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チェリー Sec―48

チェリー Sec―48


CTは躯体へと移動、頚椎損傷、肋骨骨折、

ほぼ全身にダメージが・・・

心臓に・・・大動脈・・それに損傷はあるが破裂までは・・・


 「先生、まず頭蓋内圧下げましょう!」

「グリセオールだ・・・」

 「はい、もう既に!」


この患者に、低体温療法が有効だろう。

前回もそれで・・・助けられた!

がしかし、心臓以外に損傷箇所で緊急を乎要するのは・・・

肝臓は大丈夫か・・・

出血状況は・・・


「悪いが、心臓付近・・・再度行ってくれ!」

 「はい、では2センチ間隔で・・・」

「うむ・・・破裂は無いが・・・・」

脳外の先生に向かって

「まず、先生にお願いします・・・」

「出来ればそのまま心臓、そして肝臓・・・」


 実は季実子、病院までは来たが、院長室へ向かった!

果たしてどんな目的が・・・・・

 未だに季実子の過去がベールに包まれているまま!

それ以上に季実子の母である、敏江の方が謎だらけだ!


 ある噂では、こんな話も・・・・・

敏江はある妊婦を引き受けた!

結果として、男児は救えたが、母体は救えなかった!

 その男児は身寄りがなく、結局施設に預けられた。


どうもその男児を敏江、そして季実子が、

足長おじさん的に援助した。

 その時の男児がどうやら・・・・・悟!

そんな噂が・・・・・・


「この場合、まず脳だ!」

「重傷頭部外傷患者に対し、体温を30~32度に下げることで頭蓋内圧を下げ」

「酸素代謝率を低下させる事を最優先に、処置手術を行う!」

低温療法によって、頭部外傷における二次的な、

脳虚血の改善にも有効である事は常識になりつつある。

そして、現在最新の臨床経験でも、好成績を収めている。


 多くの症例で、頭部外傷では外傷後12時間以内に頭蓋内病変が、

種々に変化する事が多い。


今回の患者に脳外科、心臓外科など総勢6名の医師、

そして、看護師、検査技師、麻酔担当の医師などが加わり、

何とか一命は取り留めた。


全体に要した時間は11時間で今現時ICUで、

低体温を維持、頭蓋内圧が安定して来た段階で、

心臓の大動脈からの僅かな損傷部位を縫合、

肋骨が肺に刺さったのを取り除いた。


そして、硬膜下血腫も縮小することが出来た。

一時期の患者は、対光反射なし、意識レベル300、

瞳孔散大、CT所見で・・・


急性硬膜下血腫、脳挫傷による脳全体の偏位!

よくまあ何とかこの様な状態で、生きていた。

今回の重要な場面での主役は、

殆ど脳外科医のお陰だろう・・・・


季実子は院長室にいて、数台のモニターが並んで・・・・、

そして殆どのデータが手元に!

 院長に命令する口調で、全力を尽くすように指示する!

どうして・・・・!?


季実子は、この総合病院の院長に、

命令できるのだ!?

 まるで謎だらけの事ばかり!


今理解している事は・・・・・・・、

患者 悟は 山本敏江、季実子親子に守られている。

それも、密かに! だ!


「先生・・・・、どうです?」

「どうもこうも・・・・あるかよ!」

 「!!!・・・!!!・・」

「今終ったばかりだ!」

 疲労困憊の中・・・・医師は漏らした・・・言葉を!


「一応生きている・・・息はしているよ!」

 「そうか・・・それは・・・良かった!」

「しかし、その良かったは・・・あらゆる意味で、・・・だろう!?」

 「おい・・・、そんな・・・」


どうやら図星らしい、ある医師の良かったは彼女が生きていれば、

何とか面目が保てる!

「おい! 言葉が過ぎる!」

「予後は・・・・その返事は、いつになるかわからない!」

「あるいは・・・・無理!?」

「だから・・俺にもわからんよ!」

「神にでも聞けよ!」

「そうか・・・」

「聞きたければ、お前が祈れ!」

「彼の生命力に・・・、純粋な気持ちでな・・・」


そう言って、脳外の医師は相当疲れた様子で、

立ち去った。


 季実子は低体温療法による緊急手術で、

危機は脱出したと思われる! その状況を確認した・・・

あらゆる検査データ、付随する資料から!


が、これから果たしてこの患者に未来は・・・・・、

日常生活が送れるようになるか、多くの課題が山積している。


 オペ室の前の待合室で大河・穂香が、

じっと待ち続けていた。

 そこに、季実子がやって来た! 二人にコーヒーを持って!

それは、自動販売機のコーヒーでは無かった!

 それに気づいたのは、大河だった!


CB&D・Cup  Cap-48 Fin    IKAROS


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