エピソード2.5 堂々と人を襲い始めたモンスターたち
〈エピソード2.5 堂々と人を襲い始めたモンスターたち〉
「ちょっと、留美! 早く起きてテレビを見なさい! この町が大変なことになっているのよ!」
小夜子はヒステリックに言って、ベッドで寝ていた留美を叩き起こした。
「どうしたの、お母さん?」
留美は目をパチクリする。
「この町の至るところに化け物が現れたのよ。その化け物と警察官や自衛隊が戦っているわ。とにかく、テレビを見なさい!」
留美が自室のテレビを付けると、ニュース番組が、化け物が突然現れ、人々を襲い始めたことを報道していた。
女性レポーターの後ろでは、白昼でも人を襲う化け物の姿が映し出されている。
それを見ていると、ライオンのような化け物がレポーターに迫って来て、鋭い爪でレポーターの首を跳ね飛ばした。
その瞬間、テレビに映っていたショッキングな映像がザーッと途切れる。
他のチャンネルにも回してみたが、やはり、化け物たちの姿を捉えた映像ばかりが流されていた。
「ついに化け物の存在が表沙汰になったね。これで、私も心に溜め込まずに済むよ」
小夜子が部屋から出て行くと、留美はおかしな安心感を感じながら言った。
「そんなことを言っていて良いのか。お前の親しい人間たちが化け物に襲われているのかもしれないんだぜ」
ベッドのタオルケットの下から、ラズエルがひょっこり顔を出した。
「それは心配だけど私の力じゃ、どうにもならないよ」
警察や自衛隊でさえ、手に負えない状況なのだ。ただの女子高生の自分に出番があるとは思えない。
「それをどうにかするために、おいらが付いているんじゃないか。お前はおいらのことを、気兼ねなく利用して良い」
ラズエルは胸を大きく反らしながら言った。
「あなたの目的は何なの? 私を助けるためだけに一緒に居てくれているわけじゃないんでしょ?」
留美もラズエルのことを全面的に信用しているわけではなかった。
「おいらの目的は桂木修一を探し出すことだ」
「理由は?」
「それは知らされていない。ただ、この事態を引き起こしている原因の一端は桂木修一にあるとは聞いている」
ラズエルはひょうきんな顔で言った。
「修一さんが化け物を呼び出してるって言うの?」
「そうは言わない。でも、何らかの媒体になっている可能性はある。ま、それを調べるのもおいらの仕事さ」
ラズエルはそう嘯くと、飯でも食おうぜと言って、深刻そうな顔をする留美の二の腕を触った。




