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第19話 そして始まる最終戦争

俺たちの配置先は中央防衛拠点。

到着早々・・・遠くに巨大建造物が見える。あれがギガフォートレスか。

ここから見てもわかるくらいにでかいとはな。

しかし・・・おかしくないか?


「なんか・・・敵影の数多くない?」

リースの発言に、全員頷く。

「あれが全部敵機だとすると、300くらいはいそうだな」

「おかしいですね・・・これは、他の拠点から部隊を移動してもらうほうがいいかもしれません」

「だね。基地司令に伝えて他の拠点に連絡してもらうよ」

ライムがそう言いながら、指令室に向かう。


しかし、急いで戻ってきた彼女から聞かされた話は予想外のものだった。


「うそ!?他の拠点も同じくらいの影が・・・?」

リースが驚いた顔をするのはめずらしい。

しかし、そうなる理由もわかる。それだと、最初に確認された敵の数が少なかったことになる。

それ以上に気になるのは、敵国にそれだけの数の起動鎧が作られていたという話をつかんでいなかったことになる。

全部となると、数千機ということだが・・・それほどの数が作られているのを掴んでいないなんてありえない。

確かにバルガス帝国は巨大だ。帝国首都を挟んで反対側に隠していたと思われるだろう。

だが、そんな話があったとしたら以前から放っている諜報員が掴んでいてもおかしくない。

その連絡がないということは・・・っ!?

「ライム、至急聞いてきてほしいことがある」

「なに?」

「・・・諜報員からの帝国に関する情報、最終報告がいつだったのかを」



調べてもらった結果、定期報告は来ていたそうだ。最終だと、1週間前。

だが、3年前から微妙に文面が変わっていたことが調べてわかったとのこと。

確定だ。

そのタイミングで諜報員は気づかれて消されたのだろう。

そして、生存していると錯覚させるために偽の情報を流してきていた。

あの起動鎧は、そうして用意されていたのだろうな。

別の問題があるんだが・・・それより、今は目の前に迫ってくる部隊についてだ。



迂闊に部隊移動をさせるわけにはいかない。迎撃準備を進めるしかないだろう。





そうして、いよいよ前線に配置した騎士団が確認できるくらいの位置に迫った時。


「報告!敵影に動きあり!部隊展開を始めております!」

その声に反応して部隊を見ると、確かにギガフォートレスを中央に部隊が移動していっている。

どうやら4機編成5部隊で固まっているようだ。

「こちらも、出撃するよ。前線騎士が戦闘に入る前に合流して、いつでも遊撃に入れるように準備しないと」

ライムがそう言い、俺たちは頷いて動き始める。

ついに開戦か・・・。






俺たちが前線に合流して3日後、ついに敵側に動きがあった。


2部隊が一気にこちら側に向かってきた。

・・・なんで2部隊?敵機体はそこまで強くない。接敵したらあれくらいの数ならすぐに撃破できると思われる。

と思っていたら、次の2部隊がすぐに移動を開始してきた。

そして前線騎士が戦闘を開始したと同時くらいに、次の部隊が向かってくる。


『まさか・・・等間隔で部隊を向けてきている?こちらの消耗を狙っているってこと?』

『リースの言う通りでしょう。・・・起動鎧のマナにも限界があるし、それ以上に騎士の体力のほうが先にもたないかと』

『そうだね。こちらは、接敵している部隊ではなく後方からくる部隊を奇襲するのがよさそうかな』

『・・・そう上手くいかないようだ』

みんなの発言に、俺は別方向を見ながらそう返した。


俺たちとは違う遊撃部隊が同じ考えだったのか、後方から迫る部隊に攻撃を開始しようとした。

だが、敵側の遠距離武装で固めた起動鎧の集中砲撃を受けている。

中央に配置されている部隊が直線でこちらに攻撃をする部隊、その左右に配置されているのが長距離砲撃部隊。

横からの奇襲攻撃をしようにも、あの部隊がある以上難しそうだな。

遠回りすればいけるかもしれないけど、その時間的余裕があるとは思えない。


『以上のことから、遊撃部隊は前線騎士団をすり抜けてくる敵機の撃撃及び、被弾した騎士の援護が仕事になりそうだな』

『ですね。疲弊した騎士と交代する役にも加わる必要がありそうです』

『・・・うん。他の遊撃部隊遠距離担当と一緒に援護攻撃にまわる』

『指揮担当は、その一から戦況を見て指示をだしていくよ』

役割分担は決まった。

あとは、ぶつかるだけだな。





それからは、地獄の始まりだった。

何しろ数だけはどんどんくる。しかも間隔を空けて小出しに。

無傷というわけにはいかない。

俺も盾で防いだり、防いだり、防いだり・・・防ぐだけしかできない悲しみ。

一応、マナ銃を持ってきたんだけど乱戦すぎて使うことができそうもない。味方に当たりそうだ。

『すごいな君。先ほどから見事な盾さばきだ』

傍で戦っていた騎士団員が、息切れなりそうな声で言ってくる。

『ありがとうございます。ところで息が上がっているようですし・・・そろそろ後方部隊と交代しては?』

『へっ。学生ががんばってるのに・・・とはいえ、それで下手うつとまずいしな。後方にいかせてもらう』

そう言いながら、少しずつ後退していく。

『ダイス、まずい状況です。帝国側に動きが。見える範囲予想では・・・侵攻部隊数が増えそうです』

『うわぁ・・・って言いたくなる状況。そちらの機体状況は?』

『右腕に違和感がありますね。もう少しいけそうですが・・・それほど長くは無理かと』

まあ、ユフィは俺以上に前線に立ってるし仕方がない。

しかし敵の数減らないな。

どうなってるんだか・・・と思いつつ近くで倒れている帝国機を見る。

うん?・・・あれ?・・・ああ、そういうことか。

『ユフィ。後方に下がった時に報告してほしいことが』

『なんでしょうか?何か作戦が?』

『いや・・・どちらかというと絶望的状況がわかったって報告』

『どういうことですか?』


『帝国機、無人だ』

『本当ですか!?』

『傍に倒れている機体を見て。胴体、ちょうど乗り込む位置』

『・・・確かに、何やら機械が詰め込まれているような』

『多分だけど、ギガフォートレスから魔力を飛ばしてあらかじめ決めていた動作をするようにしていたんじゃないかな』

『そんなことが・・・わかりました。伝えておきます。しかし、全部がそうなのでしょうか?』

『もしかしたら違うかもしれないが、ほとんどがこれだとすれば違和感の正体がわかった感じではあるかな』

そう、俺が気になっていた疑問が解消された。

数千機を用意できたとしても、搭乗する騎士の数が足りないだろうということだ。

だが、これならばその問題を解消できる。


しかし、気になるのはこの技術を帝国がどうやって気づいたのかということだ。

ユフィの驚き方からすると、王国のほうでは研究されていない。




と言っても、現状だとこの敵攻勢をしのぐことしか考えてる余裕がなさそうだ。




そして、次の交代で後方に下がった時・・・俺はさらに絶望的状況を知ることになった。



侵攻作戦決めたけど人手足りん→徴用してもすぐに使えるわけがない


ということで、育成機関そっちのけで考えられたのが「簡単な動作しかできないけど無人にして運用」である。


王国で考案されていない技術を、帝国がなぜ知っていたのか。

1話挟んで明かします。

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