作品紹介
この作品はフィクションであり、登場する人物、地名、制度、年号などは全て事実と違っているので、悪しからず。(^_^)
タイトル:「世界制覇をキミに」
この作品は現代の「縦横家」の活躍を描いたもので、特徴は世界を股にかけるデカイ話であるのにも関わらず、場面構成が演劇や舞台を意識したものである事だ。
縦横家は紀元前400年頃の中国戦国時代に於ける、特異なセールスマンだ。顧客は各国の王であり、商品は国家戦略だ。彼らは舌先三寸と大戦略、そして謀略と度胸を以て各国の王を操った。その目的は中国の統一と自分の立身出世だ。
縦横家は過去の存在ではない。現代に於いても健在であり、アメリカ合衆国をイラク戦争に導いた「ネオコン」と呼ばれる党派の一部はまさにこれだ。
この作品のヒロインである、若く美しい女性縦横家バレッタはアメリカ合衆国(作品中ではアイギス連邦と呼称。以下、同様)による世界制覇を目論む。
先ずは謀略を以って合衆国の中枢に入り込み、大統領の信頼を勝ちとる。一見奇抜な彼女の「就職活動」と説得力有る弁舌は、バレッタの能力の高さを十分に示す事になる。
彼女は合衆国のライバル、中国(チョンファーレン帝国)を包囲する同盟を結成する為、インド(インドラ帝国)、ロシア(ペートル共和国)、日本(ヤマタイ自治共和国)の指導者を歴訪し、彼らの説得に成功する。たとえ話や歴史を基にした論陣の見事さは、この作品の特徴の最大のものであろう。参考文献の一つである「史記」が生きている。
バレッタは中国包囲同盟の締結に成功するが、合衆国政府内の権力闘争で一時失脚し、更に、同盟政策に反対する合衆国産軍複合体により命を狙われ、搭乗機を空中爆破される。二度の攻撃に於ける「バレッタ親衛隊」の忠誠と自己犠牲は涙無くして読むことが出来ない。この作品の見せ場の一つである。
親衛隊によりバレッタは助かるが、戦略家としての生き方に疑問を持った彼女は政界から退く。だが、暗殺者は容赦なく止めを刺そうと執拗に追う。
その時、目の前に現れた謎の人物の助言により、彼女は世界制覇の目的を悟る。
「人を救えずして、何のための世界制覇か?」
これがこの作品のテーマとなる。欲望を満足させる為の世界制覇ではない。あるべき世界制覇とは何なのか? 戦略と頭脳は何のために使うべきなのかと、読者に問いかける。
バレッタが命を狙われている頃、中国は反撃を開始する。「中国外務省外交戦略部」と云う外交の超エリート集団の一人ジュリオが、中国包囲同盟を破壊する為に世界に飛ぶ。彼の能力はバレッタを軽く凌駕するほどだった。中国包囲同盟の各国を訪ね、弁舌と恫喝でアッと云う間に包囲同盟を崩してしまう。それどころか、中国包囲同盟に参加していた国々を引き入れ、中国を軸とする、米国包囲同盟「東アジア連合」を結成するに到る。ジュリオは「世界三分の計」と云う大戦略を元に同盟を作り出した。
大逆転をした中国だったが、急激な経済発展の一方で中国四千年の伝統である役人汚職の暴政は一段と過激化し、国民の苦悩は募り、各地で暴動が頻発した。合衆国はそこに付け入り、武器を流し込んだ。暴動は武力反乱にエスカレートし、対抗して省政府は大兵力を投入、大量虐殺が発生する事になった。
バレッタは圧政に苦しむ中国国民を救済する事に己の目的を見出す。彼女は暴動に身を投じ、そのカリスマ性と抜群の戦略能力を生かし反乱軍を指揮すると共に、その巧みな弁舌で正規軍をも仲間に加え、首都を攻略、ついに中国政府を倒す。官軍となった反乱軍は諸悪の根源となっている役人腐敗を駆逐し始め、中国に真の夜明けが訪れようとしていた。
新生中国の外務大臣となったバレッタは武力反乱が合衆国の扇動であった事を世界に暴露し、国際世論を逆転する。一方、窮地に陥った合衆国産軍複合体は状況を打開する為、生贄として大統領を自殺させる。JFKに続き、産軍複合体は再び手を汚す事になった。
とある一日、中国外務省外交戦略部のメンバーは宴席を設け、外務大臣バレッタを評する。世界を託すに値する人物は誰かと。衆議は一致した。それはバレッタしかいない。つまり、「世界制覇をキミに」
第一話:2007.04.17 ~ 最終話:2007.06.07
この作品はフィクションであり、登場する人物、地名、制度、年号などは全て事実と違っているので、悪しからず。(^_^)
参考文献:司馬遷 史記(平凡社)
吉川英治文庫 三国志(講談社)
司馬遼太郎 坂の上の雲(文春文庫)
目次
第 1話 「就職活動」
第 2話 「アイギス連邦」
第 3話 「インドラ帝国」
第 4話 「チョンファーレン帝国」
第 5話 「ペートル共和国」
第 6話 「ヤマタイ自治共和国」
第 7話 「チョンファーレン帝国の憂鬱」
第 8話 「チョンファーレン帝国の希望」
第 9話 「チョンファーレン帝国の反撃」
第10話 「ヤマタイ自治共和国の迷走」
第11話 「激突!ペートル共和国」
第12話 「バレッタの失脚」
第13話 「ヤマタイ自治共和国の離反」
第14話 「バレッタの復活」
第15話 「東アジア連合の成立」
第16話 「東アジア連合の戦略」
第17話 「バレッタ暗殺計画」
第18話 「バレッタに死を!」
第19話 「バレッタの失踪」
第20話 「チョンファーレン帝国の暗雲」
第21話 「動乱」
第22話 「動乱2」
第23話 「首都へ」
第24話 「アイギス連邦の失敗」
第25話 「チョンファーレン帝国の栄光」
第26話 「世界制覇をキミに」
おまけ: 解説と名言集




