表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/69

チェリー Sec―56

チェリー Sec―56


 季実子は少し苛立っていた。

何度もコールするも、大河の携帯は無反応!

“遅すぎるでしょ! 大河! ”

“契約先に行くと言っていたけど・・・・・”

 季実子は大河が98名の契約を簡単に取って着た事に、

少しずつ疑問を感じていた。


 穂香は当分仕事には就けないだろうから、その分大河に・・・・・

季実子も多く動かないと集客が困難になる。

 農協には大河に行ってもらおうと考えていたが、

何度も連絡しても返事はない。


 ここはもう少し、空いている日、少しの時間でも、

結子に頼むしか無いと、季実子は結子に連絡をとる。

「結子さん! また少しお願いが・・・・・」

 察しのいい結子は直ぐに感づいた。

 「少し、手伝って・・・・でしょう?」

「そう! 申し訳ないけど・・・・・・」

 

「わかりました!」

「それじゃ2時間程したらそちらに行きます。」

どうして2時間なのかは季実子気にならなかったが、

実は結子、既に川村が帰宅して食事の準備をする話を、

決めていた。

 勿論、川村のマンションで・・・・

すなわち、その下の階には大河が夢の中で、

あずさと枕を並べていた。


 そんな中で、あずさのベッドで大河が目覚めた。

“あっ・・・・ヤバい!”

“季実子さんから着信が・・・・それも5回も!”

 心地良さそうに眠るあずさを起こさないように、

ベッドから滑り降りた。


 そして、急いで季実子に連絡を入れた。

「すいません! 何度も連絡・・・・・」

「そうよ! 何してるの!?」

 「はい、スイマセン!」

「今何処!?」

 「はい、98名さんの契約書類もらいました!」

「どれだけ時間がかかるの!」


 大河は冷汗をかきながら季実子の質問攻めに四苦八苦。

すると、あずさがいつの間にか起きていて隣で、メモ書きを見せる。

 そこには、 “決済が降りるのに多少の時間が!”

“先程決済書類が届きました!”

 大河はそのまま、季実子に伝えた。

「わかったわ! その足で、農協に営業行きなさい!」

 「はい、了解です!」


 電話を切った大河は、あずさの機転に感謝!

「あずささん、助かりました!」

 「大河・・・・ウソが下手すぎる!」

「・・・・・はい、スイマセン!」

 「ほら・・・いいから、服着て行きなさいよ!」

「あっ! はい」


 大河は急いで車に乗り、あずさのマンションを後にした。

その車と川村の運転する車が駐車場で交差した。

 勿論川村の隣には結子が同乗していた。

「あら・・・・大河こんな所で何を!」と独り言

 結子は紅葉ツアーの契約を、あずさの父親の会社から貰った事は、

まるで知らないから・・・・


 大河は農協へ、そして川村と結子はあずさの部屋の、

1つ上の部屋に・・・・

 「私、季実子さんの会社で少し手伝うので・・・・」

「そうだな、あんな状況じゃしょうがないだろう!」

 「ですので、朝食を作ったら、季実子さんの所に行きます。」

「すまんな! 疲れているのに・・・・」

 「大丈夫ですわ! 貴方ほど疲れていませんから・・・・」


 結子は素早く、手っ取り早く味噌汁と、浅漬のお新香、

鮭を焼いて、川村の待つテーブルに並べた。

「流石だね!」

 「それは・・・・多少は主婦してましたから・・・・」

「美味いな! この味噌汁!」

「ほっとするな!」


 「有難う、そう言って貰って・・・・作り甲斐があるわ!」

「これから・・ずっとこの美味い味噌汁が食べるんだ!」

 「はい、貴方が望むなら・・・・」

「勿論、大歓迎だ!」


 結子はそんな川村がどんどん好きになって行く。

そして、幸せを大きく噛みしめて・・・・

少し目に光る物が!

 これが、やっぱり本当の夫婦よね!

前の夫とは、そんな些細な幸せさえも感じた事は、

一度も無かった。


 大河は、今季実子に言われた農協へ急いでいる。

運転中に大河も、あずさのあの家庭的な雰囲気に完全に参っている。

 穂香さんに・・・・さんで・・・・女を知り、こんな事が・・・・、

こんな最高な事あったんだと興奮し続けて幸せ、

楽しさ、快楽を知った。

 

 でも、それは・・・・・大河が自ら望んだ物ではなく、

幸運にもそれは向こうからやって来た。

 しかし、あずささんとのそれは・・・・・、

どちらかというと、大河自ら求めた、そして得たと思う!

 そう、大河が積極的にアタック? した。


 そんな最中、奇しくも穂香の元彼が大怪我を・・・・・

その原因は多少大河にも原因があることは感じていた。

 そう、穂香とのいつものエッチが・・・・

いつもと違う事いち早く、穂香に感じ取られた。


 そして、幸運にも大河の方が営業で穂香の上を行った。

そんな少しの・・・、些細な事が穂香の気持ちを荒れさせた。

 先輩としての焦りと、孤独感が穂香の繊細な心を狂わせた。

おそらく、あずささんとの出会いが無ければ、

このまま穂香さんとはずっと続いた気がした。


CB&D・Cup  Cap-56 Fin    IKAROS


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ