表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/25

第8話 進級はできた

あの襲撃から1か月後。

通常より少し遅れての2学年開始となった。


俺のクラスの生徒だけが襲撃で負傷したのであったが、それでも遅れてとなると公平ではないという意見がでたそうだ。

なので、少し遅れての2学年開始。

まあ、この1年はほとんど上級騎士としての訓練・・・実地訓練がメインである。

最も、進級時のマナ値によっては内容が大きく変わるが。




俺、ダイス・カラーは無事進級できるマナ値を出すことができた。




「アートC級騎士!おはようございます!」

騎士の礼をしながら、少し年上の男性騎士を出迎える。

「ああ、ご苦労様。ダイスF級騎士」

そう言って笑顔を向けてくる。



・・・進級はできたけど、ぎりぎりでした。

よってめでたく俺、ダイス君は付き人の地位を与えられました。

そして目の前にいる人がその相手、アート・ペイントC級騎士である。



付き人のやることその一、朝に寮から出てくるときの出迎え。

同じ寮に暮らしてるけど、俺たち付き人組は彼らよりも早く起きなくてはいけない。

そして部屋の片づけ、寮の掃除。そして出迎えである。



そのまま荷物を持って、まずは学食に向かうことになる。



「アートC級騎士。今朝のメニューはどうしますか?」

「そうだね・・・ああ、あれがある。Bセットで頼むよ」

「かしこまりました。それでは少しお待ちください」


付き人のやることその二、食堂にて朝食の準備。


受付に向かい、食堂のおばちゃんにメニューを伝える。

「おはようございます。Bセットと・・・パンセットをお願いします」

「あいよ。少し待ってね」

そう言って先に用意されるのは、俺のパンセットのほうである。

と言っても、それは渡しカウンターに置かれてそのまま。

冷めるって?

目上の騎士が温かい状態で食べれるように配膳することも付き人の務め。



出来上がったBセットを持って、机でまつアート騎士のところへ。

「どうぞ」

「ああ、ありがとう」

そう言って、自分のを取りに戻る。

戻ってくると、彼はまだ食事を始めていなかった。

他の騎士は付き人を待たずに食べ始めてるのに。

「お先に召しあがっていてよかったのに」

「いや。食事は誰かと食べるほうがおいしいと思うからね」

・・・まだ1週間くらいなんだが、彼は他の騎士と少し違うな。


「おや?まだ食事中でしたか。アートC級騎士」


そんな俺たちの傍を通る時、1人の騎士が立ち止まる。

彼は確か・・・

「うん?・・・ああ、ライドC級騎士」

そうそう。ライドC級騎士だ。

「・・・まあ、君のその性格は直すことができないだろうしね。次の集合場所は第二演習場だ。遅れないように」

「うん?第三ではなくなっていたのか?・・・と、今連絡がきたか」

「うむ。では、後ほど。・・・いくぞ」

「はっ!ライドC級騎士殿!」

そう言って彼は、従者を連れて去っていった。

「彼はまあ・・・少し厳格な騎士の家の生まれでね。階級にこだわっているんだよ」

「まあ、納得はできます。本来の騎士の姿はあちらかもしれませんから。・・・けれど、アート騎士の考え方のほうが共感できますよ」

そう言って2人して食事を再開する。


「・・・あ、ここにいたんですね」

よく声を掛けられる。しかし、今のは俺に対してか・・・?

そう思って顔を上げると、見知った顔があった。

「ユフィC級騎士・・・」

そう。彼女はC級認定を受けたのである。

まあ恐らく、立ち位置的にはそうする必要があったのかもしれないな。

仮にも王族の血を受けている女性、従者認定なんてできないだろう。

俺のクラスからは4人がC級認定、15人がD級認定を受けている。

彼女のマナ値はどちらかというとD級よりなのだが・・・C級認定でも問題ないだろう。

それに、もう一つ理由があるのだろうな。


「おや、ユフィ騎士。食事だったなら一緒にすればよかっただろうに」

「アート騎士、C級2名の席に彼一人では恐縮してしまうのではありませんか?」

そんなことを笑顔で言う。

D級には必ず従者がつく。しかし、C級になると騎士の一存でその制度を受けるのを辞退することができる。

実際、少なくない数の騎士がそうしている。

彼女の場合は・・・その出自が理由だろうけどな。

「そうか?先ほどの雰囲気だと、問題ないとも思ったがね・・・まあいいや」

「ええ。元クラスメイトを見かけたので声を掛けただけですので。それでは失礼」

そう言って彼女は一瞬こちらに笑顔を向けて、立ち去って行った。

「・・・どうやってあんな美人とお近づきになったのやら」

そんなことを笑顔でいうアート騎士。

まあ、正面向かって教える必要もないかな。



食事も終わって食器を片付ける。

2人して食堂を出ようとしたとき、別の人物と出会う。

「あ・・・アートC級騎士。それにダイスF級騎士」

「これは・・・ブックD級騎士」


そう、俺の友人ブック・カラー。彼はD級認定を受けた。


「これから食事かい?少し遅れているようだが」

「申し訳ございません。昨夜少し寝るのが遅れてしまい・・・授業には遅れないよう心がけておりますのでご容赦を」

「そうか。なら、僕から言うことはないかな」

そう言ってアート騎士は食堂から出ていく。

俺も一礼して食堂から出る。


すれ違いざま、彼は「ここではなんだ。また夜にでも」と小声で言ってくる。


D級は従者がつく。彼のそばで親しげに話をするわけにもいかないか。

1つ頷いて、横を通り過ぎる。


さて、俺も頑張って授業受けないとな。




なお、シールはE級騎士である。彼女は別のD級女性騎士に付き添っている。


あと、シップ君たちは全員E級・・・訂正。「シップ君以外」は全員E級。

彼は・・・俺と同じF級である。



ダイス・カラー 2学年へ進級


最終測定マナ値:156 判定:F級





「入院から復帰したら実はマナ値の急激な上昇がみられた」なんて展開はない。

主人公は2年生、従者として頑張ってもらおう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ