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エピソード4.5 家にまでやってきた警察

〈エピソード4.5 家にまでやってきた警察〉


「お帰りなさい、留美。もう夕方になるのに、なかなか帰って来ないから心配していたのよ」


 溜っていた図書室での仕事を終え、留美が自宅に帰って来ると、母親の小夜子が浮かない顔をしていた。


「ひょっとして、私のいない間に何かあった?」


 留美はすぐに母親のおかしさに気付き尋ねていた。


「警察の人がたくさん来て修一さんのことをしつこく聞いてきたのよ。あんたは修一さんがどこに行ってるのかなんて知らないわよね?」


 それを聞いて、留美はそんなことだろうと思ったよと心の中で嘆息する。


 だが、一度にたくさんの警察官が押しかけて来るなんて尋常なことではない。


 警察も形振り構わなくなってきたのかも。


「それが分かれば苦労しないよ」


「何で、あんたが苦労するのよ? 修一さんがどうなろうと、あんたには関係のないことでしょ?」


 小夜子は鋭く追及してくる。


「こっちの話だし、変な邪推はしないで。それで、お母さんは警察官になんて答えたの?」


「私は、修一さんがどこに行ったのかなんて知らないし、彼とは何の関わりも持っていませんって答えたわ」


 小夜子はうんざりしたように肩を竦めた。


「それは少し冷たいんじゃないかな」


「本当のことでしょ。事実、修一さんは親族とは縁を切っていたんだから」


「それはそうだけど」


「にしても、修一さんったら、警察に目を付けられるなんて、何か犯罪でもやったんじゃないんでしょうね」


 小夜子の顔に修一に対する嫌悪感のようなものが浮かんだ。


「修一さんはそんなことをするような人じゃないよ」


 きっと修一は自分の知らないところで、懸命に戦っているに違いない。


 留美はそんな風に思っていた。


「何であんたにそんなことが分かるのよ。修一さんとはろくに話したこともなかったはずでしょ?」


「そうだったね」


 でも、修一が映っているゲームの動画は全て視聴した。


 あれが現実のものなら、修一も捨てたものではない。


「あんた何か隠し事をしているんじゃないわよね? 最近は、特にソワソワして様子がおかしかったし、修一さんとは本当に何もないのよね?」


 小夜子は留美をギロリと睨んだが、留美は澄ました顔をする。


「うん」


「なら、良いけど。とにかく、警察のせいで夕飯を作る元気がなくなっちゃったから、あんたはコンビニで何か買ってきてちょうだい」


 そう言うと、小夜子は留美に財布とマイバッグを持たせて、家の奥に戻って行く。


 残された留美は自分の身に再び危機が迫っていることを知らぬまま、夕暮れ時の道を歩き始めた。

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