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チェリー Sec―10

チェリー Sec―10


 そして最初のトイレ休憩で・・・・、

大河マイクを持つ声を控えめにして!

「それでは、車・・・トイレ休憩で止まります!」

「はい・・・今から15分後に出発します!」


 車内には既に眠りについている人も・・・・

そんな人は旅慣れた人で、あえてトイレ休憩を伝える事も無いので、

そのまま寝かせておいた。

 結子が前までやって来るのを待っていたように!

「結子先輩! 緊張します!」

「そう・・・でも上出来よ!」

 

「そうですか! 先輩にそう言って貰うと凄く嬉しいです!」

「前からお客さんの様子を観察するのよ!」

 「・・・・・・はぁい!」

「ほら・・・何か聞いて欲しい事とか、大きな声で言えない人もいるでしょ!」

 どうも返事が・・・・・、結子の言いたい事を完全に理解していない様なので、

それをあえて確認した。 


「はい! 色々大変なんですね!」

「忘れてました、 ツアコンの初心を!」

「そうよ、貴方はこのバスの監督よ!」

「しっかり、全員の気持ちを汲み取るのよ!」

 「了解 なり!」

大河・・・・多少の余裕が見えてきたのか、

おどけて敬礼のまね!


 その後も添乗員仕事、無事に乗り越え、目的地上高地の、

大正池の前にバスは到着した。

 そこから、各自予定されたスケジュールに基づいて散策を行う。 

が・・・・・そこでハプニング!


 「うあー・・・ キヤー!」 

ザブーン!  バシャ、バシャ・・・・・

おう! あっ!人が・・・・揺れる手漕ぎボート・・・・・

女性が落ちた!

池に・・・・大正池に・・・・だ!


何と大正池には、観光用の二人乗りのボート乗り場がある。

そこから悲鳴と水しぶきが・・・それも派手に!

 わっと・・・人が集まる!

大河も、結子もその瞬間を目の当たりにしていた。

「えっ!」

 「あっ・・・・・」

マジ・・・っていう感じ!

本当にこんな事あるんだと・・・・・


 その落ちる姿を、呆然と見つめる貸しボートアルバイト店員!

その男性店員は、ボートが揺れないようにその手はふさがり、

成す術がなく落ち行く女性を見つめていた。

 

それは、およそ1秒いや・・・・2秒間か・・・・

スローモーションで、大河にも結子にも見開かれた瞼に、・・・・・・

残像として今もはっきりと残る。


 2秒間の後に群集が集まってきた。

どうやら、落ちた客はボートを持つ店員に何か叫んでいる様だ。

「早く助けて!」

 「・・・・・・はい! でも・・・・」


そう・・・・、その貸しボートの店員もボートが揺れて、

それを制御しようともがいている。

 周りに貸しボート店員は他にいない!

「早く!!   助けて・・・・」


 そこで、すかさず・・・、結子! 大河に目で合図!

「はい!」

そして結子、大河のリュックを剥がす様に奪い取り、上着も脱がせる!

大河は靴を脱ぎ!靴下を脱ぎ捨て・・・・

裸足になり、ズボンをまくり池の中に、バシャバシャと・・・・


 大河、ずぶ濡れの女性を抱き抱え岸辺に戻る。

そして、その場に立ったままだ。

 ブラウスはびしょびしょ! ブラのその奥も・・・・少し透けて!

その下は何とミニスカート! 

って・・・ここは山・・・でもないか?

 大河も救いがいがあったと・・・・言うものだろうか!


「ほら・・・早く降ろして!」

今度は結子の番だ!

 ずぶ濡れの女性を全身チェックしながら・・・・・ 

「大丈夫ですか! 痛いところは?」

 「・・・・・・うう・・・」

恥ずかしさと惨めさで、目に涙も・・・・


「ほら、ボートのあんた! 毛布とか、バスタオル・・・早く!」

 やっと、不安定なボートから降りて、ボーっと立ったまま、

成す術の無い貸しボートの店員に・・・・・

 「あっ・・・はい、すぐに!」

 やっと状況を把握した貸しボートの店員、凄い勢いで飛んでいった!


「貴女! お友達は?」

と、結子声を掛けると腕が伸び右指がボート乗り場の桟橋に!

そこには、同じような格好の女性が棒立ちになって固まっていた!

「大河!」

 「はい!」

と、そこに向かう大河に迎えられるように、

落ちた女性の友人がやって来た。

 で・・・出た答えが・・・・・


「わぁ、いきなり! 今来たばかりなのに!」

「えっ! 貴方は何処のツアーで!?」

 「**旅行!」

ちょっと一安心の結子、そして大河!


これが、うちのツアー関係なら大変な事に・・・・・

「大河! 案内ターミナルに行って、聞いてみて!」

 「了解!」


CB&D・Cup  Cap-10 Fin    IKAROS



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