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第10話 夢

 ザク、ザク、ザクと音を立てながら荒野を歩き続ける。

 ああ、またこの夢か・・・と、俺は半ば諦めて夢を見続ける。

 ザク、ザク、ザク、ザク・・・・・・俺の足は止まることが無い。

 俺の姿を第三者視点で見るのは凄く変な気分になるものだ・・・・・・何というか、むず痒い。

 夢の中の俺の顔はやつれている。

 服は、恐らく黒いコート、いや、あれはローブか・・・・・・? 既に相当使い古しているようで、服の形を保っているのが不思議なくらいにボロボロだ。

 だが、そんな身なりをしていても、足取りはしっかりしている。

 目がギラギラ輝いていて、俺にはやるべきことがあるんだと伝えてくる。

「・・・・・・お前は、一体何をやっているんだ・・・・・・?」

 俺は、無駄と知りつつも夢の中の俺に質問を投げかける。

「・・・・・・。」

 ・・・・・・当然、返事があるはずはないんだがな、今まで何度も何度もこの夢を見てきて、返答があった試しなどない。

 いつも、ここでこの夢は終わってしまうんだ。

おまえも、既に分かりかけているはずだろう・・・・・・?俺が、お前がやるべきことを。』

「・・・・・・!?」

 だから、俺が俺の方向を向いて返事をしてきたのには驚いた。

『お前は、やらなくちゃいけない。お前の為に。あいつの為に。みんなの為に。』

 そう呟いて、また歩き出す夢の中の俺。

「待って、待ってくれ!俺は、俺はどうすればいいんだよ!どうすれば、あいつらを守れる!?」

 自分の夢で質問だなんて馬鹿げてる、そう思う心とは別に、これは唯の夢じゃないと確信している心も俺の中にあって、混乱しながら、俺は答えを待った。

『知らねえよ・・・・・・。唯、一つアドバイスするなら、そうだな、先ずは南に行け。』

「南へ・・・・・・?」

『俺の武器は今も昔もたった一つだろうが。今更そこから離れようとしてどうするんだよ。中途半端になるよりは、そのたった一つを極めろ。』

「わかった。そのために南へ行けばいいんだな?」

 もう何も言うことはないとばかりに歩き始める夢の中の俺。

「・・・・・・ありがとな。」

 意識がフッと上に持ち上がる感覚。

 ああ、夢が終わるんだな、と俺は悟った。

 ・・・・・・

 ・・・・・

 ・・・

『・・・・・・全く、俺は本当に、変わらず馬鹿だな・・・・・・。』

 などと遠くなっていく荒れた大地の上で自嘲する男の声を聴きながら、俺の意識は闇へと包まれた。




「う、あー・・・・・・。」

 何だ、柔らかいモノが頭の下にある・・・・・・?

「あ、おはよ。よく眠れた・・・・・・?」

「え、あ、え・・・・・・!?」

 ・・・・・・え、何でロコンの顔がこんなに近くにあるんだ!?

「ふふふ、私の膝枕はどうだった?気持ちよかったかな?」

 顔を赤くしながらも笑いかけてくる彼女。

「あ、ああ。ありがと。」

 と、なんとか返事を返すことが出来た。

 そして、いそいそと膝の上から頭を起こして二人して地面の上に正座し対面する。

 本当はもっと何か言うべきなんだろうけど、これ以上何か言おうとすると緊張して噛むかも・・・・・・。

「あ、神代さん、起きたんですね!」

 そんな俺の前に救世主登場。

「お、おう!お前たちも無事だったか!」

 マニーが随分遠くから声をかけてきた。

 まだ豆粒みたいにしか見えないのに、よくここまで聞こえるな・・・・・・。

 そのまま凄い速さで俺たちのところまで走って来た。

「無事でよかったです!」

「それはこっちの台詞だって。お前らが無事で本当によかった・・・・・・。」

 いかん、これ以上さっきのことを思い出すとまた泣きそうだ。

 この二人にはみっともないところを見せただろうし、我慢しないと。

「こっちは、その、状況はわかってます。」

 マニーがチラチラと俺の顔を伺いながら話す。

「失礼だとは思ったんですが、私たちが寝ている間に神代さんに何かがあったんだと判断しまして、その、記憶を・・・・・・。」

 つまり、マニーの記憶を見た時と同じように、俺の記憶も見たってことか。

 それを謝ろうとしてるんだな。

「ごめんなさい。誤ってすむ問題じゃないかもしれません。この術は一定期間の記憶を切り取って読み取るので、あなたの最近の記憶まで一緒に・・・・・・。」

「私も、ごめんなさい。一緒に見たの。」

 二人して深く頭を下げられても、困るんだが・・・・・・。

「気にしないでくれよ。そもそも、お前らを不安にさせたのは俺だ。あんなに泣いて、挙句に説明もしないで寝ちまったら、誰だって何かあったと思うさ。大した記憶じゃないし、別に怒ってないって。」

 そうだ、これは、俺が悪い。

 もう二度と、こいつらを不安にさせないようにするんだ。

 仲間である俺が、こいつらに罪悪感抱かせてどうするんだよ!

「それに、わかってるなら話は早い。今度の方針について話をしたいしな。」

 まだ納得できないのか、二人は頭を下げたままだから、話題転換で強引にでも上げさせることにする。

「南へ行こう。」

時間が無い・・・・・・orz

もしかしたら、この話も含めて近いうちに手直しするかもしれません。

大丈夫でしょうか・・・?


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