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チェリー Sec―3

チェリー Sec―3


「ねぇ・・・・・聞いてる!」 

 「あっ・・・ はい! 聞いてます」

「そう・・・・主婦の仕事疲れで・・・・眠くなった!」

 「いいえ! もうそんな事はありません!」


「あっ! それと・・・・最近仕事にも行きだしたとか?」

 「あれ・・・・もうそんな事知って・・・・ あっ!穂香に・・・・」

「そうよ! 何だか楽しそうに仕事頑張ってるそうね!」

 「近いうちに、そちらの様子伺いに行きます!」

「それともうすぐ、母の一周忌が近いので、挨拶にも・・・」


「そう・・・・それじゃ楽しみに待ってるわ!」

 「季実子さん・・・・ずっとバスタオルだけで、風邪ひかない様に!」

「あれ・・・どうして!?」

 「わかりますよ! 以前お伺いした時も、女同士だから・・・・・」

 「平気! って・・・裸にバスタオルのままずっと・・・・」


そうなのだ、結子夫の浮気が原因で家を飛び出し、離婚する!

もう,家に帰らないって・・・・・

スナックで酔って、季実子の家に・・・・

10日程の家出をしたのだ!

 と言っても、季実子の家は部屋が沢山ある。

何故かって!・・・・それは、追々話に出てくる事に・・・・


「そうだったわね!」

「あの時は、・・・・結子、もう帰らないって!」

 「えぇ・・・・そんな事も!ありました!」

「あの時は、酔って大変ご迷惑おかけしました!」

「そうだったわね! でもあんたの家庭、より戻ったのよね!」

 「えぇ・・・・・何とか!」


 実は結子、まだ夕食の後片付けと洗濯が残っている。

この辺で話を切り上げようと・・・・

 「今週中に伺います!」

「そう! 楽しみに待ってるわ!」

 「それじゃ・・・おやすみなさい!」


 結子はその道順が懐かしかった。

家を出てから国道に出て、その国道に出ると最近の道順とは、

逆の方向にハンドルを切った。

 すると、昔の頃の思い出が蘇る。


 そう穂香は、彼の話を耳にタコが出来る位、私にしていた。

それなのに、どうして・・・あの時の彼と別れたのかしら・・・・

 派手目の化粧! それは何だかアンバランスだった。

やたらと目に、化粧のアクセントを持ってくる。


 そう、アイシャドーもアイラインも派手め!

それなのに・・・・・顔そのものは塗が殆ど無い、そしてルージュも、

メッチャ控え目なのだった。

 果たして今は男が変わって、どんな感じに化粧をしているのやら・・・

それも、相手は年下のチェリーボーイ!


 見えてきた!

昔の職場の建物が・・・・・

 そこの景色は、一瞬見ると看板とは異質な雰囲気だ。

看板には、“山本ツーリスト”とある。

 そう、今の山本季実子の仕事は旅行会社なのだ。


 しかし、その看板の建物はどう見ても病院を想像させる。

実際、その昔、その建物は産婦人科医院だったのだ。

 母親がその産婦人科を経営していた。

そして、季実子も暫く後を継いで、産婦人科医として勤務していた。


 で・・・どうして、それが今旅行会社を経営しているかは、

追々話が・・・・物語の進行と共に!

 駐車場に結子は車を止めて、建物の中に入る。

「こんにちは!」

「あっ! 結子さん・・・・・、こんにちは!」


どうやら、季実子は結子がここへ近々来ることは、

話していなかった様だ。

 そして、斉藤大河も遅れて挨拶した。

実は結子、大河とはほんの少し仕事をしたことがあった。

 そう、母親の看病と両立していた時期があったから・・・・・


「あら・・・・斉藤くん! だいぶ慣れて来たみたいね!」

 「・・・・はぁ・・・・・そうですか!」

「そう、ほら・・・・スーツ、ネクタイが様になっている!」

「有難うございます!」

「結子さんにそう言って貰えると嬉しいです!」


 ここで、“言って貰って嬉しいの! 別の人じゃ!”と心で呟いた。

まだ、そこまで言うのはあらゆる面で早過ぎると・・・・

「どう! 最近大きな契約取れた?」

 「えぇ・・・・ぼちぼち!」

「そう、貴方なら、大丈夫! 必ず、ね!」


 ここでも我慢した。

“貴方なら女性客の団体直ぐに取れるわ!“

とにかく、何となく穂香の目線が気になる。

 すると、季実子が奥の部屋から出て来て、


「アンタ達!お茶ぐらい出してあげたら!」

「もう、結子さんはお客さんでうちの社員じゃないのよ!」

 「あっ、すいません! 気が付かなくて!」


返事は穂香がするも、冷蔵庫からコーヒーの缶を持って来たのは、

大河だった。

 あれ・・・なんか・・・変!

これが・・・・この職場の現実?


 「はい! みんなの大好物!」

結子も少しタイミングを逸した!

 みんなの大好物のケーキを持って来てその袋を持ったままだった。

「わぁ・・・・すいません!」

最初の返事は、・・・・勿論穂香だった!


 遅れて、季実子も

「あら・・・・うちに来るのに! おみやげなんていいのに!」

 「いいえ、私もみんなと一緒に、昔みたいに一緒に食べたくて!」

「そう! それも・・・懐かしわね!」

「それじゃ! 暖かい紅茶の方が・・いいかしら!?」

 そこで穂香がやっと動いた!

お湯を沸かしに・・・・・・

 が・・・・その後ろから、大河も・・・・

あれ?


CB&D・Cup  Cap-3 Fin    IKAROS




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