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エピソード1.5 再び現れた化け物

〈エピソード1.5 再び現れた化け物〉


 日が沈もうとしている中、留美はコンビニに向かって歩いていた。


 すると、人気のない道に入ったところで、急に空気が変わる。


 留美も全身に鳥肌が立つのを感じた。


 本能的に身の危険を感じた留美が、来た道を引き返そうとすると、空間に大きな割れ目ができる。


 割れ目の中からは見覚えのある熊のような化け物が現れた。


「お前は《あのお方》が言っていていた、創造神が目を付けた修一の縁者だな?」


 化け物は邪悪な笑みを浮かべながら言った。


「な、何?」


 留美には化け物が言っている言葉の意味が、さっぱり理解できなかった。


「この俺と一緒に来てもらおうか。お前がいれば、何かあった時に修一の行動をコントロールできるかもしれない」


 化け物は鋭い爪が生えた手を留美のいる方に伸ばしてきた。


「い、いや!」


 留美は後ずさりして、化け物と距離を取る。


「大人しくする気はないか。なら、力づくでも捕まえてやるし、腕の一本や二本は無くなるものと思え!」


 そう言うと、化け物は猛然と留美へと迫って来た。


 留美は自分の体がバラバラに引き裂かれるのを想像しながら目を瞑る。


 が、その瞬間、涼やかな声が聞こえて来る。


「そこまでだ、デビル・グリズリー」


 化け物と留美の間に割って入ったのは、金色に輝く猫だった。


 留美は前に自分を助けてくれた猫が現れてくれたことに救いの神でも見たような顔をした。


「き、貴様はあの時の猫か」


 デビル・グリズリーと呼ばれた化け物は恐怖を感じているような顔で後ずさる。


「おいらが付けた傷は治ったようだな。でも、今度は逃がしてはやらないぜ」


 ラズエルは猫の顔で不敵な笑みを浮かべながら言った。


「ほ、ほざけ! この前の借りを返してくれるわ!」


 デビル・グリズリーは激昂したように叫んで、ラズエルに襲い掛かる。


 圧倒的な巨体が肉薄して来るが、ラズエルの顔に恐れは微塵もなかった。


「ただの下っ端の悪魔が、創造神に仕えているおいらに適うとでも思ったか」


 ラズエルは青白い光の球体を前方に作り出すと、それをデビル・グリズリーに放つ。


 バチバチとスパークする青白い光の球は、電光石火の早さでデビル・グリズリーの胸へと突き進む。


「「「ぐ、グワー!!!」」」


 光の球体は、そのままデビル・グリズリーにぶつかると激しい光を撒き散らせながら大爆発した。


 その強烈な光を見た留美も一瞬、目が眩んでしまう。


 が、すぐに目の調子が元に戻ると、そこにはデビル・グリズリーの体は影も形もなかった。


 ただ、コンクリートの地面に焦げ跡のようなものだけが残っている。


 その結果に、留美は膝が笑い出しそうになった。


「助けてくれてありがとう、猫さん」


 しばし間を置くと、留美は命の危機が完全に去ったことに胸を撫で下ろしながら、お礼を言った。


「おいらの名前はラズエルだ。これからは君の傍を片時も離れないから、名前くらいはちゃんと憶えてくれよな」


 そう気障な感じで言うと、ラズエルは猫の顔でにんまりと笑って見せた。

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