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プロローグ

人生は選択の連続だ、と昔誰かが言っていた。分岐点で無数の選択肢から選んで歩んでいかなければならないのだ、と。


そして私は思う。私の人生の分岐点は今なのだ、と。


暖かな日差しが降り注ぎ、高価な茶器に香り高いお茶ととろけるように甘いお菓子を目の前に用意され、正面にはキラキラと輝くブロンドに宝石と見間違うブルーの瞳をしたまるで作り物のような青年が優雅にティータイムを楽しんでいるこの場面が、だ。私は深く息を吸い、意を決して言葉を発した。


「お願いですから婚約を破棄してくださいませ、殿下!」


私の声は少し震えた。正面に座る青年がこのムーンダスト王国の第一王子なので緊張して、というわけではない。そう、怒りからだ。だが、相手は涼しい顔でこちらを見て天使のようなほほえみを見せる。そして、少し低めの美しい声でそれはそれははっきりとした口調で、


「嫌だ。」


と口にした。

 

 

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