チェリー Sec―67
チェリー Sec―67
淡々と事後処理は日にちと共に流れて行く!
医療事故調査委員会の報告書は200X年X月に作成され、
県に提出された。
その報告書は死亡の原因の執刀医の判断ミスを認め、
胎盤が子宮の筋肉に付着していることに気付かなかったこと、
通常使わないはさみを使って切り離したこと、
大量の出血が続いたのに院内の他の医師に、
応援を頼まなかったことなどを原因と指摘されていた。
敏江自身は医療の・・・・と言うかこの現実に、
自暴自棄気味になっていた。
xx県は医療側の過失とした上で、医賠責保険で、
保険会社から遺族への補償支払をスムーズに行うべく、
敏江に書類の早期提出を促した。
xx県調査委員会の報告書がきっかけで、
メディアが医療ミスと大きく報じ!
警察が捜査に動くことになる。
敏江の毎日・・・・やりようの無い空しい時間が過ぎていく。
どんな慰めも敏江には無駄だった。
200X年X月XX日、xx県警は手術を執刀した医師を、
業務上過失致死と、医師法に定める異状死の、
届出義務違反の疑いで逮捕!
山本医師はX月XX日にxx地方裁判所に起訴された。
検察と被告人の医師との間で、死因について見解の相違があった。
逮捕の2、3日前、山本医師は警察に家宅捜査に入るから、
自宅待機するように告げられた。
“もう・・・もうどうにでもして!”
“言えば言うほど虚しくなる!”
敏江の行った診療行為の正当性はもう認められる事は無いと・・・・
そう悟ったらしい!
そんな現実は、季実子の耳に届いていなかった。
それは敏江と季実子のこれまでの確執がそうさせたのだと、
後から季実子は実感した。
敏江の医療の接し方に、季実子は少しずつ疑問を感じていた。
今の医療制度では、敏江のやり方では、
何時かこんな事が起こると、敏江に何度も話していた。
今の患者は、昔の医師に対する考え方とは、
だいぶ違っている事を、何度も力説した!
そして、現実に患者側が弁護士を伴って、
訴訟を起こした。
その時に季実子は、その現実が来るべきして起こった!
季実子はある意味で敏江を攻める形に・・・・
敏江の一番味方に成るべきなのに・・・・
おそらく敏江は、それを全て知っていて、
自らが試金石になっても・・・・
上・・・・国などが真剣に考えてくれると・・・・
それをおそらく期待したのだろう・・・・
敏江の時代の医師は別格だった!
訴訟なんて・・・医師の行った診療行為に、
ケチを付けるなんて、微塵も考えていなかったかも・・・
そうでないことも知っていた!
なら・・・・敏江医師は犬死か!
季実子は動いた!
政府に・・・医師会に! マスコミに!
だが、ことごとく失敗した。
そんな季実子は・・・・医療の限界、
何も出来ない自分に暫く冷却期間を置こうと、
医療の現場から離れた!
出来る医師として、それを惜しむ患者も多かったと!
そのまま現在に至っている、観光会社の主として!
敏子のその後は、物理的に進んだ。
捜査の後、山本敏子医師は警察への同行を求められ、
取調室に入った。
そこで、逮捕状淡々とが読み上げられた。
そして、この逮捕について!
事前に警察からの情報を得たマスメディアが、
押しかけた中での逮捕となり、
手錠をかけられた山本医師の姿が、
全国に報道される結果となった。
そんな噂話が広く流布されたが、
本人自身が語った初公判後の会見で、
明確に否定した。
敏江医師は自己嫌悪感に陥っていたと思われる。
多くを自問自答して・・・・・・
正しい事をしているはず!
あの時は、最善の処置をした!
自ら持てる知識・・・・技術を全て注入した・・・・はず!
だから、期待に答えれるはずだった!
ミスは無かった! はず!
しかし,結果は・・・・伴わなかった!
どんな努力をしても、結果が伴わなければ・・・・・
それは失敗!!
ミス・・そして患者の死あるのみ!
それが現実だ!
その時、他の医師を待つ余裕は無かった!
待つことを・・・応援を待つ余裕は無かった!
そんな余裕は妊婦に残されていないく、
全身状態は切迫して一刻の猶予もなかった。
が・・・・・患者は努力の甲斐もなく、結果として・・・・
死亡した!
敏江はカウンターショック、を続けた・・・・・
看護師の静止に、やっとの事で頷いた。
淡々と流れる時に敏江は・・・・・・
淡々と敏江はある思いに・・・・・
それが是か否かは、敏江の心境を誰も理解できなかった!
娘の季実子でも・・・・・・・
CB&D・Cup Cap-67 Fin IKAROS




