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第8話 ゲームスタート

 怖いさ俺だって。

 怖くない訳がない。

 マニーの仲間をなんの苦労もなく皆殺しにし、圧倒的な力を持っていたはずの神様さえ、手も足も出なかった。

 今だって、一体ですら俺たちをズタズタにしてしまえそうな悪魔のような奴らを何千と召喚してきたんだ。

 そいつらは俺が凍らせた、が、あいつが圧倒的な力を持っていることには変わりないんだ。

 ・・・・・・ほら、あいつ笑ってやがる。

 普通なら、あんなにいた軍勢を一撃で倒されたんだから、怯えたり、怒り狂ってもいいはずなのに、本当に、心から楽しそうに笑ってやがる。

 俺は、怖いよ。

 あいつの力がじゃなく、あいつの在り方が怖い。

 アレが人間なら、壊れているって表現するところだが、あいつは人間とは別の種族なんだよな。

 ・・・・・・これが、悪魔。

 今確信した、俺たちと悪魔グレアは、絶対に分かり合うことはできないと。

 俺たちにあるのは、どちらかが滅びるまで、戦い続けるだけなのだと。

 だから・・・・・・。

「俺が、ここで終わらせてやる・・・・・・。」

 そう、こいつが唯一自分を倒せると宣言した俺が、ここでこいつを倒す。

 それが本当かどうかなんて関係ない、もし嘘でも、真実にしてみせる。

 それが、俺がマニーにしてやれる、ただ一つのことだ。

「かかってこいよ、悪魔・・・・・・!」

 だから、安心して寝ていろよ二人とも、起きたときには、俺の大活躍を話して聞かせてやるからな!





「残念だけど、君は一つ勘違いをしているよ?」

「・・・・・・何だ?」

 手を上に向け顔を横に振り、呆れたのポーズをするグレア。

 ・・・・・・ぐっ、むかつく。

「そもそも、僕が居なくなったら誰がこの世界を元に戻すのさ?」

 はあ?

「お前を倒せば、全てが元どおりになるんじゃないのか・・・・・・?」

「そんなわけないじゃん。あいつらは殺しちゃったの。命を元に戻すのは大変なんだよ?」

「じゃあ、どうするんだよ!戻してやるってマニーに告げた、あの言葉が嘘だったのか!」

「違うよ、戻す方法は存在する。たった一つだけね。」





 あいつが、凍りついた悪魔の軍勢を避けながらゆっくりとこちらに近づいてくる。

「ウザイなこいつら。」

 グレアは突然立ち止まると、背中に左手をまわし・・・・・・

「うお!?」

 そして、その手にはいつの間にか巨大な鉈が握られていた。

 長さは2、3mはあるだろうか、ゴツゴツとしたフォルムで、見た目が幼い子供のグレアが持つと、猟奇的なイメージを喚起される。

 こいつ・・・・・・何する気だ?

 何が起きても対処できるように、カナンの両腕をグレアに向ける。

「大丈夫だよ、ゴミ掃除するだけだから。」

 そう言って、グレアが微笑んだ瞬間・・・・・・

 ブンっと風の音が鳴り、ガシャーンとガラスが割るような音を残しながら凍りついていた悪魔の軍勢が崩れさった。

 全ての悪魔が、一斉に。

 見ると、左手が真横に振られている。

「マジ、かよ・・・。」

 俺には、攻撃の瞬間が全く見えなかった。

 今のが俺に向けられていたら、死んでいたかもしれない・・・・・・。

「綺麗に片付いたね。」

 あいつは笑顔で、パキパキと音を鳴らしながら近づいてくる。

 仲間の、死体を踏みながら。

 ・・・・・・やっぱり、どんな姿でもこいつは悪魔なんだ。

 唾を飲み込みながら、俺は改めて自分に言い聞かせた。




「話が脱線しちゃったけど、生き返らせる方法はあるんだよ。」

 俺は、一瞬たりとも警戒を解かないように注意しながら、あいつの言葉を聴き続ける。

「その方法はね、神様を煉獄から救い出すこと。」

 あいつは、俺の目の前で立ち止まり、喋り続ける。

「<<命の輪廻>>を司るウロボロスを<<煉獄>>から解き放てば、死んだ奴らを生き返らせることができる。」

 ウロボロス・・・・・・マニーの記憶にいた尾がなくてその代わりに頭が付いている蛇か。

「そう、それだよ。」

 チッ・・・・・・心を読まれるのはいい気分じゃないな。

「ごめんごめん。でも、意識しなくても聞こえてきちゃうんだ。・・・・・・兎に角、ウロボロスを解き放てば元通りに出来るよ。」

「その方法は・・・・・・?」

「各地の神様を復活させること。」

 ・・・・・・はあ?

「神様はお前が殺して回ったんだろ。」

 マニーの記憶ではそうだったはずだ、人間を騙して操ったこいつが、世界の神様を殺して回っているのを俺は見た。

「神は基本的に不死の存在だよ。だから、封印するしかなかったんだ。」

「不死なのは、ウロボロスだけじゃないのか?」

「神様達はね、独自のネットワークみたいなものを持ってるんだ。お互いの能力を好きに使うことができるんだよ。ただ、自分の能力からかけ離れている能力だと、うまく使うことは出来ないんだけどね。全員ウロボロスの力をシェアしているから、不死の能力を持っているの。」





 ええと、つまり・・・・・・くそ、俺の頭じゃよくわからん。

「ま、皆死なないって考えればいいよ・・・・・・。」

「なるほど。」

 何か、グレアが呆れているような・・・・・・?

「こいつの記憶から言葉を選んでわかりやすいように説明してやってるのに、何でわからないんだよ・・・・・・。自分で思っている通り、本当に馬鹿なんだな。」

「何か言ったか?」

 ボソボソ喋るから聞こえないんだが。

「何も言ってないよ。」

 気を取り直したグレアが続ける。

「各地に、神の封印をした後、僕が作った神殿がある。そこには、僕の強力な部下たちがいるんだ。封印を解く鍵は、そいつらが持っているんだよ。だから、そいつらを倒して鍵を奪ってよ。」

「待て、つまり、お前らが倒してきた全ての神の封印を解けってことか?そんなの、何年かかるかもわからないぞ。」

 マニーの記憶では、何千年も前から戦ってたはずだ、何体いるのか知らないが、十や二十ってことはないだろう、何百もいるはずだ。

 ちなみに、VRMMO<<神罰>>では、合計で五百体位の神様、つまりボスがいた。

 そのうち、三年で俺たちが倒したボスは三十体。

 残りは、世界中のユーザーが倒したってことだ。

 それら全ての封印を解けっていってるのかこいつは?




「いやいや、ウロボロスを煉獄から解き放つためだけの神様を復活させるだけでいいよ。それができたら、僕は大人しく負けを認めて、その他の神様の封印を解こうじゃないか。」

「・・・・・・その数は?」

「空間の神<<スペイス>>、時間の神<<タイム>>、重力の神<<グラビテ>>、そして、運命の女神<<フォーチュン>>。この四体だよ。」

「・・・・・・こいつらを助ければ、この世界を元に戻すんだな?」

「うん!」

 だが、そこまでする必要はあるのか?

 今ここでこいつを倒せば、全て解決するんじゃ・・・・・・。

「あ、僕に危害を加えたら、その時点で封印の鍵を持った悪魔は居なくなるからね。」

 ・・・・・・クソっ、読まれてやがったか。

「これはゲームだよ。君たちが力尽きて死ぬか、それとも僕が負けるか。勝負しようよ!」

「俺たちが賭けるのが命なのに、お前が賭けるものが少ない気がするけどな。・・・・・・だが、いいぜ?このゲーム、乗ってやる。どの道、これしか選択肢はないんだろう?」

「よかったー!これでもまだ嫌がるようなら、猫耳の子を殺しちゃうところだったよー!」

 気づいてたさ、お前がロコンを殺そうとしていることくらい。

「だがな、全てが終わったら、次はお前が死ぬ番だ。俺と勝負しろ。」

 ここまで俺の大切な仲間を危険な目に合わせたんだ、それなりの覚悟はできてるんだろうな・・・・・・!?

 俺は今、最高に怒ってるんだ。

 知らなかったぜ、人間って、極限まで怒ると、逆に冷静になるんだな。

 これは、牙だ。

「この怒りが、いつかお前の喉を貫き、食い破る・・・・・・!」

 グレアは、その言葉を聞くと、とても嬉しそうに笑い、

「君が来てくれてよかった。流石、あの神に気に入られた男だね。」

 などと、訳の分からないことを口走り、

「じゃあね。また会う時を楽しみにしてるよ!その時まで、死なないように頑張って!」

 といいながら、ふわりとそれに浮かんだ。

「待てコラ!さっきのはどういう意味だ!俺が神に気に入られているって!?」

「秘密だよ!あ、それと、封印された神の場所はマニーが知ってると思うよ!じゃあねー!」

 と、瞬きする間に何処かへ飛び去ってしまった。




「何なんだよ・・・・・・。」

 後に残されたのは、未だ眠っている二人と、呆然と立ち尽くす俺だけだった・・・・・・。

今回は会話回です。そして、やっと、神代達の旅が始まります。長かったですね、前振りが。

後、神様たちのネーミングが酷い件について。何も言わないでください。これでも何時間も悩んだんです(´;ω;`)

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