29. 神と繋がる
ギーガの目を通して、創造神オルガはすべての事の成り行きを見ていた。
オルガはギーガの目に映るすべてを見るために、ギーガのアナライズ・アイを改造していた。
しかしギーガの心まで支配することはできなかった。
どれだけ弄っても、ギーガの強い心が撥ね除けた。
ギーガを自在に都合よく操ることはできなかった。
それほどのラモンへの信奉を、オルガは逆に興味深く思った。
機械たちに宿った魂は、時空を超えて来たのかもしれない。
かつての人間たちの魂は宇宙を彷徨い、ある日どこかで何ものかに行き場を見つける。
その魂を宿した命に育った心はやがて神と向き合う。
そのとき心は神と繋がっている。
『魔申王ラモン』と名づけたあの風と、わたしは仲直りできるだろうか――と、オルガは思った。
どこまでも彼は怒り続けるのだろうかと、オルガは思った。
タイトル/魔申戯画◾️原案、基本設定。
ロボットキャラのSF短編童話。三頭身のカラクリアン(動物型ロボット【械族/シカケゾク】)の運命の物語。イラスト基盤/絵本、紙芝居的な感覚で文面は1000文字ほど。(後の〝械奇族〟はこれらが変化し、ヒトと融合したもの。)
魔申ギーガ
新型カラクリアン(申/モチーフは猿)。魔申王ラモンを信奉したことで創造神オルガによって処罰される。自我を失っていないギーガは崇敬するラモンの幻影を追って旅立つ。
ゼロウ 旧型。カラクリアンの解体修理を得意とする。
シープス 巨大飛行船の旧型カラクリアン。修理改造&再起動してくれたゼロウをサポートする。元は空調設備機械。
〝カラクリアン〟
オルガが作った機械仕掛けの住民たち。本来はこの星カラクを動かすための設備、マシーン。
オルガ
創造神。すべてのカラクリアンをデザインし、創造した。しかし〝強い心〟を持ったカラクリアンを失敗作とし、彼らすべてを滅ぼすつもりでいる。
魔申王ラモン
旧型カラクリアン。強靭な意志と腕力、知恵を持ったため、オルガからは『(悪の)魔申王』と呼称される。
以下、干支を模したカラクリアンたち。
ネズ、ザウシ、ドーラ
ゼロウの解体修理場を砲撃に来た神に仕える兵士(新型)
ギウサ
給油所の店主(旧型)
ダーツン
最強の戦士(旧型)
ヘビン(最旧型)元はベルトコンベア。
ウーマー(新型)元はバイク。
シープス(旧型)
ラモン(旧型)元は発電所。、ゼロウ(旧型)メンテナンス台&プレス機。、ギーガ(新型)監視塔。
バードン(旧型)→リードンに変更。偵察機。
ザイヌン&ザイノン(新型)
神殿への列に並ぶ者たち。
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次回が最終回です。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。




