チェリー Sec―12
チェリー Sec―12
先ほど2人の名前を聞いた時、大河も結子も胸のネームプレートに、
手をやるかたちで、自己紹介のつもりで名前は、斉藤大河 結城結子で、
添乗員である事を示してあった。
それにしても・・・・最近の人ったら、別れるのも早いがくっつくのも早い!
程なくして、先程の騒動を聞きつけて、あずさと真央二人の同行添乗員が、
やって来た。
結子は何度か見かけた事のある、40歳前後の男性添乗員だった。
その添乗員は結子、大河に礼を言いによって来た。
大河と結子の様子を見れば、誰が池から助け出したのか、
その服装を見れば一目瞭然である。
大河に近づき、その手に握手を・・・・・
が、その手はずぶ濡れになった女性の手を握っていて・・・
その様子を見て納得の、40歳前後の男性添乗員、
結子に目配せして、
「・・・・・大丈夫そうですね!」
「・・・・、えっ・・・・ええ!」
「それじゃ・・・後は宜しく!」
「アァ・・・・恋って、簡単に生まれるのですかね!」
「こんな時!!」
「そうかもね!」
「じゃぁ・・・・あの時、僕がそこにいれば・・・」
「僕に生まれた・・・かな?」
「さぁ・・・・それは・・・・!?」
結子、あの添乗員に声をかけられた事が数回ある。
“今度・・・東京で食事でも! って!”
勿論そんな誘いには乗らなかったが・・・・・、
別のツアーで、色々話しかけられて、彼が独身でバツ1、
である事も知っている。
その男性添乗員は去って行った。
それは・・・・結果として結子と一緒に散策している真央の、
視線がきつかったから・・・・
「・・・・結子さん! 苦手でしょう!」
「あんな感じの、がっついた男!」
「・・・・そうね! 見えるわね!」
結果として・・・何となく2対2で歩く様になったが、
結子と真央、気が合いそうだ。
少し前をルンルンで歩く、大河とあずさを見ながら・・・・
「ねぇ・・・・あそこ、下着売ってた?」
「・・・いいえ!」
「そうよね! コンビニじゃないし・・・・」
「で・・・・・・」
結子はあずさについて行かなかった。
一緒に行ったのは真央で、売店に一緒に寄ったのも、
真央だったから・・・今それを確かめた。
「今は多分・・・・・無し・・・」
「・・・・えっ?」
「何となく・・・・一人にしてあげたの!」
「そう・・・よね!」
「バスタオルに挟んで、水分を吸い取っていたけど・・・・」
「でも・・・ブラはしているらしい!」
それは、あずさの後を歩いているので、ラインでわかるみたいだが・・・・
途中まで一緒だった真央の話だと、下はNo・・・か?
「あの娘なら・・・・、やりかねない!」
「・・・・・・・」
「だから・・・その下・・・穿かない事!」
「えっ・・え! 嘘!」
「前も、あったのよ! そんな事!」
「あら・・・まぁ・・・・」
「コンパのパーテー会場で、プール際の・・・ね!」
「そして・・・そのプールに落ちて?」
「そう、プールに落ちて・・・・・」
「ジャージは借りられたけど! パンツなんて無いでしょ!」
「そうよね! で・・・・」
“「どうせ・・・・洋服の下、穿いてるかなんて・・・わからないでしょ!」”
「そのまま、確か帰ったと・・・・」
「まぁね! 濡れた の 穿くの・・・いやよね!」
「でも・・・私なら、他に方法が無ければ、濡れた の でも穿くわ!」
「・・・・・そうね、何だか変よね!」
そう言った目で見ると、何だか前を行く2人が急に、
危険に見えてくる。
穂香がいたら・・・・それは、無い!
濡れた彼女を助ける事はあっても、あの様な関係には絶対ならない!
させないだろう・・・・・絶対!
そして、この現状をいつ知るか! 穂香が・・・・!
携帯を見てみる!
電波状態は大丈夫!
って・・・・そこに着信が!
えっ、噂をすれば・・・・だ!
穂香からの着信!
「はい! 穂香どうしたの?」
「すいません! そちら、電波状態悪い場所ですか?」
「えっ・・・て、今聞こえてる・・・・し!」
「あっ、そうですよね!」
「どうしたの?」
「あのですね! 大河の携帯・・・・電波の状態が悪くて・・・・」
「大河の携帯 S社の?」
「はい・・・そうですが?」
あれ・・・・こんな状況で、大河よっぽど運が良いのか・・・・
実際私も経験している。
D社は大丈夫だが、S社は繋がりにくい場所もある!
ちなみに、A社のは、確認していないが・・・・
また、場所により、その逆も経験している。
大河・・・・・、S社に感謝しないと!
それと・・・・、この事・・・・どうすべきか!?
結子は迷う!
しかし、勘の良い穂香すぐに気づく!
CB&D・Cup Cap-12 Fin IKAROS