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バス内にて

私達は、荷物をバスに入れて座席を確認した後で、昇降口で仲のいい友達と集まる。

「楽しみだね」

「本当だよ由美!」

何だか急にテンションが上がってきた。

「帰ったら、計算部立ち上げるよ!」

「僕、それより物理部がいいな。顧問はそうだな安代先生とか清原先生とかがいいな」

あそこで話しているのは、花田と加藤くん。彼らは数学が得意。花田の方は計算が本当に速い。ただ、図形問題が苦手らしいよ。加藤くんは、天才。理系文系体育系何でも来い。しかも紳士。ただ、尾瀬によると彼は非常に腹黒らしいよ。ちなみに、この人は私(理系友達として)大好きです! これは鹿島ちゃんから(ネタで)いじられる話。

そうそう、鹿島ちゃんっていうのは、私の所属している部活、美術部での、友達で。わりかしクールで、頭がいい。前の定期テストでは、クラス2位だったらしい。(ちなみに一位は加藤くん)ゲーマーで、好きなものはラノベ。でも、ゲーマーって言うと全力で否定される。だいたいは私のツッコミ役だ。そんな彼女と私の共通の趣味は、ぽよぽよという某落ちものパズルゲームと理系友達というところ。

「ねえ夜琴、今日の夜は、思いっきりはしゃぎ回ろう!」

「そうだね。まくら投げとか…たのしみだよ、由美!」

そういえば、まだ由美の紹介をしていなかった…あれ、誰に紹介してるんだ?

兎も角、説明すると、由美は私の親友。これは何回も言ったけど。一緒の小学校で育った親友。由美とは五年生の時に知り合ったんだ。最初は、由美のことただの先生に良く怒られる子だって印象だったんだけど。由美は、彼女は、私を助けてくれた。私を、救ってくれた。でもまあ、やっぱり先生に良く怒られる子だけど。あの子だけが私の光だった。そのあとで話を聞いたら、私と仲良くなりたかったんだって。あの時、教室の隅っこで、周りの人全てを無表情で睨みつけていた私と、仲良くなりたかったんだって。本当に変わってて、そしてとんでもなく優しい人だった。それからずっと仲良くしていたんだ。

なにシリアスな話をしてるんだろ、恥ずかしい。そんなことを考えながら、由美と話していたら、先生が出発の時刻だと告げた。



「はい、南野中等教育学校、3年D組のみなさん。おはようございます。この4号車を担当させて頂く、平田と申します。皆さん修学旅行を楽しんで下さいね」

バスが出発して10分。とても美人なバスガイドさんが声をかけた。後ろの男子がなんか騒いでいる。うん何だか楽しく思えてきた。

「カラオケやりましょう」

カラオケ大好きな派手めな女子が言い出す。カラオケかあ、なんかいい感じ。そして、流れてきたのは

「あんなこっといいな、こんなこっといいなふぃしぎなポケットんでかんなえってくれるぅ〜」

ずこぉー! いやいや、青たぬきの歌かよ。誰が歌っていたのかというと…あれ、バスガイドさん。え、え? ええええええええええええええええええええええええええええ!?バスガイドさんなにやってんの。

「夜琴、あれ、残念な美人の典型でいいんだよね」

「うん。由美って、そういうこと知らないかと思ったんだけど」

「パソコンやり始めたから」

「そういやそう言ってたね」

バスガイドさんの歌が終わったら、

『さあ、さあ狂ったようにおっどりまっしょー』

某音声合成ボーカルの『脳漿(ry』だ。歌っているのは高林。最近替え歌に自分の名前が出ていて興奮しているとか。もう一人の方は…良かった。安代先生じゃなくて安心した。花田だった。でもこの曲歌うんなら女の子で聞かせて欲しかった。さすがにこの曲の他のシリーズで男の子が出てくるものは歌わないだろうと半分信じて半分もっとやれと思った。この曲だけでもまずいのはわかっている。担任が安代先生で助かった気がするよ。次は某アキバのアイドル。その次は某男性グループの…次は某柑橘類が名前の…あと緑を英語にしてEを余計につけ…あれ、なんか眠い。








気がつけば、私、夕時雨 夜琴は眠りに落ちていた。




















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