表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

温度

 歴史資料館は地域の歴史的資料を保管、展示するための施設である。千年前から異次元ポータルの発生が記録されてきた雨ノ原市では、ほぼ異次元ポータル発生記録の管理と、異次元から落ちてきた物品の保管のための公共施設となっている。


「電子化が進められてるとはいえ、原本の保管も大事ですからね。今日は書庫にこもりますからね」

朝から生首の展示室に飛び込んできたと思えば、平田館長はたいそう不満そうにシードルへ予定を告げた。

「除湿剤の取り替え時期なのでね、カビは資料の大敵ですし」

「温度と湿度の管理って地道だよな。がんばれ」

「なんで世界には四季があるんですかね。温度も湿度も変わりすぎです」

「春夏秋冬どれがいいんだ?」

「冬ですかね。乾いてる方がやりやすいので」

「去年のカビ大量発生がよっぽどこたえてるな」

「カビ掃除も除湿も面倒くさすぎるんです」

「手伝えなくて申し訳ないが、がんばってくれたまえ」

「はい……湿度を五十%に固定するアイテムでもおちてこないかな」

「うちの世界をなんだと思ってるんだ」

「生身の人が空飛べる世界で?風を操る魔法もあって?大気中の湿度、それも一部屋のコントロールもできないんですか?」

「うちでもカビ取りは大変だったぞ」

ほらいかないと終わらんぞ、とやる気が行方不明な平田館長との会話を切り上げる。

「シードルさん」

「……いってらっしゃい」

「いってきます!」

 書庫の分厚い扉が閉まり、静けさに包まれた展示室で巨大な生首は二度寝をはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ