チェリー Sec―63
チェリー Sec―63
今穂香は、とても済まないと思っている。
それは懺悔に近いと言ってもいいのかも・・・・・
ほんの少し前まで穂香は悟に夢中だった。
悟も本気で穂香が好きだった・・・ん・・ん、
ずっとその気持は変わらない。
ずっと・・・ずっと・・だ!
それが穂香の勤務する山本ツーリストで、
上司である結子が家の事情で辞めることに!
その後釜として、職場に新人が入って来た。
大河が入って来た。
その当時の大河は、本当に女を知らない、
チェリーボーイだった。
穂香自身も、それ程男を知っている訳では無かったが、
大河が新鮮に映った。
新しいもの・事象に、他の人よりより多く興味をもつ穂香は、
入社した時から大河に非常に興味を持った。
どちらかと言えば、姉御肌の穂香は大河の面倒をよく見た。
その時は、きっと悟への気持ちは暫く中断する。
悪く言えば飽きた!?
おそらく、本人はそんな気は微塵も感じていない。
そんな事は、小さい時からいつも当たり前のように・・・・
それを演じてきた・・・ううん、演じてきたのではない。
それが地なのだ。
生まれた時からその身勝手は、ずっと小学・中学・高校と、
それで本人も周囲も何とかなって来た。
もっと的確に言えば、そんな我侭が通じてきた。
それは、周りの隠れたフォローがそれを成し遂げていた。
その我侭を許してきたのは、本人である穂香以外にも、
周囲に責任の一環があるのかも・・・・
大河に対する純朴に、穂香はどんどん夢中になって・・・・・
それが愛・・・・もしかするとそれは母性愛かも・・・・
その愛はどんどんエスカレートして、男女の愛に・・・・
そう、穂香は大河に自慢の胸を触れさせ、
その次にキスを迫ったり・・・・
そんな穂香の若い女、女性の魅力に翻弄されて大河も夢中に!
どんどんエスカレートして愛も燃え、穂香は大河の純朴さを自分の手で・・・
そう・・・大河の童貞・男が欲しく、穂香自ら男を受け入れた。
穂香はこれまでに勿論、SEXを何度か経験しており、
そのSEXは抱かれた形の・・・・、受身のSEXであった。
穂香のこれまでのそれは、それなりに満足感はあっても穂香自身は、
少し違うと・・・・・
そんな時に格好の相手、大河が出現した。
もしかすると、初めは母の様な・・・姉の様な感情かも
が、若き女性である穂香は、女がどんどん表面化して夢中に!
そんな穂香の身勝手を、大きな心でいつも、
支えてくれていたのは悟だった。
悟はよく理解していた。
そんな事も穂香にはある事も・・・・・
それは始めてではなかった。
以前にも急に悟のコール、メールは一方通行になった。
そう、穂香が別の男に夢中になって・・・・・・
その男に3ヶ月程で、飽きられて捨てられて、
自らの死を選択しようと・・・・
そんな穂香は悟にその意志を伝えた。
「ゴメン・・・悟! 私もうダメになった!」
悟は察した!
穂香は死ぬつもりだと・・・・
寸前の所で、その傷ついた穂香の心・・・身を救った。
悟は優しかった!心が広かった!
穂香が悪いのでは無い、別の何かが、そうさせたと!
悟は快く、そんな傷心の穂香を暖かく迎え入れた。
悟の友人から、“そんな穂香とはもう別れろ!”と何度も忠告された。
そんな声を悟は無視した。
“穂香は悪くない!“と
悟に2度目の穂香の音信不通が起こった。
相手は大河だ!
悟は聞かされていた。
「最近ね!若くて弟みたいな男の子が入社したの!」って
「可愛いの! とっても・・・・」
悟はそんな言葉で予感した。
その若い男に惚れてしまうと・・・・・・
事実そうなった!
「悟! ごめん! 私好きな人が出来たの!」
そんな穂香の言葉に
「そう! そうなんだ!」
それしか言わないで悟は身を引いいた!
ううん! 悟は待つことにしたのだ。
必ずその恋はやがて終わり・・・・・そして悟に戻って来ると!
悟は・・・・
悟は・・・確信していた。
穂香を支え続けてあげれるのは、自分だけだと!
穂香は知っていた!
そんな悟の心を!
その悟が今ここにいる。
穂香は心に誓った!
絶対にもう・・・・・・悟をそんな寂しい気持ちに、
させないと・・・・・
どうして、もっと早く気づけなかったのかと、
今とっても後悔している。
でも・・・・それはもう、・・・もう遅いのかも!?
CB&D・Cup Cap-63 Fin IKAROS




