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一悶着

 呪装。

 それはとても数の少ない呪われた装備である。

 どれも強力だが代償も大きく、またそれ以外の装備は一生装備出来なくなる。

 ただし呪装が壊れた場合のみ他の武器を使用できる。


 そんな武器を僕は召喚された時から所持していた。何故かはわからないが。


 しかし、考えていても仕方がない。それよりもハルの装備の方が先だ。


「ハルは装備決めた?」

「いや…どれにしようかなと…」


 ハルが迷うのも当然だ。

 それだけ多くの武器があるのだから。


「ゆっくり決めなよ。僕は防具を見るから。」

「おう、サンキュ。」


 さて、ハルの防具を決めるとしよう。ハルがどんな装備にするのにもよるが、ある程度のピックアップはしておくべきだ

 。


 ……


 20分くらいかけ3つほど選んでおいた。

 この中から選んでくれると嬉しい。


「ミキ!武器を決めたぜ!」

「うん、似合ってるよ。」


 ハルは片手剣にしたようだ。剣全体が青白く光っている。とてもよく切れそうだ。


「片手剣ならこの防具にしたらどう?色もあってるし。」

「ミキが選んだのならそれでいいよ。」


 そう言い、ハルは僕の選んだ鎧を身に付ける。純白の鎧に剣が良く映える。織田君よりも勇者らしい。


「ミキは防具を付けないのか?」

「防具は大丈夫なのかな?」

「武器じゃないし大丈夫じゃないか?」

「そうかな…うーん何にしよう…」

「そうだな…これはどうだ?デスサイズにもあってるだろう?」


 ハルは黒色のフード付き外套を渡してきた。これならデスサイズを持っていても違和感はない。死神にしか見えないが。


「じゃあそうするよ。」

「じゃあこれで全部だな。あとは…」


 周りを見るとまだみんなは選んでいた。まだ5分くらいはありそうだ。


「おっ、あそこはどうだ?」


 ハルが指さした場所にはアクセサリーが合った。おそらく何らかの付与付きだろう。付けておいて損はない。


 見てみると様々なアクセサリーがあった。どれも高そうだ。効果を見ながらハルと選ぶ。


「ハルはこれが良いんじゃない?」


 そう言いハルに指輪を渡す。指輪の効果は敏捷補正5%耐久補正3%だった。


「そうだな。ミキはこれにしろよ。力は必要だからな。力がないと武器もまともに扱えないだろう?」


 ハルが渡してきたピアスには力補正10%が付いていた。知力以外のステータスが低い僕にはありがたい。

 デザインも似ているので嬉しい。


 ピアスを付けると、アレックス隊長がみんなに声をかける。


「みんなとても勇者らしいぞ。かっこ良くなったじゃないか!今からこの姿を皇帝様にお見せしに行く。付いてきなさい。」


 そう言うと部屋を出て行く。慌ててみんなで追いかける。自分達の装備を手に入れたのが嬉しいのか和気藹々しながら歩いていく。


 しばらくすると、玉座の間に到着した。


 アレックス隊長は玉座の間にみんなをひき連れていく。


 皇帝の前まで行くと、直立不動で、


「勇者様方の装備が選び終わりました。」


 と声をかけた。


 周りにいる家臣は、織田君やクラスメートの姿をみて感嘆している。

 何故かこちらを向くと目をそらすのだが。


「うむ、見違えたぞ!これから精進するが良い。今からそなたらには一人に付き銀貨400枚を授ける。これを生活費とせい。城に暮らしてもかまん。」


 銀貨400枚がどれくらいの価値かわからないが、貰えるだけありがたい。


「またこの場でパーティーを組んでもらう。パーティーにはベテランの兵士を付けるので安心せい。」


 どうやらパーティーを組まなければならないらしい。まぁ始めから組む相手は決まっている。


「ハル?」

「おう。」


 お互いにそう言うつもりだったらしい。ハル以外とは気軽に話せないので当たり前だが。

 織田君は4人で、残りは3人でパーティーを組むらしい。そこに兵士も合流する。


 僕等のところにはアレックス隊長がきた。


「私がパーティーに入ることになった。よろしく頼む。」


 アレックス隊長がそう言ってくる。

 しかし…


「あいにくですが、僕等は2人で大丈夫なので。悪しからず。」


 ハルはアレックス隊長にたいして断る。

 すると、広間が一気にザワザワし始める。


「しかし…君たちはほとんど何もわからないだろう?私が入れば色々教えられるのだが…」

「では、訓練などの稽古はお願いします。しかし魔物などとの戦闘では手出し無用です。」

「僕も同意見です。」


 アレックス隊長は絶句する。

 ハルならまだしも、ステータスは常人のミキは容易く死んでしまうだろう。そうならないためにも、パーティーに入ろうと思ったが、よりによって本人に断られるとは考えていなかった。


 しかし、ミキとハルはこの世界でのルールを理解していた。それは、この世界では容易く死ぬということだ。ステータスがある以上低いと死ぬのは必須。だからこそ、強くならなければならない。それにはベテランは邪魔だ。始めから学ばないと、いつまでも強くならないのだから。


 結局、ミキとハルは教会や帝国と散々もめ、どうにか認めさせた。しかし、これによって良く思わない者がチラホラと出てきた。それにまだミキとハルは気づいていない。



次の話から戦闘シーンが入る予定です♪いつも読んで下さるみなさん本当にありがとうございます(^○^)ブックマークや感想等よろしくお願いしますm(_ _)m

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