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第18話 秘密兵器、そして最終作戦発動

「調査の結果、帝国の大部隊が侵攻準備をしていたとのことです」

バルガス帝国の偵察に送っていた部隊からの報告が入った。

それにより緊急会議をすることになったのだが・・・なぜか俺たちも一緒に参加することに。

何でだろうと思っていたら、ライムが理由だった。

そういえば、彼女の父親が騎士団のお偉いさんだった。


「報告でわかったことは、敵は広範囲にわたって派兵しようとしていること。

それぞれの部隊に、大型の移動装甲車が随伴している。特に中央に配置されているのが通常の2倍くらいあったと」

騎士団長の言葉に少し考えた後、英雄セイルが発言する。

「・・・おそらく、それは敵の中枢施設の一つ『ギガフォートレス』だろう」

「なんだそれ?」

「・・・秘密ルートで得た情報なのだが、敵の「ある部隊」を指揮するためのものだそうだ。それが何かはわからないのだが。また、他の指揮装甲車と連絡を取り合う装置を積んでいるとのこと」

「えらい詳しいが・・・その情報の信憑性は?」

セイルが回答に悩んでいると、横にいた第二王女が挙手をした。

「信憑性より、敵の移動がいつ起こるかわからない以上はそれを踏まえて作戦を立てるのがいいのではないでしょうか?」

「確かに・・・『そうではない』より『そうである』と仮定して作戦を立てておくほうがいいかもしれませんか」

その言葉に、少しセイルはほっとした顔をしていた。


まあ、今の情報・・・ゲーム内での情報だもんな。


「現状の情報だけで、どう敵の行動を予想するかだが・・・何かないだろうか?」

騎士団長の言葉に、全員考える。

敵のこの行動は、正直言ってゲーム内にはなかった。

どこかで歴史が変わった影響なのか・・・それともこれがこの世界の本来の流れなのか。

情報がもう少し欲しいな。

そう思って挙手をする。

「申し訳ございません。いくつか追加でわかっていたら教えてほしい情報があります」

「いいだろう。こちらで掴んでいる情報で当てはまるのがあれば回答しよう」

英雄殿がうなずいてくれた。


「ギガフォートレスというのと通信できる装甲指揮車の数はわかりますか?」

「恐らくとつくが、10機前後と思われるそうだ」

「敵起動鎧のおおよその数は?」

「1000機ほどは確認できたと」

「すごい数だが・・・おそらくそれ以上あるんでしょうね」

「そう、予想している」

「つまり、指揮車一つにつき100機以上が随伴していると。・・・施設でも襲うのか?」

そう漏らした声に反応したのが、数名いた。

「施設・・・10数機・・・そうですか」

アーリア第二王女がそう漏らした声に、騎士団長がうなずく。

「恐らくそれぞれの指揮車と随伴部隊で、前線補給基地それぞれに攻撃をかけるのではないかと」

「ギガフォートレスは恐らく、中央防衛拠点攻撃用かと思われますね」

ユフィがそう追加する。

なるほど。

物量に任せた全面攻撃か。



「なるほど。・・・となると」

「こちらは、すべての基地に防衛部隊を派遣する必要がある・・・ということですね」

騎士団長とアーリア第二王女がそう言っているが、セイルは少し考えている。

「・・・英雄殿は、なにか別の考えが?」

騎士団長がそう言うと・・・少し間を空けて彼は顔を上げた。


「ただ守るだけでは駄目だと思われる。こちらからも攻撃をする必要があると」

「それは・・・無茶というものだ。こちらにそれだけの敵に対抗できる部隊はないぞ」

「それはわかっている。だが・・・俺の勘でしかないのだが、ギガフォートレスだけは何とかしないといけないと思う」

「ではどうする?」

「拠点の防衛は、新設した防衛部隊のみで。メインは正騎士団。5部隊20人、これを3つ編成。

2部隊で敵部隊に攻撃を行います。残り1部隊は、疲労した騎士との交代要員として運用」

「・・・続けて」

「先だって編成していた特殊遊撃部隊、こちらを2部隊で一つとして運用。正騎士団の補助攻撃部隊とします。

また、残った遊撃部隊に関しても補充部隊として。それぞれの部隊の攻撃目標は、敵指揮車の撃破とします」

「部隊運用としては、わが国の騎士数を考えると可能かとは思える。含まれない部隊に関しては?」

「指揮車撃破後、敵が一時的に混乱すると思われます。残りの部隊は、そうなったときに一気に前線に投入。敵に降伏を勧告します」

「ふむ。敵部隊が基地攻撃とするならば・・・その間をすり抜けてという可能性は?」

「それを防ぐのが、基地に配置した防衛部隊の仕事というわけです」

一気に説明を終えた英雄。

こちらの騎士数を考えたうえで、恐らく最善と思われるかな。



「質問」

ずっと黙っていたリースが挙手。

「我々が前線に出ている間、英雄はどうするのか?」

その質問に、彼は真っすぐ見て答えを返した。

「俺と、俺についてきてくれる意思を示してくれた彼女たちで・・・もう一つの重要拠点を破壊しにいく」

迷いなく、彼はそう回答した。

もう一つの重要拠点。

いや、どちらかというと重要人物だな。

帝国首都の傍にある、敵騎士団本部。

2国の戦争を推進している、その筆頭たる人物。

バルガス帝国総指揮官ガルー。



ここで、ゲーム内でのこの人物の情報を教えよう。

こいつは総指揮官という地位にいるが・・・ぶっちゃけ「腰抜け」である。

自らは前線には絶対でてこない。後ろの安全地帯から指示だけだす男である。

さらにその指示も杜撰なもの。

正直、指揮官なんて地位につけるような男ではない。

ではなぜその地位にいるのか?

前指揮官は優秀だった。それこそ、王国の一部地域を帝国に奪われた負け戦の7割がその男の指揮によるものだった。

ガルーは「その指揮官の息子」である。もっとも、その優秀な血は受け継がなかったようだが。

ルートによってはラスボスなんだが・・・何しか「ラスボス弱すぎ!」というコメントしか出ない状況。

普通考えれるか?ラスボスの攻撃の当たり判定が「全部5%以下」って。しかも誰が相手にしてもだ。

だが、それでも「前指揮官の息子」という肩書で祭り上げようとする奴らにとっては扱いやすい奴ではある。単純思考だからな。

なので、こいつがいる限り・・・両国の戦争は終わらないと言っていい。単純だから。

どんな状況になっても、自国が勝つという根性論で済ませようとするから。戦争まっしぐらでしかない。


もう1人いるんだが・・・そっちはまだわきまえれる思考だ。首都傍の施設が破壊されたとなったら停戦に動こうとするだろう。

そう・・・あのゲームが不評だったもう一つの理由。「戦争に勝っても勝利国にならずに停戦で終わるから」である。

戦はまだ続く・・・って終わり方なんだよな。




多分、人物名を言ってもみんな納得すると思うけど・・・施設のほうを言うことで、このことを知らない者がいた時の保険としたんだろうな。




ともあれ、これにてこちらの方針は決まったようなもの。

後は上のお偉いさん方が内容を詰めるだけ。


俺たちは、すぐにでも移動が可能なように準備に走るのであった。


大体のゲームのラスボスって、他のユニットに比べて性能がやたらと上がっていたりしませんか?

攻撃力が異常に高かったり、そいつだけ複数回行動してきたりと。


この作品内で語られるゲームのラスボスも、機体性能は他の追随を許さない性能です。

ただ「乗ってるパイロットがステージ1にでてくるレベルの能力値」ということです。

現実となったこの作品の世界では「親の七光りでその地位についただけ」であり、その上「指揮官として無能なのに作戦行動を決めてくる」という部下にとっては最悪な上官となっております。

扱いやすい?

それは「ゲーム内NPC」の話ですね。現実になったら、前指揮官に恩義ある部下たちも「持ち上げようとしたら逆に面倒になって仕方がない」という思考に代わっております。


まあ、この最終決戦の作戦を考えたのは別の人物であり国のトップがそれを承認しているので・・・上記の人物は「ただ指令室にいるだけ」になっております。それでも戦争後のことを考えると、何とかしておいたほうがいい人物という性格なわけです。

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