極悪人※R15(刺激が強いかもしれません)
これはネタというより、私が見た夢を小説風にリメイクしたものです。
楽しんでいただけると幸いですが、すこし刺激が強いかもしれません。
なので苦手な方はここでお引き取りすることをおすすめします。
大丈夫な方だけどうぞ
あの人は、極悪人だった。
多くの人を陥れ、多くの人間命を奪い、あまつさえ私を好きなように扱い、無理やり犯し、落とし操って。
周りの人間にはばれないようにしていた。隣にいたのは唯一弟一人で、その子だけが全てを見ていた
「だめ!みちゃだめ!」
体順に傷を負いながら、私は叫んだ。
「や!いやぁ!」
何度も何度も、涙を流し声をからしながら大切な人の名を叫んだ。
けれど、現実は何も変わらなかった。
あいつはいろんな体の中に入り込んでいろんなことをしていた。
それは得体の知れない生き物の世界を壊していたようで。
そしてあいつは毎日私の元へ来ると、口元をいびつに歪めながら好きに扱うのだ。
もぅ、諦めた。
抗ってもどうにもならないことがわかった。だからこのまま流されるままになろう。
そう、決めてしまった。
いつの間にかあいつがいることが当たり前になり、そして求めるようになっていた。
しかし、
あいつが変わり始めていることに気づきもしなかった。
傷は少しづつ治ってきていた。
あいつは最近出かけることが多い。
何をしているのかきになる。
もしかしたらみんなに危害を加えているのか。
ずいぶん前には兄が殺され、その体を乗っ取られた。
そのすぐあとには愛犬を殺され、死体はあいつの餌となった。
次は何をするかわかったものではない。
けど、見つかることはなかった。
しばらく経って、奴は帰ってきた。
なぜか憔悴しているらしく、ベットの横に倒れこんで私を求めてきた。
なんの、真似だろう、、、?
しかし逆らえば何があるかわからないため、それにしたがった。
その日あいつの様子は明らかにおかしかった。
どうしたのかと聞いても応えることもない。
気になりはしたが、私はそれ以上聞くこともなく、眠りについた。
次の日、奴の姿はどこにもなかった。
「、、、、!?」
必ずいた姿はそこにはなく、私はいささか驚いた。
「え、、?いない、、、?」
バッと起き上がって周りを見渡すも、あいつの姿はない。
そこで思い出した。
突然現れた妙な生き物たちが、世界は救われたのだという話をしていたことに。
あいつは標的だ。
あの世界にとって倒すべきもの。
その世界が救われたと、いうことはつまり、、、、
「、、、、、なんで、ちょっと?」
喉の奥から漏れたのはか細く、力のない声だった。
「ねぇ、どこに行ったのよ。あんたのことだから、図太く生きてるんでしょう?」
ベットから降りて、部屋の中を歩き回りながら言う。
「ちょっとふざけないでよ。、、、ねぇ!」
いくら呼んでも返事はない。
私は玄関先の扉をあけて外を見てみた。
すると。
あいつがいたことがまるで嘘だったかのように、すべてが元通りに戻っていた。
あいつが殺した者は自転車をこいで家の前を通り過ぎた。
殺され餌にされたはずの愛犬は家の裏でのんびり日向ぼっこをしている。
私は、呆然と立ち尽くした。
いなく、なった?
消えた、、、、?
そして元に戻った?
「、、、なら!」
私は慌てて、いつも無理やり犯されていたベットへと急いだ。
あそこにいるかもしれない!
――ドタドタッ、、、、バタンっ!
乱暴に扉をあけた先、そこには
奪われたはずの私の大切な物や、所持品が別途の上に乱暴に置かれていた。
「なに、、、これ。あいつは、、、どこよ」
本当に居なくなったというのだろうか。
こんなにまでなった、私をおいて、、、。
「何よ、なんでよ!あんたは何があったって図太く生きていたじゃない!なんで消えるのよ!なんで居なくなるのよ!なんで、、、っ!」
自分でも訳のわからないことを叫んでいると、ベッドの上に散乱しているものの一つに目がいった。
「、、、?」
なにかの蓋だろうか。
その裏に、何か書いてある。
『ちゃんと、大事にしとけ』
、、、え?
何?なんのこと?
っていうか、この字、書いたのってまさかあいつ?
なんで、、、
そうやって眺めていると、ほかの持ち物にも何か書いてあるのに気づいた。
ガムテープの側面に
『本当は、殴って欲しかったんだ』
その文字はこすったせいなのか、少し消えかけてて。
裁縫箱の側面には
『お前裁縫するんだな。服、作れるなら作ってもらえばよかったなぁ』
その蓋の内側には
『裁縫バサミでかいな。今度ちょうどいいのを持ってこよう』
『あやまっても許してもらえないかもしれないが』
『これは何に使うんだ?ずっと不思議だったんだよな』
『弟にあげてやれ。きっと喜ぶぞ?』
『これはまた今度、俺があげてやるよ』
そんな、きっと言葉にはできなかったであろう、普通の、たわいない言葉が、私の大切なものの、いろんなところに記されていて。
私はなぜか、涙を流していた。
「なによ、、、っ!どうしてくれんのよ!これ!」
私はなぜ泣いているんだろう
「私の大事なものに!」
あいつは悪い奴だったはずなのに
「どうしてくれるのよ!こんなにたくさん書いて、、、っ」
こんな、胸が痛くなる道理なんて、ないはずなのに。
「全部読めっていうの!?出てきてはっきり言えばっ、、、言えばいいじゃない!」
それでも私は泣きじゃくる。
「どうしろっていうのよ、、、。どう読み取れっていうのよ。殴って欲しかったなんて、、、あんな状態で、どうしろって、、、」
どうしろっていうんだ。
こんなに大切なものに、こんなに長い手紙、並べるのだって大変なのに。
読み取るのだって容易じゃないんだよ?
あんたはもういなくて、嬉しいはずなのにさ、言えなくなっちゃったじゃん。
っていうか、今気づいたんだよ。
「どんな大切なものより、、、あんたの方が大切だ、、、なんて、言えなくなっちゃったじゃん、、、ばか」
はい。最初見たときはたまらず飛び起きて
「なんじゃこりゃ!」
と叫んだものです
ありがとうございました。