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第5話 授業と操縦と気になる生徒

他のヒロインたちもそれぞれゲームと同じクラスになっていることが判明した。

それからしらばくして、各クラスで授業に出席しない生徒が増えたそうだ。

一部の生徒は、突如退学していったという話である。

全体から見れば少数と言っていいレベルではあるが、教師たちはなぜそうなったのか全く理由がわからず一時困惑していたそうだ。

過去に事例のないこと故に色々と議論されたが、結局生徒たちの考えを理解することができずそのまま去っていくのを見送ったそうだ。



なお、それらの生徒は全員「男子生徒」だった。

もうわかるよな?全員あのゲームの記憶を持っていた「転生者」だったわけだ。

自分たちの思いヒロインと結ばれるという希望が潰えたので気力がなくなったのだろう。

俺は、起動鎧を動かせるってのでモチベーションが維持できるからな。

あの人と・・・という気持ちがなかったわけではないが、叶わぬことと分かったのならこっちに全力するだけだ。





その前に立ちはだかったのが2枚の壁であった。




1枚目。


「よし!本日は起動鎧を実際に動かく練習を行う!」

授業開始から2週間後の今日、ようやく実際に動かせる日がきたのである!テンション上がるぜ!

これまでは椅子に座って机に向かって本広げてだったからな。

まあ、それで操作方法を覚えていったんだけど。

ようやく実際に動せる日が来たってわけだ。

「今日は初だからな。まずは『起動』と『起立』、そして『歩行』を行ってもらう!授業を聞いていたのなら問題ないだろうし、まあ操作方法が方法だからな。とにかくあまり色々と考えずに今言ったことだけを考えて操作に当たれ!」


起動鎧。乗り手が搭乗席にある操作球に触れることで乗り手よりマナを吸収。

それを全体に行きわたらせて動く鎧である。

また、搭乗者が頭に「どう動きたいか?」をイメージすることによってそれに合わせて動くようになる。

色々と考えて動かそうとすると「どう動けばいいのか」の最適解を見つけれずに止まってしまうのである。

「自分が体を動かす」ように動かせる一方、「どう動かすのが今一番いいのか」がわからないとまともに動けない代物である。


授業開始、案の定立ち上がりはしたがそこからの一歩が出せない生徒が何人かいる。

足を動かさないで、手をばたつかせている生徒もいる。あれは「手を振って歩く」の前部分だけ強調してイメージしているのかもしれないかな。


そんな中俺は・・・可もなく不可もなくって結果だ。

起動と起立はそれなりにスムーズにいけた。だが、歩行が少しもたついた。

「足を動かして歩くイメージ」なのに、操縦席で自分が足を動かして歩こうとしていた。

人間イメージはできても、自分の体を動かそうとしてしまうので案外これは難しいなと。慣れが必要だな。



「よう、底辺!」

1回目が終わって次の順番待ちの待機列に行こうとしたときに声を掛けられた。

振り向くと、1人の男が数人の男を引き連れるように立っていた。

どこか人を見下したような・・・そんな顔をしている。

さて・・・誰だっけか。家名が同じすぎてこんがらがるのが悪い。

「おい。せっかく低レベルのお前ごときに『シップ様』が声を掛けてるんだぞ!さっさと返事をしろ!」

ああ思い出した。シップ・カラー君だ。

なんというか、「不良」という感じのする奴だったから意識から外していたな。

やたらと「自分は選ばれた人間だ」ってのを主張してこようとする相手。最初の挨拶が「真の英雄にいずれ選ばれる俺様の舎弟になりたい奴は歓迎するぜ!」だったかな?大半が呆れてたけど、その大半に含まれない一部が後ろにいる奴らだ。

「おい!いい加減にしろよお前!」

おっと、いけない。

「ああ、ごめん。さっきの操縦のことを考えていて」

「ああ、あの無様な歩行か。見てて笑いそうになったぜ。まあ、他の底辺どもに比べたら少しはマシだっただろうがな!」

このクラスにいる以上、君も底辺だよ?と言ってやりたい。

「それはどうも。それで、何か用かな?」

「ちっ!せっかくこっちから声を掛けてやっったのにその反応、気に入らないな。もういい、お前には興味もわかん」

そう言って、彼は起動鎧のほうに歩いて行った。

「馬鹿な奴だ。せっかくシップ様直々に声を掛けられたってのに。お前はもう、ずっと底辺のままだろうぜ。あの人についていけば、きっと歴史に名を残せる人物になれただろうにな」

「英雄になれたとでも?」

「お前は本当の馬鹿だな。英雄は1人、シップ様だけに決まってるだろうが!」

なれないよ。もう決まっているから。



なお、偉そうに言っていた彼だが俺と似たようなものだったことを追記しておく。他の取り巻きは拍手喝采でおだててたけどな。


そんな中、1人だけ気になる生徒がいた。女生徒だが、初にしては起動鎧の操作が一番うまかった。いや、頭一つ抜けているといってもいい。

可愛い子なんだが・・・なにか引っかかる。




2枚目。


「よし!前にも言ったように、今日は小テストをするぞ!問題範囲も教えてたんだ、まさか予習してなかった奴はいないだろうな!?平均点以下は校庭10週、赤点は30週させるからな!」

みんな大好き(やりたくない)小テスト。

普通に学科授業もあるってことだよ、うん。

もちろん、この世界の歴史を知る意味ではあってもいいと思うしな。

それに、今の学年で受ける内容は初めて知るといった感じになるのだ。

たとえるなら、学園を高校とするなら「中学卒業まで平均点維持していた生徒」くらいの学力は身についている感じ?

この世界のどんな文字でも読めるというわけではないんだよな。ある程度読めるけど。


まあ、そんなわけで前世でも逃げたくなった小テストというものを転生先でも受けないといけないわけである。



なお、俺は普通に平均以上でクリアだ。ギリギリだったがな。

それと、何人かは次の授業日に校庭を走る姿を目撃されることになった。 


ちなみにシップ君と取り巻きたちは、みんな仲良く校庭ランニングだ。

取り巻き1,2,3は早く終わったのだが、シップ君と取り巻き4,5,6,7は追加で走っていた。



満点の生徒も数人いる。数人なのがなんともだが・・・その中に、あの女生徒もいた。



気になる、すごく。





それから俗にいう1学期がおわり2学期・・・。

授業に訓練にといった毎日、忙しいというわけでもないがなれてくるものである。


授業には何とかついていけてるって感じだが、正直国々の歴史と世界史以外はそれほど重要視されていない世界である。

テストもそれら以外は、ほとんど成績に影響を与えないほど。一応、赤点取るなよってくらい。


操縦に関しても皆慣れてきたものである。

今では簡単な動きなら問題なくできるようになっている。

といっても基礎運動を繰り返しやってるのが現状なので、戦うとなるとどうなるのかって感じだな。

俺も、歩いたり走ったり腕を振ったりといった分は問題なくいける。

操縦訓練以外の時間で、マナの向上を目指した訓練もやっていたからか動きが最初に比べて滑らかになってくる。

まあ、プラモにポリキャップがついたってレベルアップだな。


ああ、気にならないだろうけど一応言うと・・・シップ君たちも動きはよくなっている。

というか、態度や口調はあれだし座学授業は寝てばかりだがそれ以外の訓練はしっかり受けている。

だからか、彼のほうがマナ値が高くなってるような気がしなくもない。



まあ、そっちは正直いってどうでもいい。

問題は、例の女生徒だ。

座学授業も好成績、起動鎧の動きもクラスで一番といっていいだろう。正直、武器の扱いも初めていいんじゃないかと思うくらい。


ちなみに、何人かの男子や女子の視線を集めている。

整った容姿に赤いロングヘアー・・・少し白髪も混ざってるな、スタイルもいい。身長は160くらいかな。女生徒の中では高いほうである。



だが、あのゲームを何周もやった俺が断言しよう。

彼女は「モブキャラ」としても登場していないし、もちろんメインとしても登場していない。

そもそもあの会社、あれほどの容姿のキャラをモブで実装などしないだろう。

ファンディスクでも作ってifストーリーのヒロインにしそうである。

だが、あれのファンディスクは発売していない。元々予定がなかったというのが開発者のコメントであったからな。



けれど、俺が気になっているのはそういうことじゃない。


彼女・・・誰かに似ている気がする。

あとモブキャラとしては登場していないと言ったが、「背景としている生徒の中の1人」にいたような気はする。

といってもゲーム内では後ろ姿しかなかったし、会話やセリフの一つもなかった人物としてではある。

主人公と違うクラスだからってものあるが。

だから、そのキャラと同一人物かどうかはわからないが。


なぜ彼女が気になるのかが、自分でもよくわからない。



一度、彼女と話をしてみるかな・・・ナンパと思われそうだけど。




Q、転生したら、いきなりロボットの操縦ができますか?

A、できるほうがおかしい


すぐに操作になれるということはあるでしょうが、いきなり座って動かそうとして上手くいくのかどうかは甚だ疑問なのでこういう展開にしました。

シップくんは、とりあえずこういう性格のキャラがいてもいいじゃないかなと思い。

なお、この女生徒のゲーム内登場は本当に斜め後ろからで表情はあまりわからないように書かれた状態で「〇〇の結婚式」のみ登場してました。


※この会社、ファンディスクは作成予定ありませんでしたが〇〇の予定はあったようです。

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