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プロローグ

ファンタジーシミュレーションゲーム「スター・トルーパーズ」


タイトルからは星に関するものかと思われるが、タイトル詐欺と言われることもあったゲーム。

ただ、とある星で行われる2つの国の国家間戦争が舞台の作品。

起動鎧きどうよろいと名付けられた巨大ロボットに乗って戦うシミュレーションパターンと、

ヒロインたちの交流を深めるアドベンチャーパートを行いながら進めるゲーム。

なお、えろげー。



主人公が所属する国は、実力者が多くいる国。

対する相手国は、とにかく数で勝負するという国である。

シミュレーションパートでは、とにかく3倍くらいの数を倒さないといけない。

ただ、こちらのユニットが圧倒的に強いので面倒なだけだったりする。


ゲームの流れとしては

数で押されている国を守るため、国家の威信をかけて作られた起動鎧。

それに乗るための訓練を行う学園に入学式、主人公がそれに乗る素質を見せることからスタート。

少しでも他の生徒からのやっかみや質問攻めを回避するための特例処置により、特別寮にて生活することに。

この際、最初に選んだ「3人のヒロイン」と一緒の生活をすることとなる。

その後学園生活、交流、戦闘の流れを繰り返しストーリーを進めていき、そして最も親密度を上げたヒロインの個別ルートに入る。

この流れを「5回」繰り返すことで「最後の6人目のヒロイン」が登場する。

最初からほぼ固定ルートで進む6人目をクリアするとトゥルーエンドとなるのである。

なお、このゲームの世界は「一夫一妻」なのだがトゥルーエンド後に「ハーレムルート」が登場する。

6人のヒロイン全員が登場し、戦争終結後に「英雄だから」という理由で「一夫多妻」が認められるという展開で終わる。


周回プレイを意識しており、内容もそこそこだった。

新規会社が作ったにしては、今後を期待させる作品ではないかと「発表時は」思われた。


だが、実際のゲームプレイ後に待っていたのは「酷評」だった。

ギャルゲー部分はいい。ヒロインも全員魅力的だったし、それぞれに固定ファンがつくほど。

だが・・・戦闘パートで全部台無しにしていた。

登場ロボットは「えろげーで力入れすぎ」と言われるくらい有名な人にデザインを依頼したのである。

それにつられて、ロボット好きが飛びついたといってもいいだろう。(俺もその一人だ)

それを「全部台無しにした」と言われる、とあるロボットゲームをモデルにしたのは間違いないだろう、しかしバランス無しの戦闘であった。

なにしろ、敵が弱い。とにかく弱い。けれど、数だけはいる。

そして、こちらは近距離中距離の射程武器が多いのに、敵は圧倒的に遠距離射程。反撃が届かない!

さらに移動力の低さ。こちらが攻撃範囲に入るまで最低でも「一番近い敵から1回攻撃される」。

数の暴力とは言ったものだ。本当に数だけで、ダメージはないようなもの。そのくせ、こちらの攻撃は「一番弱い武器」でも1撃だ。

他の武器、強武器とかいるのか?って仕様。

極めつけは「オート戦闘」がない!

その無駄で数だけ多い敵を片っ端から倒していくだけの作業を「全部手動」でやらないといけないのである。

はっきり言おう。戦闘パートで嫌気がさしてやめたってプレイヤーの数はかなり多い。

違法ではあったが、苦行を超えたプレイヤーがクリアデータをネットに挙げたら多くの人がそれをダウンロードした。

何しろ、クリア後に「全シナリオを読み返す」ことができるからだ。

それで十分じゃないか?ってなる。当然クリアデータなのでヒロインとのシーンも含まれる。


結果どうなったか。

ゲーム会社は「デザイン料」を払うだけの収入は得られたが、会社を続けることはできず。

次回作も発表時から予定していたそうだが、とてもじゃないが製作するためのお金が足りず。

1作品にて姿を消すこととなったのであった。




さて、そんな作品ではあるが「苦行」を気にせずプレイする者たちもいた。


この俺「染谷大輔そめやだいすけ」もその一人である。

俺はロボットが大好きだ!二足歩行のロボットが特に好きだ!

この最高のデザインのロボット、苦行パートだろうが関係ない、見ているだけで癒される。

そして、このゲームのヒロインで1人「最惜し」と言える子ができた。

俺にとっては最高の作品である。

最も、中古で捨て値で売られていたのを偶然見つけたのがきっかけではあったが。


俺と同じような同志はいる。よくネットの掲示板で語り合ったものだ。


そんな俺にはもう一つ好きなものがある。

昨今、いろいろなパターンで登場している「異世界転生」作品である。

同志の中には同じ気持ちの者も多く、よく「この世界に転生したら俺が英雄だ!」と口論していたものだ。

それを妄想したり、実際に「俺が転生したら~」みたいな事を言って同意や共感、「いやそれは違うだろ!」と話し込んだものだ。




そんな、仕事に疲れる日中を乗り切り夜にはその世界に飛び込み、休みの日は同志たちと楽しく話をする日々。

それは本当にあっさりと幕を閉じることとなった。

苦労して免許をとり、初めて運転しようとしたその日。

アクセルを踏み込みすぎて勢いよくガレージから車道に飛び出し・・・横から走ってきたトラックに追突されてそのまま旅立つことになった。






そして、俺は転生した。

それも願っていた「あの世界」にである。




ゲームの主人公が所属する国「アステリス王国」。


今年の、起動鎧に乗る「騎士」となる新入生の入学式。

まさにゲームの始まりのところ。



今そこは、大きな拍手でうるさいくらいの空間となっていた。



「おお!ついに今年、待ち望んでいた騎士が誕生したぞ!」

「この時期でこのマナ値、間違いない!彼なら『あの鎧』を乗りこなすことができるだろう!」

「我らが王国に繁栄をもたらす英雄となる人物の誕生だ!」


監督としてきていた現役の騎士たちが大喜びで声を上げている。


入学式に参加していた在校生や、新入生も大きな拍手をしている。


起動鎧を動かすために必要な、人のもつ「マナの力」を測定する水晶。

その前で、右こぶしを高らかに上げている一人の男子生徒。











前世「染谷大輔」


その俺は








「その男子生徒を見つめながら拍手」をする「新入生の1人」という立場であった。






ダイス・カラー


「モブの名前考えるのが面倒だからその辺りにある物でつけよう」という製作者の悪意を感じる名前。


それが俺の名前である。





拝啓、前世の同志たちよ。俺は願った世界にこれたが、英雄にはなれませんでした。


前世の知識をもった主人公が、異世界に転生しました。

けれど彼は、その国も止める英雄にはなれませんでした。


果たして、ここから彼の下剋上が始まり、主人公と引っ付くヒロインを横取りし、

最終的にその地位につきハーレム生活を満喫するのでしょうか?


※上記内容のうち一つだけ本当です

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