24. ヘルズ・ボム
振り上げる拳。ラモンの繰り出す両腕はギーガの頬を叩きつける。脳天から腹まで容赦なく、蹴りと体当たりも延々と続いた。
「うっ……うぐっ」
「ギーガ! 何故反撃しないっ!」
「わたしは潔白……。あなたに楯突くことはありえない」
「本当に何も知らないのか! どこまで隠し通せる」
「……あ、あなたは……こんなことをする……カラクリアンではなかった。仲間を……傷つけるなんて、まったく変わってしまった」
「……ほお。喋り出したな」
「それはダーツンに憑依したから……というより、あなたの怒りがっ! そうさせた」
「そうだ怒りだ。それが今の俺のエネルギーだからな!」
「……そんなのは……こんなに、狂ってしまうのは……あなたではない。ラモンさまではない」
「うるさい!」
いよいよラモンはギーガを中空に放り投げた。
ラモンは雷を呼ぶ。風を呼び、嵐を巻き起こした。そして口から火を噴いて球体を作りあげる。
「……この道は真っ直ぐ、地獄へと繋がっている…時空を超えた門よ、開け!」
「……ラモンさま……」
「俺に従わない者は要らない!」
「そんな……」
「こいつはただの圧潰球ではないぞ。必殺のヘルズ・ボム。包まれ死んだ者は地獄の底に落とされる。魂も、二度とこちら側には戻れない。おまえは永遠に暗黒世界を彷徨うのだ!」
「……た、たすけて」
ラモンはヘルズ・ボムを躊躇なく投げつけた。
ギーガは最後の最後まで無抵抗だった。




