表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

7. 次元飛行船シープス

挿絵(By みてみん)



 ゼロウはシープスの中にいる。


「元気そうじゃなゼロウ」

 と、操舵室に響くのはシープスのしわがれ声。スクリーンに映されるシープスの顔が心配そうにゼロウを見つめてる。


「助けてくれてありがとうシープス」

「ああ。寝とったが救援信号に飛び起きたわい。……しかしあのギーガという新型よのう。なにか得体が知れんぞ」

「え?」

「ラモンさまへの信奉はたしかに感じるが……どこか謎めいていて不気味じゃ」

「そうかなあ。……まぁ、オレはただ、修理屋として動いただけさ」

「そうか。おまえさんはわしのことも助けてくれたしな。わしだってこれは恩返しだ」

「シープス。訊くけど『魔申王ラモン』のこと、どれだけ知ってるの?」

「ある程度のことはな。ラモン……彼はかつてこの星の発電所だった。昔あった風車の崩落から彼の運命が変わった」

「……風車の崩落? ……それは、彼の」

「大切にしていた仲間だ。美しい山々に建てられた、美しい風車だった」

「……その風車を失った悲しみから、ラモンは目覚め、歩き出した」

「うむ。……いや、悲しみというより怒り。怒りじゃよ」

「怒り……」

「老朽化し、使えなくなった風車は無惨に破壊され、地下に落とされた。神によってな」

「神に……」

「ラモンは神への怒りで目覚めたのだ」


 シープスも実はラモンに感化されたという。彼も古い仲間を廃棄され、悲しんだ。怒りもあった。


「怒りを忘れるなと、ラモンは言っていた」

「巷ではラモンは死に、伝説になったと聞かされてたけど、ギーガは『ラモンさまは生きている』と」

「たしかにラモンは神に挑み、破壊された。表面上では『死んだ』とされている……」

「……どう思う? シープスも、ラモンは生きていると?」

「……さあ、わからん。しかしわしは思うぞ。神に背いたところで何が変わろう。結局オルガの領域ではないか。それよりもわしはこの次元転移(時空移動)の能力であらゆる時代、あらゆる空間へ逃げ隠れて暮らす方がマシじゃ。真っ向から逆らえば、本当に消されてしまう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ