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チェリー Sec―47

チェリー Sec―47


救急外来には医師2名看護師3名が、

既に患者を待ち受けていた。

そこへ患者石井悟が救急搬送、

着慣れた濃紺の術衣の上から白衣を着た精悍な医師が既に待機、

その風貌だけで出来る事が・・・・・・、修羅場を何度もくぐり抜けた顔だ!


悟の運命を託すのに十分過ぎる!

救急救命士との連携で、重要な初期対応も出来ている。

後は、悟の生きる気力が大きな生命線となるだろう。

救急救命処置室に緊張が走る!

 

 処置室にストレッチャーが入る前に、気管挿管は済み、

点滴ルート、2ルート確保済み!

 フルフェイスのメットはひび割れて、

頭部が未だに露に出来ない!


メットを特殊なレザーカッターで、

ほぼ真っ二つに切断出来たばかり!

 頭部の浮腫が激しく、簡単に頭部から外せなかった!


果たしてこのメットが患者にプラスに働いたのだろうか!

勿論メットがなければ即死に違いなかった・・・はず!

 しかし今回は全て味方したとは・・・・・多少の疑問も残る!

そうベテラン医師は感じた!


 バイタルは既にチェック済み!

「CT・・・・・・・急ごう!!」

 「今返事が!」

「どういう事だ!」

 「先客がありました!」


 そう・・・・実はこの救急病棟に少し前にも、

緊急車両が到着していた。

 「OKサインが!」

「よし! 行くぞ!」


 CTルームに、脳外の医師も駆つけてリアルタイムの映像を、

真剣にチェックしている。

 これは、異例の事だ!


 何処からか、この患者に本気度が現れている。

そう・・・・ある人物から彼を何とかしろ!

全力を尽くせと・・・・・そんな厳命が出ているらしい!


ベテラン医師から立て続けに指示がでていた。

「輸血、全血8単位、クロスマッチ完了!」

 「よし、輸血開始!」


頭部のCTの後は 全身のCTに切り替えて、

胸部、腹部、骨盤、大腿へと・・・・・・・

「肋骨・・・・折れてる!」

「腹部も・・・・内臓破裂! 肝臓に出血が・・・・・」

 「患者のバイタル!」


「出血量・・・・無理か!」

「血液一般! 急げ!」

 「了解!」

「腹部外科、循環器の医師も呼べ!」

 「はい!」


 これは、本当に最大級の医療体制だ!

何故かは今の段階ではわからない!


頭部のカット間隔は2センチで・・・そして気になる所は、

脳外の医師が更に細かくカットする。


「脳挫傷、かなり酷い!」

「浮腫も、内出血も・・・・いたるところに!」

「よし、低体温療法で行く!」

「そうですね・・!」


医師も真剣だが、それ以上に病状は切迫した現状だ。

医師、看護師の空気が重い。

 それにしても、この先大きな難関が山積している。


「グリセオール・・持続で!」

 「はい!」

 「助けるのはまず頭蓋内圧を下げて・・・・・・!」

「出来れば、開腹と開胸も同時に行ないたい!」

 「えっ!」

「ええ・・・・」


 小さいが、驚きの声が医師・看護師の口から漏れる!

それくらいに大変な患者に遭遇してしまったと!

 それを・・・・・助けろと! 

天の声が・・・・・


 大河と穂香そして季実子は、**総合病院の玄関に着いた。

玄関に入ると、先程の看護師が待ち受けていてくれた。

 「石井悟さんの・・・・・」

「はい、で・・・!?」

 「少し前に検査を終えて、今は大規模なオペに・・・」

「・・・そうですか!?」

 答えたのは季実子!


「あっ・・・先生!」

今発言した、その看護師を手前に呼び寄せ!

「しっ! 内緒で!」

 と季実子慌てて打ち消す!

 「はい・・・・わかりました!」

「で・・・・患者さんは!?」

 「外科、循環器、脳外のトップが中に!」

「そう! それだけで、患者の病状が理解できたわ!」


 そんな話を大河・穂香はぼーっと聞いていた。

大河は、この病院と季実子さんに、

何らかの繋がりが有った事を悟った。


 穂香は縋るように,看護師にお願いしていた。

それでどうなる訳では百も承知だが・・・・

 オペ室のランプは無常にも赤赤と光り続けている。

かれこれ、8時間になろうとしている。

 時折、検査室に駆け込む看護師が!

それと、輸血バッグが運び込まれていた!


CB&D・Cup  Cap-47 Fin    IKAROS


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