、自分がどんな態度で授業を受けていても、画面にアイコンがあるだけで出席したことになる。

ひどいシステムだと思った。

最初は、机に向かい教科書を開いていた私だが、アイコンも見飽きた。そのうち、ベッドの中からスマホでアイコンを眺めた。内容なんて全く頭に入ってこない。それはもう、笑っちゃうくらいつまらない日々だった。

「このままじゃ廃人になる…」そう思って、SNSで大学のコミュニティに入った。こんなにも人との繋がりを必死に求めるのは初めてだった。そんな自分が惨めで悲しくなった。


「なんでここにいるんだろ」SNSを見ながら思った。たしかに目指していた未来があったはずなのに、それがわからなくなっていた。何をしたくてここにいるんだろ?どうなりたかったんだっけ?そう本気で考えてる自分が怖くなった。

高校生の時、ある人がきっかけで教師になろう!と思った。そのために、何かを基準にして学校を選んだ。でも、それは本当に自分の希望なのか。パッと近くのテレビにあるアイドルグループが映る。17歳のメンバーががむしゃらに努力しているドキュメンタリー番組だった。

何気なく目を奪われた。眩しかった。自分よりも年下の少年がみせる笑顔と涙に、情けなさと惨めさを含んだ悲しみでいっぱいになった。

夢を追いかけている人を見るのって、自分がどんなに目標なしで努力のしてない人間かを思い知らされる。辛かった。



3

また、変わらない朝が来た。でも、今日は少し違った。昨日のテレビを見たからか、それとも教員免許にかかわる授業があるからか、妙に頭が冴えていた。悪い気分じゃなかった。

こうゆう日々の繰り返しを何十回も、何百回も繰り返して、気づいたらそんな生き方が自分を作っているのかもしれないと思った。窓から流れてくる笑い声がスッと心に気持ちよく吹き込んだ。


拙い文ではありましたが、心のうちを曝け出したような内容となりました。

感想などいただければ嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あなたの未来に幸あれ! [一言] お気に召すかわかりませんが、励ましの言葉の代わりに、中島みゆきの「時代」を紹介します。もし、気が向けば聞いてみてください。 (あと、「最後の女神」もよろし…
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