26. ラモンvs.ゼロウ
怒りに満ちたラモン。
ゼロウが対峙する。
「ゼロウとか言ったな。そんな小兵が俺に歯向かうと?」
「どうやら魔申王は醜く変わり果てたようだね」
「ふふ。かかってこい。俺の体に傷の一つでもつけられたら子分にしてやる」
疾風のようにゼロウはラモンの胸元に。そして左の脇腹を殴りつけた。
「ぐぉっ!」
「そぅらラモン! 次は顔面だ!」
勢い両腕を振りかぶり、雄叫びを上げるゼロウをラモンの太い尻尾が背中を叩きつける。
「うがっ!」
「このチビスケめ!!」
頭を掴まれたゼロウは投げ飛ばされ、はるか彼方の断崖へ。続けてラモンは容赦なくヘルズ・ボムを繰り出した。黒く怒った炎の玉が一気にゼロウを狙う。
「子分にしてやるが早速、用済みだ」
「くっ!」
「消えろチビスケ!」
吠えたてるラモン。
しかし、矢のように走るヘルズ・ボムは中空で急停止した。
「……な? ……あ……れは」
「ラモンさま。もうやめましょう……」
「……ギーガ! ……き、さ.…ま!」
ラモンの一瞬の隙に、ギーガは技を放った。磁界を操作し、〝ラモンにまつわる時間〟を停めたのだ。
「ラモンさま。それ以上彼に手を出せば、わたしはいよいよ心を変えてあなたに歯向かうでしょう」
「……くっ!」
「あなたが変わったのだから、わたしの心も変わる」
ギーガはついに戦闘・モードにフォームチェンジした。
ラモンは意地でも動こうとする。
彼もしたたかに配下を操作していた。




