第14話 友好を深めるため
「・・・ひどい目にあった」
「悲しいが、もう二度と頼まない」
ユフィと並んでアイスを食べながらの散歩。
あの人、よく平然として食べてたもんだよ・・・どんな味かやっぱ聞いとくんだったと後悔。
あ、デートではないです。学食で昼飯終わったので、場所移動しているところです。
その隣では、苦笑いしているライムさん・・・ライムがいる。さん付けしないでと言われた。
リースはなんか、周りをきょろきょろしながら歩いている。珍しいのかな?
「あのメニュー、まだあったなんて驚きだったよ。食べたことなかったから味知らなかったんだけどね」
「食べたことなかったんですか?」
ユフィの言葉に、彼女は笑って頷いた。
「メインに使われている具に、嫌いなのが入ってるからね」
納得の理由ですな。俺でも頼まないわ。
残せばいい?騎士学園の学食でそれやると、料理担当に調理器具でどつかれるよ。
しばらく歩いていたが「ちょうどいい店あった」といってライムが喫茶店に入っていった。
つられて俺たちも入ると、そこは完全個室の店だった。
外から見たら普通の喫茶店なのにな・・・騙されそうな佇まい。
一室に通され注文。まあ、アイス食べて口の名から冷たいから温かいのが飲みたかったからちょうどいいな。
注文したものはすぐに来た。早いな。
「さて、ここは個室ごととに防音だからね。あまり聞かれたくない話もできるよ」
ライムの発言に、みんな首をかしげる。
「後々で実は、なんてことを知るとどうしても『なんでもっと早くに』となったりするのが多いんだ。
だから、私たちチームメンバー内では本当に知られたくない秘密以外はここで話さないかと思ってね」
なるほどね。後々で問題になる話があるかもしれないと。
その発言に、真剣な表情になったのが1人。
話すべきかどうかと思ってるのが1人。
最初に話すぞと意気込んでそうな人が1人。
その1人を押しのけて
「じゃあ、わたしから。前世の記憶もってて、この世界のこと知ってた」
リースが最初に爆弾を投下した。
・・・って、本当に!?
「えーと・・・いきなり出鼻くじかれたのもあれなんだけど、どういうこと?」
「うん。前世でこの世界を舞台にしたゲームがあった。わたしはやったことないけど、内容だけ何となく覚えてたから一緒だと思った」
なんてこった・・・チームメンバーの1人に転生者がいたとは。
「そうなんだ・・・ちょっとびっくり」
「ちなみに、そのゲーム、女の人とHするゲーム」
「・・・へぇ・・・」
「・・・そうなんですね」
第二弾の爆撃は、2人の表情から笑顔を消し去った。怖い。
「あ、多分2人はそのゲームに出ていないと思う。多分だけど」
「・・・それはそれでどう思えばいいのか悩むね」
ライムが苦笑している。
そんな会話の隣で、少し考えるそぶりをしていたユフィが何かを思い出したようにこちらを見る。
何か気づいたような表情だな。
「ユフィ?何か気になることが?」
ライムの発言に、ユフィがうなずく。
「それを確認する前に、私の秘密をお話したほうがいいかもしれませんね」
そう言って、表情を改める。
「私の本名はユフィ・カラーではありません」
「そうなんだ。それで・・・本当の名前は?」
ライムが好奇心だけで聞くけど、後悔しないでね?
「私の本名は、ユフィリア・リナ・アステリス。アステリス王国第三王女です」
名前を聞いた瞬間、ライムが「ゴンッ」という音を立てて頭を机に打ち付けた。
リースも眼を見開いている。
「といっても、側室でもない城勤めのメイドとの間に生まれた子供ですが。あ、国王と母の仲は良好ですし王妃様とも仲良しなので。ただ、そういった経緯で私のことは秘匿されてます。一応第三王女という立場も使えるのですが、この学園にいる間は使うつもりはありません。普通の学園騎士、ユフィ・カラーとしてでお願いします」
「・・・とんでもない秘密を知ってしまった。墓場まで持っていくことを誓います」
ライムがそんなことを言い、リースも何度も頷いている。
そうした光景を眺めていると、リースがこちらに気づく。
「?なんでダイス、驚いてないの?」
それに回答する前に、ユフィが答えを言ってしまった。
「彼は、1年の時に私の正体を知ってました。それがずっと気になってましたが・・・もしかしたら彼もそうなのではないかと」
そう言われると、次に話すしかないな。
「ああ。俺も・・・リースと同じ前世の記憶を持っている。そして、そのゲームで遊んだことがある。
いや、ぶっちゃけよう。前世の中で一番遊んでいたゲームだと」
そういうと、3人の目が冷たくなる。
それを受けつつ、俺はそのゲームの話をした。
主人公が入学式で高いマナがあることがわかり英雄として期待されること。
ゲーム内に登場するヒロインたちと順番に交流していくこと(もちろんその後もあることも)。
1人とエンディング迎えると、その時の強さを引き継いで入学式から再スタートすること
5人のヒロインとエンディングを迎えると、第二王女が登場すること。
そして、最終的にヒロイン全員と一緒になるルートがあること。
「・・・なるほどね。で、君はその記憶があり自分が英雄ではないことを事前に知っていたと」
「そして、周りの発言で複数人その記憶をもっている生徒がいることにも気づいていたと」
「それに、実際に登場していないけど第三王女の存在が語られているのを思い出して、ユフィの正体に気づいたというわけ」
「まあ、そういうことだな」
なお、パソコンの話なんてしてもわかるわけがないので・・・この世界にもある盤上ゲームを上手いこと組み合わせて話してみた。
なんとなく理解してもらえたようだな。
「それじゃ、ダイスはこの先の展開をどうすればいいのか知ってるの?」
ライムのその発言に、俺は首を横に振る。
「悲劇の襲撃事件の時、ゲームの中では決闘騒ぎは起きていない」
「?どういうこと?」やってないからリースはわからないよね。
「強くなった状態で戻るのを6回も繰り返してるんだ。英雄の強さは、そこいらの訓練生で相手になるレベルじゃない。だから、圧倒的に勝利することで護衛騎士たちが戦う前に敗北宣言をする」
「そうか・・・実際の彼は、C級D級騎士との集団模擬戦の時に撃破判定を受けていた」
「なるほど。だから王女たちを守る力があるのか疑問に思われてあの決闘に」
「リース正解。結果が現在の被害状況だ。だから、あの作品での話とは全く違う流れになっている」
だから、この先どうなるのかは俺にもわからない。できることをするだけだと答えた。
それに3人は頷いてくれた。
・・・その頃には冷たい目ではなくなっていたのがよかった。
「はあ・・・とんでもない秘密話だった」
ライムがそう言いながら頷いている。
俺たちは全員彼女を見ていた。
その視線に・・・彼女はあることを思い出した。
「あ・・・私が最初に話すはずだったのに、最後になっちゃった。困ったな・・・みんなほど、とんでもない話じゃないんだけどな」
そう言って頼んでいた紅茶を一口飲んで、姿勢を正す。
「私の場合、単に父親が現騎士団総長ってだけなんだけどね」
そんなことを笑顔であっさり言いました。
・・・十分とんでもない話だと思うよ!?
この世界での話で言うなら、俺とリースが普通だ。
俺がユフィの護衛、リースがライムの護衛って感じでこの部隊が編制されたような感じにも思えるぞ。
初期ではライムとリースは特に設定考えてなく「単なる部隊員」でした。
そして、ユフィも2人に正体を告げることがなく終わる予定でしたね。
変わった理由。
話書いたらこうなった。




