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第7話 『グレア』の悩み

 



 ✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩ 


 本当につまらない。

 僕が生まれてから長い時が過ぎたけど、今までこの感情が消えたことはない。

 <<退屈>>、これは全ての悪魔が常に抱えている生命の危機、爆弾だ。

 何もすることがないなら生きていてもしかたがないもん、昨日まで元気だったヤツが次の日には自殺してるなんて、悪魔の世界ではよくある話さ。

 僕達には、寿命という概念が存在しない、と思う。

 まあ、わからないんだけどね、だって、寿命で死ぬやつなんて今までいなかったし。

 ある程度の年月を生きると、退屈すぎて自殺しちゃうからさ。

 普通の生物よりも遥かに長い時を生きるんだから、仕方ないかもしれないんだけど、でも、僕達と同じなのに、僕達とは根本的に違う連中がいるんだよ。

 それが、神様。

 あいつらにも寿命が存在しない、そもそも、この世界の始まりから誰一人として変わっていないらしいんだ。

 でも、それならヤツラは自殺もしていないってことで・・・なら、僕達とヤツラの違いって何だろう?

 何でヤツラは、退屈という最凶の毒に負けないで、生きていられるんだろう・・・?

 僕は、死ぬのが怖い。

 明日にでも突然自分の命を絶ってしまうかもしれない、この退屈が怖い。

 だから、確かめたかったんだ。

 神様って種族は、僕達とは何が違うのかって。

 




 僕は、確かめて見ることにした。

 始まりは、大体二千年くらい昔かな、僕の力を受け入れられる素質を持った人間に、力を与えた。

 力を与えたって言っても、僕がしたのは<<力の種>>を人間に植え付けただけ。

 力の種は、宿主の資質によっていろんな力を発現させる。

 その結果、どうなるかは僕にもわからないんだ。

 そして、超人となった彼らに、僕はこう言ったんだ。

 この世界の悪魔を、倒してくれって。

 馬鹿な人間は、自分達に力をくれた僕を神様、その敵が悪魔だと勘違いした(まあ、僕が少し認識阻害の魔法をかけたんだけどね)。

 それから、僕は人間を率いて、長い年月をかけて世界中を回り、神様達と会話をしようとした。

 だって、悪魔である僕だけで行っても、口も利いてくれないに決まってるんだもん。

 だから、人間を人質にして、あいつらと会話をしようと思ったんだ。

 僕の質問に答えないなら、こいつら全員殺しちゃうよ?ってね。



 

 結果から言えば、全くの期待はずれだった。

 どの神に聞いても、私は退屈していないの一点張りなんだもん。

 何で!?僕達悪魔よりも遥かに長い年月を生きているくせに、何で退屈しないんだよ!?

 僕のこの問いに、答えてくれるやつはいなかったよ。

 ムカついたから、人間に殺させてやったけど。

 あいつら、人間には手を出さないって決めてるらしい、振り払ったり追い返そうとしたりするだけで、結局一人も殺さなかった。

 人間には、長い時間をかけて僕こそが神様だって刷り込んであるから、神が何を言おうとも聞く耳持たなかったしね。

 その結果自分が死ぬんじゃ、全く意味無いだろう。

 



 結論、退屈を紛らわす方法は見つからなかった。

 このままじゃ、僕はいつか自殺するんだろう。

 そんなのは嫌だ、そんな意味の無い死に方なんて、真っ平御免だ!

 だから、僕は考え方を変えることにした。

 <<退屈しないほど、毎日ワクワクすればいい>>。

 それが出来ないから今までの悪魔は死んでいったのに、このときの僕は焦りからか、どうかしていたんだろうね、やれるはずって思い込んでさ。

 で、結局何も出来ないうちに年月は過ぎ、ウロボロスとの直接対決に陥った。

 流石に、人間の力だけでは ウロボロス は倒せないだろう、だから、僕が手伝ってやるって、それだけのつもりだったんだけどね。

 



 僕の力には、悪魔の中でも珍しく、そして、凶悪な副作用がある。

 しばらく力を使っていなかったし、気にしたことも無かったから、うん、副作用のこと、すっかり忘れてたんだよね。

 そのせいで、駒として使っていた人間を全員殺しちゃった時は、流石に焦ったよ(結局、一人生きていたんだけど)。

 僕に答えをくれなかった神様連中の最後の一人を倒すってだけで、頭がいっぱいになっちゃって・・・かなり悪い笑みも浮かべていたみたいだし。

 あそこにいた、えっと・・・マニーだっけ?彼女が怯えるのを見るのが面白くて、ついつい驚かしちゃた。

 うん、どうやら僕は、弱いものを虐めるのが好きらしい、久しぶりに楽しいって思ったよ。

 でも、男の子としては、神様達が思ったよりも弱すぎて、戦った気がしないんだよなー・・・。

 不完全燃焼っていうか・・・もう少し骨のあるのと戦って見たい。

 でも、僕の力的に、互角に戦えるやつって限られてるし・・・・・そうだ!この女に捜させよう!って思った(このときの僕は興奮でどうかしていたらしいね)。

 



 うん、全く期待していなかったのに、この男、結構やるじゃん!

 何か腕が変化したけど、これがアイツの特性なのかなー?

 白い毛がモコモコと生えて、三本の鋭い爪が伸びてるけど、たしかアレは、カナンって神様の腕だっけ?

 でも、それにしては短いな、あいつの腕は、十メートルを軽く越していたはずなんだけど・・・扱いやすいように、短くしているのかもしれない。

 でも、アレがもし、カナンと同じ能力を有しているなら、アイツは本当に、僕と互角に戦える人間かもしれない。

 僕は、やっと、本気で戦うことが出来るのかもしれない・・・・・。



 ✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩ 


 

「ああああああああああああああ!」

 ここでいいものを出さなければ、俺達に明日は来ない!

 この数の敵を相手にするのは初めてだが、一匹の取り逃がしも許されない!

 なぜなら、俺の後ろには眠らされて動けないロコンとマニーが居るからだ。

 俺が失敗すれば、俺を信じてくれる、俺の大切な仲間が傷つき、命を落とすからだ!

 俺の願いが通じたのか、俺の両手は白熊のように白い毛に覆われ、鋭い爪が三本伸びたものに変化していた。

「これは・・・!」

 そしてその瞬間、俺は悟る。

 これは、カナンの両手、全てを終わらせる、終焉の風を吹かせる神の腕なのだと。

 


 

 無神の変化技は、変化した時点でその部位にどのような能力があり、何が弱点なのかを教えてくれる。

 まるで長年連れ添った相棒のように、どう使えば最大の力が生み出せるのかを、俺は既に知っている。

 もっとも、今の場合はどう使うかなど迷う必要もなかったが。 

 両手を前に突き出し、一言言えばいい。

「コキュートス。」

 地獄において最下層に流れているとされる川、全てを凍りつかせる、死の川が悪魔軍団に襲い掛かった。

 一瞬、本当に一瞬だった。

 気が付いたときには、俺の目の前だけが白い、氷の世界になっていた。

 凍りつく瞬間すら、俺には見えなかった。

「す、すげえ・・・。」

 長年(三年だけだが)この力を使ってきたが、こんな凄い力が出たのは初めてかもしれない。

 神の部位に変化して戦ったことはある、が・・・ここまでの威力は、もちろんボスでさえも出したことが無かった。

 これが・・・これがVRMMOと、本当の異世界との違いなのか・・・・・・・?




「凄いよ!」

 呆けていた頭を再起動し、声の主に向き直る。

 そうだ、まだこいつがいるんだった。

 全ての元凶・・・

「次はお前の番だぜ、グレア。」

ええと、すみませんね。今回の戦闘一瞬で終わっちゃいました・・・。いや、戦闘とすら言えなかったかも。


新作小説投稿しました。軍人高校の秦の話~キミを守るために俺はいる~

空想科学と魔法の世界のお話です。よろしければこちらもご覧ください。


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