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第9話 付き人生活とこの先の不安

めでたくF級認定となった俺の日々。

朝は早起き、寮内の掃除である。

E級の生徒たちと一緒にやるのだが・・・はっきりってこのレベルで上下関係を作ろうとはならない。

というのも、そうするとE級の生徒が目上の騎士を相手にしたときぼろが出るからだそうだ。

上下関係の厳しい騎士、人によってはそれだけで評価が駄々下がりにすることもある。

なので、EとFの間に上下関係は作ってはならないとされている。


といっても、いつの時代いつの世界にも例外入るわけである。


「おい。今日もあいつら姿見せないんだが・・・誰か知らないか?」

「ああ、さっき隣の部屋の奴が声かけに行ったがいつも通りの返事してきたそうだ」

「いつも通り・・・いつも通り集まって騒いでやがったのか」

「だろうな。もう・・・放置でいいんじゃないか?その内、掃除に参加してないこともバレるだろ」

「そうだな。じゃあ・・・聞き出したのは俺だし、俺が行くよ」

「了解だ。こっちの分担が終わったら俺もいくよ」

「話は聞こえていた。こっちは終わってるし、僕も一緒に行こう」


何の話かって?

いつも通り掃除に参加しない奴らの分担場所の掃除を誰が行くかという話だ。

もちろん、俺ブック・カラーも今の場所が終わったら行くけどな。

何しろそいつらってのが・・・予想してる方もいるだろうが、シップ達だ。

いまだに「昇級の時の検査がおかしかったんだ」とか言ってるからなあいつら。

一応、不承不承ってのが目に見えてる態度だけど付き人としての行動はしている。

上級騎士の目がないところでは、こういう行動をとっているということだな。



まあ、あいつらはこれ以降も掃除に参加したことは一度もないんだが・・・。




お仕事その2。食事の注文と配膳。

これは前話でやってたから詳しく説明する必要もないだろう。

食堂という空間の話、そうそう下級の奴が勝手なことをできる場所ではない。




お仕事その3。学園までの荷物持ち・・・なんてのはない。

この世界、大量に荷物を入れれるマジックボックスが大量生産品としてある。

入れれる量は、価格によって変わるが。

少なくとも騎士になろうとしている奴らに支給される品。学園で使うもの一式入れても空きがあるくらいのサイズは渡される。

まあ、無料配布は最初だけだ。そうそう壊れるものではないからな。

万が一壊したら、2個目からは有料だ。

大量生産品ではあるが・・・学生騎士が普通に払える金額でもない。

がんばって手柄たてて報酬貰って払えという話になるだけだが。




学園内では訓練場所は別れるので、また暴走する奴はいる。

といっても、付き人の訓練課程の中には上級騎士の模擬戦観戦なんてある。

自分の主を応援しろって話らしいが・・・実戦参加するようになったらそれやっとく意味があるのか悩むところだな。

最も、観戦のあとは大体が昼休憩時間。お仕事その2がやってくるわけだがな。





学園の授業は、俺たちのほうが早く終わる。

お仕事その4、寮の前で整列して上級騎士の帰りを出迎える。

まあ、戦地に行って帰還した騎士たちを出迎える予行練習か。

・・・それなら上級騎士もやることじゃないかと思うだろうが、そうはならない。

C級やD級は後方支援や、拠点防衛で戦地に行く可能性がすでにあるからだ。


なお、例のメンバーは数回に1回くらいさぼる。体調不調とか言ってるが、ほとんどだれも信じていない。

もっと言うなら、彼らが相手の上級騎士ですら信じていない(4か月間くらいは信じてたけど)





そんな生活も続けば慣れてくるものだ。

すでに2学期半ばという話の飛びっぷりだが気にするな。


「アートC級騎士。今朝のメニューは・・・あ、Bセットですね」

「・・・さすがに覚えられるか」

そりゃね。

彼はBセットというか・・・「今日のBセット」に入っているある料理が好物のようだ。

なのでそれのあるBセットがメニューにあると絶対それにする。

まあ、上級騎士用のメニューなので俺が食べることが・・・あるのかどうか。


「そういえば、今日も模擬戦観戦が入ってましたね。相手は誰なんでしょう・・・告知しかなくて」

「うん?ああ・・・まあ、その時が来たらわかることだしね。申し訳ないが参加騎士以外はその時まで秘密らしい」

ふむ。

となると、相手は学園の騎士では勝てない相手か「模擬戦でも人前で公開するのを制限しないといけない」相手なのか。

前者は普通に、現役の騎士。

後者は・・・彼らのことだろう。

というか、俺はすでに今日の対戦相手が誰なのか知っている。

そう・・・ゲーム内でこのイベントはあったからだ。





模擬戦会場に移動しているとき、道中を警備する起動鎧が多数いた。

というか、普通にこんな数がこのあたりにいるとは思えない数だ。

「・・・なんかすごい警戒態勢だな。まるで戦地にいくような」

隣を歩いている奴がそんなことを言っているが・・・本当の戦地はこんなもんじゃないと思うぞ。

まあ、俺も実際に体験したわけじゃないから知らないけど。

そうして到着した模擬戦会場。

そこには、すでに参加する学生騎士・・・C級騎士やD級騎士たちの姿があった。

そして、対戦相手となる「6機」の起動鎧の姿も。



「あれって・・・まさか『セイバー』か!?リーベルト家がルリスさん専用に作り上げたってやつ!?」

「あの剣と盾を構えた威風堂々とした姿は間違いないだろう!」

「その横に立ってるのは『ガードナー』だ!そのリーベルト家と対になると言っていい名家リングライトが作り上げた!」

「ああ!あのどんな攻撃でも耐え抜くっていう堅牢な盾を二つももった起動鎧などそれ以外はない。

となると・・・足元に立っておられるのがカリン嬢ということだな」

「あの長砲身ライフルを持ったのは、『千の目』と呼ばれるリスティ嬢が乗る『バレット』だな」

「その横に立つ2体・・・おそらくあれが『フレイム』と『ウインド』だな。一技術者が作ったとは思えない傑作機らしいぞ」

「そして・・・あれが今までひた隠しにされていた英雄のために用意された『ライトニング』。

アステリス王国、王家に使える技術師たちが総力を挙げて作り上げた機体か」



ゲーム内イベント「学園生に披露しよう」だ。

2年2学期まで鍛えられた主人公が、今どれくらいの強さになったのかを学園生の前で見せるためのイベント。

ちなみに、1週目でも機体性能が圧倒的なので普通に勝てる。

ゲーム内での問題点は「かかったターン数」によってこの後のイベントが変わるというものだ。

現実だと、時間になるのかな・・・?


そんなことを考えていたら、司会の説明が終わって開始準備に入っていた。

どうやら・・・4体4でやるようだな。

上級騎士たちは16人。4試合やるのか。

隣の奴にそれとなく聞くと、彼だけは4試合とも出るそうだ。

まあ、英雄なんだから当たり前だろうな。



そうして始まった模擬戦。


ガードナーの防御は、騎士たちの攻撃のすべてを防ぐ。

セイバーの剣は、きれいな剣筋を走らせ戦闘力を奪っていく。

バレットの遠距離射撃の前に、騎士たちは誰も近づくことができなかった。

貴族たちのように財力に有無を言わさずに作り上げられた機体、さすがの性能。

そうではない2体、そちらもそんなの関係ないという強さを発揮している。

フレイムは、巨大な槍による突撃戦闘。だれも止めることができない状況。

ウインドは、短剣と小手に装備された小型マナ砲。その機動力は、英雄の機体を上回る。


さすがヒロインたち。遺憾なく発揮される実力に見学している騎士たちの盛大な歓声を浴びている。


そして主人公・・・そのライトニング。

機動力は2番目、両手に装備した剣による連撃に両腰につけられたマナ砲の連射攻撃。

さすがというしかない高性能を発揮している。





しかし・・・この模擬戦で、俺にとっては「そうであってほしくなかった事実」を知ることになってしまった。



「お疲れ様です、アートC級騎士。そしておめでとうございます」

「ああ、ありがとう。まあ・・・まぐれもあったけどね」

「いえ、あれは完全に英雄殿が回避ミスをしておりました」

「そうかい?・・・まあ、そんな気がしなくもないけど、あまりこの場では言わないほうがいいかもしれないね」

「そうですね・・・失礼しました」


英雄セイルは・・・この模擬戦において6人のうちただ一人「撃破判定」を受けたのだ。

起動鎧のうち最も弱い部分に攻撃を受けてしまったので仕方ないともいえる。

だが、彼が「模擬戦とはいえ、量産機の攻撃で撃破された」というのは、かなりまずい。


ヒロインたちにフォローされていたが・・・観戦していた「4人の騎士」の視線がやばそうだ。

恐らく彼には「あのイベント」が発生してしまうかもしれない。


問題は、それがどの時期に起きるのかということだ。

こればかりはもうわからない。

願わくば、それが致命的な時期ではないことを祈るだけだ・・・


英雄セイルの撃破判定。


これは「訓練期間はほとんど同じ」2人ではあるが

片方は「高性能故の扱いにくさ」、片方は「汎用機故の扱いやすさ」も勝敗要員の一つと言える。


※今更説明


主人公が付き人をしている人物ですが、年齢は主人公と同じです。

多数あるクラスのうち、上位者と付き人となる生徒は「普段の授業を合同でやることのない」クラスの生徒で組まれます。まあ、同じ校舎なので廊下ですれ違ったり食堂であったりすることはあったでしょうけど。シップ達が反発している理由の一つとしている部分でもありますね。

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