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チェリー Sec―51

チェリー Sec―51


「ねぇ! うちの事務所、病院ぽくない?」

「それ・・・・だって、事実よ!」

 「どうして・・・・なのかな?」

「・・・・・借りてるって・・・・」

 「季実子さんが?」

「そう言えば・・・・うちのお客さん季実子さん・・・・・」

「医者やっていたって・・・・・」 

 

「えっ・・・・季実子さん医者なの?」

「・・・・・・・そう言えば!」

「季実子さんのお母さんも医者だって!」

 「と言う事は、この病院と関係があるのかな?」

「それは・・・・結子さんなら解るかもね!」


 「そう言えば、結子さんの今度の仕事確かクリニック!」

穂香は何気なく聞き流していたが、クリニック勤務で看護師だって、

そんな話も聞き流していたが・・・・・、

 結子さんは看護師だったって・・・・これも最近知った。


「大河、何処でその話聞いたの?」

 「それは、確か初添乗員の時、水に落ちたお客さんに!」

「へぇ・・・・・医者と看護師が、うちのツーリストの社長と、従業員!」

「そう考えると、山本ツーリストは・・・・、」

「以前医療の仕事していたの?」


「それに、あの病院の様な建物、借りているって・・・・誰から?」

「それ・・・・季実子さん! そう言っているだけかもね!」

「どういう意味よ!」

「だから・・・・借りているって、ウソで!」

「初めから季実子さんの持ち物でしょ!?」

「あっ、そう言うと全て納得出来る事、多いわ!」


 こんな話を、今生死をさまよう悟の前でするのも! と思うが、

大河は穂香の気持ちを思ってで、穂香はそれに付き合ってくれている。

 穂香もそれが良いのだと・・・・とても救われると思った。


 そんな話の後、大河はプライベート用の携帯がバイブモードで、

着信を知らせた。 あずさからの着信だ!

「穂香ゴメン・・・・・ちょっと席をはずすけど!」

「大丈夫よ、行って!」

 穂香は全て知っている様だ!


 「ゴメン! すぐ戻る!」

「・・・・・うん!」

 大河も穂香の今の心を察しているらしい。

急いでICUの部屋から病院の外に出た。

 そして、病院内での携帯使用を思い出した。


 外に出るとバイブは途切れていたが、

それは間違いなく “あずさ” からだった。

「大河です! 遅れてスイマセン!」

 「・・・・何かあったの?」

「はい! 実はうちの従業員の彼が事故で・・・今病院です!」

 「そう・・・・それは大変ね!」

「はい! 少人数でやってますから・・・・・」


 45秒ほどのタイムラグの後に

 「ねぇ・・・その従業員! 穂香さんでしょ!」

「えっ! ・・・・どうして?」

 「そして、大河の彼女! でしょ!」

「・・・・・・そうだけど!?」

 「大河・・・・・わかるわよ! 私は!」


 大河の気持ちは・・・・それに あずさの 覚めた言葉に複雑な思いだ。

「それで、用事は何かな?」

 「あら・・・・大河、契約出来たらそんな言い方になるの!?」

「いいえ、決してそんなつもりは無いです!」

「今穂香さんの彼が、生きるか死ぬかの時ですから・・・・・・」

 「そう・・・・、大河優しいからね!」

「そんな・・・・・」


 確かに変だ! 今生死をさまよっているのは、穂香の彼!

大河の心情と、穂香の心情を考えると不思議な事に・・・・

 「大丈夫よ! 今は穂香さんの傍にいて!」

「心の支えになって・・・大河! お願いよ!」

「はい! そうします!」

 そのあずさの言葉は、何故か嫌味に聞こえなかった。

「あっ・・・あの何か用が?」

 「いいわよ! そんな状況なら・・・・」

「時間が出来たら、後でメールでもして!」

「わかりました!それじゃ後で!」


 病院の外で携帯を切ると、何と今度は結子が出てきた。

そして、結子は高級車に向かって軽く手を上げた。

 その運転席にいる紳士に少し見覚えが・・・・・


“あれ・・・・何処かで?”

その紳士と結子さんは、かなり親しそうだ!

 それにしても、どうしてこの総合病院に二人が・・・・・

あの紳士はきっと医者だろう!

 でも・・・・結子さんこの総合病院にどんな用事が・・・


 気になりながらも大河は、急いで穂香のいるICUルームの、

待合室に戻った。

 何だかこの病院は、山本ツーリストと多くの関係と言うが、

因縁がありそうだ。


 季実子さんしかり、結子さんしかり・・・・・・

季実子さんが医者なら、特別変でもないか・・・

 そして、結子さんも看護師であれば、

この病院と関係があっても不思議じゃないか・・・・


 “あっ! あっ! 思い出した!”

そうだ! あの紳士・・・・上高地のツアーに来ていた。

“えっ・・・・それじゃ!”

“結子さんとあの医者らしき紳士は・・・・・・恋人?”


 大河、何だかショックを感じた!

この話は、穂香さんにはしない方が、きっといいのだろう。

 偶然で、結子さんとあの医者らしき紳士とは、

一緒ではないと思う!

 そう考えると、結子さんもしたたか?


いいや、結子さんはそんな事はしない!

そう、偶然なのだ!

 あの紳士が予約した上高地ツアーに偶然、

結子さんが同行した。


 それと、大河の新恋人あずさと、その紳士風の医師の部屋が、

ワンフロアー違いで、真上と真下の関係!

 これって・・・・・危険がイッパイ過ぎる!


二つのカップルにとって・・・・・


CB&D・Cup  Cap-51 Fin    IKAROS


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