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2. 魔申王ラモン、ゼロウとギーガ
威厳溢れる黒と赤のボディ。緑の目は憂いた世界を見据える。額の青は自由の象徴。
その存在はいつしか『魔申王ラモン』と神に名づけられた。
ある日ゼロウはスクラップ場で一体のカラクリアンを助けた。
ボロを纏い、傷つき倒れた紫色の新型を。
頭部の赤い光がゼロウの目を眩く焚きつける。
訊けば、その新型の名は『ギーガ』。
今は旅の途中で、〝神殿〟を目指しているという。
「創造神オルガは『我が後継を募る』と、世界に伝令を送った。きっとそこに魔申王ラモンが現れる」
とギーガは言った。
彼はラモンを信奉していると言う。
神の後継に興味はない、ラモンに会うために、そこを目指すのだと。
ゼロウは訊く。
「魔申王ラモンはすでに死んだと聞いたが」
「いや。生きている。存在している」
とギーガはゆずらない。
ギーガは修理の腕の立つゼロウに旅の同行を求めたが、ゼロウは従事回路を断ち切れず、誘いをことわった。