チェリー Sec―44
チェリー Sec―44
悟の愛車は、Honda 、水冷・4ストローク・DOHC・
直列4気筒・250ccエンジンを搭載した二輪
ネイキッド・ロードスポーツバイク!
精悍なボデーでスポーテーの単車だ!
車体の色はワインレッド、ウェアーは黒のツナギ、
フルフェイスの真っ黒なメット。
しっかりローンが残っている。
携帯を切ると悟は、急いでメットを被り自慢の愛車に跨る。
エンジンキーを挿し込み回す。
心地良い体に響くエンジン音だ。
クラッチ カット!
ギヤをローに、カチッ! と言う軽快な音が・・・・
アクセル回すと二輪のタイヤはギュッと・・・・
もう前輪は大地を押し出すように前に・・・
悟 気持ちは急くがアクセルは慎重に!
あっという間に70km毎時のスピードに!
風は暑く太陽がまぶしいい!
陽炎が前方のアスファルト全体に燃えている!
待っててな・・・穂香!
直ぐに穂香の所に・・・・あの海岸に行くから・・・
傍にいてあげれば、その涙収まるよね!
穂香に涙は似合わない!
“もう少し・・・・・!”
“えっ!”
“ウソ!”
”危ない!“
“あぶない!”
何と2歳ぐらいの幼い女の子が道路に!
キュ・・・ギ キュー
バーン ババ、ギィ・・・キィキィ・・・・ガシャンー・・・・
ボーン、ズルズル・・・ガシャーン、ボン・・・
!!!・・・・!!・・・!!!!・・・!!
悟のバイクが跳ねた!
寸前の所で幼児は無事!
が・・・悟のバイクは路肩のガードレールに!
悟も飛んだ!
ガシャッ・・・・ボコっと言う物体が落下する鈍い音!
メットが・・・・そこから鮮血が流れ出る!
わぁ・・・・・これは・・・やばいぞ!
ものすごい音がした方に数人が近づく!
「これ・・・・ヤバい!」
「電話! 119だ」
「おい、急げ・・・」
「はい!」
「交通事故です! バイクが! 人が!」
「救急車急いで下さい!」
「場所は!」
「ええと!・・・・・国道XX号の・・・・・」
「急行します!」
ピィ・・ポォ・・・ピィ・・ポォ・・・
ピィ・・ポォ・・・ピィ・・ポォ・・・・ォ
5分程して救急隊が到着!
「受け入れ先、有ったか?」
「いえ、まだです・・・」
!!!・・・・!!・・・!!!!・・・!!
「はい、***病院救急外来!」
「こちらは、***消防隊です!」
「どういたしました?」
「バイク転倒による全身打撲、受け入れ可能でしょうか?」
「もう少し詳しい病状は?」
「はい、患者は・・・・男性1名!」
「全身打撲、意識不明意識レベル低いです!」
「頭部打撲、頭部からの出血多量、腹部から下腹部にかけて強打の模様!」
「少し、お待ちください!」
空白の時間が流れる!
1分が10分にも感じる!
「受け入れ、OKです!」
「そちら確か救急救命士同乗してますよね?」
「はい、私です!」
「もう少し詳しい病状を!!」
「頭部からの出血多量、意識レベル低~中程度」
「腹部から下腹部にかけて強打の模様」
「胸部鎖骨に、・・・・骨折も・・・・・・・・」
救急救命士の狼狽ぶりも・・・・かなりヤバい
ギリギリか・・・・ もしくは・・・・・!
警察も到着!
大破したバイクのナンバープレートを照合中!
出た!
持ち主は 石井悟!
救急車は、けたたましくサイレンを鳴らして、
受け入れ病院へ急行!
患者にとってかすかな救いは、救急救命士が同乗した救急車で、
医師からの指示を仰ぎ適切な処置を施して、
救急搬送中に出来るだけの事をしていることか・・・!?
季実子と大河の乗った車と、瀕死の悟が乗った救急車が、
途中ですれ違った!
そのサイレンの音が季実子にも大河にも危機感を持たせる!
「まさかね!」
「違いますよ!」
「そうよね!」
二人の危惧している事は穂香が何か事件に巻き込まれたか・・・・
サイレンの音が、少しずつ小さくなる。
「それにしても、穂香何処に!?」
「そうですね!」
CB&D・Cup Cap-44Fin IKAROS