表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

修学旅行前夜の事前学習

閲覧ありがとうございます!

 修学旅行が始まる。待ちに待った、修学旅行だ。

 



 私は、夕時雨 夜琴。なんか不思議な名前だけどさ、そこは気にしちゃいけないよ。


私の学校は修学旅行の行き先があまりにもマイナーな所なんだ。なんていうところかというと、「月原村(つきのはらむら)」というところなんだ。あんまりマイナーなので、保護者の11/12が首をかしげたという悲惨さ。いや、酷いもんだ。


そして明日、私はそこへ行く。


ああ、言い忘れた。因みに私は中学3年生。でも、今年が高校受験…というわけじゃあない。実は私が通う南野中等教育学校は、簡単にいえば中高一貫校。厳密には違うらしいけど。全く、ありふれた名前の中学の癖に修学旅行の行き先がマイナーなんて笑える。私は月原村(つきのはらむら)が調べ学習した時に気に入ったからいいのだけど。私の親友の由美は京都が良かったとぶーぶー言ってた気もする。


そうそう、月原村には独特の伝統文化があって、すっごく面白いんだ。月原村にはお寺が一つもなくて、あるのは神社だけ。これが表していることは、要するに仏教徒がいないって事なんだ。仏教が伝わらなかった訳じゃあないんだけど、あまり浸透しなかったらしいの。…なんでかはまだ分からないけど、あっちに着いたら村の人に聞いてみたいなと思う。


ただ、そんな私にもちょっと許せないことがある。三日月飾りのことだ。月原村では三日月飾りと言うお守りのような伝統工芸がある。そのお守りを毎年月原村に言った時に先輩達は体験学習ということで作っていたのに、今年から経費の削減だか何だかで作らなくなった!酷い。特に私なんか由美と一緒に調べ学習で三日月飾りについてばかり調べたのに。


まあ、そんなこと言ったところで何も変わらないのは目に見えてるし。でも校長を恨まずにはいられない。くそーーー、何だよ。そんなことを思いながら、私は荷物をバッグに詰め込んでいた。




準備も終わったので、パソコンを開き三日月飾りについてさらに調べる。これくらいの悪あがきくらい、許してよね。ふん、だ。……あれ、見たことないサイトだ。おかしいな、このページのサイトは全部見た筈なのにな。見るっきゃないか。あ、このサイト当たりだわ。……凄い。あれだけ調べても分からなかった三日月飾りの作られたきっかけみたいなものが載ってる。




三日月飾りは昔から月原村に伝わる御守りである。多くのことが謎であるこの三日月飾りだが、月原村にまつわる、古い神話との関連性が見受けられる。

「月原村には失われた娘がいた。その瞳は七つの色に変化し、髪は濡れた漆黒の、美しい娘だった。その白い首筋にかかっている、金色に輝く三日月を二つ繋げたような飾りのついた首飾りは、何よりもその娘を引き立たせた。娘は片時でさえその首飾りを外すことが無かった。彼女の生まれは誰も知らなかったが、その神聖な雰囲気により何故か自然に巫女に選ばれ、月原村最大の神社に住むようになったという。なお、この神社の名前には諸説あり、確かなものがないのでここには明記しない。」


へえ、月原村の巫女さんが付けてたのが由来、てことか。続きを見てみよう。


「ある時、巫女の首飾りを狙う悪党が現れた。悪党は集団で巫女を襲い、首飾りを奪った。それが巫女とこの村の悲劇の発端だった。巫女は顔を真っ青にして村人たちに対し、首飾りを取り戻して欲しいと訴えたが、村人はたかが首飾りと全く相手にしなかった。しかし、この首飾りはただのものでは無かったのである。この巫女(むすめ)にかけられた呪いを永遠に封じ込めるための物だったのだ。何の呪いであったかは、今では分からない。村人らは、暫く巫女を目にすることがなくなったため、不思議に思い村中を探し回り、神社の中で彼女を見つけた。彼女は、狂ったようにのたうち回っていたようである。不気味に思った村人らは、彼女を巫女から外し、村から追放した様である」


うわー酷いなー。こんなことがあったなんて。これが三日月飾りの由来か。うん、ちょっと怖い。まあでも、いいこと知った。って、あ、もう9時だ。早く寝ろって言われたし寝るかな。


私は布団を被って寝ることにした。

この神話が後々大切になってくることも知らずにね。




こちらは私の夢を大改造してみたお話。閲覧ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ